ニル・アドミラリの天秤(第4話『第肆章 小夜啼鳥の舞踏会 -ナハティガル-』)のあらすじと感想・考察まとめ

鵜飼首相の子息・昌吾がフクロウの職員アパートで暮らすことになった。自殺未遂で不安定な時期とはいえ、昌吾はフクロウたちになじもうとしない。特にツグミに対しては男尊女卑が加わり、昌吾の当たりが強い。
稀モノの事件は相変わらず続いていた。カラスの作る稀モノには、高級ダンスホール・ナハティガルの関与が濃厚だったが、フクロウは捜査すらできずにいる。
今回は「ニル・アドミラリの天秤」第4話『第肆章 小夜啼鳥の舞踏会 -ナハティガル-』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

「ニル・アドミラリの天秤」第4話『第肆章 小夜啼鳥の舞踏会 -ナハティガル-』のあらすじ・ストーリー

鵜飼首相の息子・昌吾は使用人の雉子谷を連れて、フクロウの職員アパートに入居した。

仕事に慣れたツグミは、一人で巡回に出されるようになあった。職員アパートに戻ると、見慣れない若い男から、「何故女がここにいる!?」と居丈高に怒鳴られる。ツグミは自分がフクロウであると告げるが、男は「不愉快きわまりない」と去っていく。
朱鷺宮に巡回の報告をしたツグミは、男の話を聞かされる。男は、鵜飼首相の子息・昌吾だった。昌吾は、ヒタキと同じ日に自殺を図っている。昌吾が静養するために、フクロウで預かることになったという成り行きを、朱鷺宮から聞かされていると、大音響が聞こえてきた。
昌吾の部屋の前では、隼人たちが室内に向かって注意していた。業を煮やした隼人は、入室して蓄音機を止めてしまう。朱鷺宮が諍いに割って入り、昌吾は自宅から連れてきた使用人の雉子谷に当たり散らす。

ツグミ(右)が隼人とともに議員の自殺を報告に行くと、朱鷺宮も帝都新聞の葦切(左)から同じ話を聞いていた。

翌朝、歌を歌いながら玄関先を掃除をするツグミに、昌吾は「女にまともな仕事ができるわけがない」「女らしく」など侮辱する。女性も社会進出する時代だとツグミが言い返すと、「ちゃらちゃらと気楽な奴に言われたくない」と昌吾は気を損ねた。
昌吾との付き合い方の難しさを話しながら、ツグミが隼人と巡回していると、ペリが飛びついてきた。万屋の杙梛に招き入れられ、二人は昨夜の事件について聞かされる。衆議院議員の鴨池栄作が、東京駅近くのビルから飛び降り自殺をした。鴨池は、ナハティガルというダンスホールからの帰途であり、稀モノらしきものを手にしていたという。警察は、情報開示していない。
鴨池の情報をたずさえ、ツグミと隼人は朱鷺宮に報告する。朱鷺宮も、応対中の帝都新報の葦切から鴨池議員の話を知らされていた。葦切は隼人の大学時代の先輩であり、部下の小瑠璃からツグミのことも聞いていたという。
葦切は一か月前の類似事件について話す。貴族院議員の阿比清麿が、心臓発作で急逝している。使用人は、故人の枕元に稀モノと思われる冊子を見たという。阿比夫人はナハティガルの常連だった。ナハティガルは、四木沼財閥が経営している会員制高級ダンスホールである。フクロウは、ナハティガルがカラスの巣窟で、稀モノの闇オークションが行われていると睨んでいた。カラスの主謀者は、当主の四木沼喬であるとも目していた。政財界に太いパイプを持つ四木沼相手に、下手に踏みこむができないのが現状だった。
折よく、昌吾にナハティガルの招待状が届いているという。昌吾の護衛を兼ねて潜入捜査をするように、朱鷺宮はツグミに命じる。昌吾は、ツグミを下品で野蛮で虫唾が走ると、同伴を拒否した。

ツグミ(右)が温室にいると、自分の行く先々に先回りしていると癇癪を起こす昌吾。

昌吾との関係が改善されないことに悩みながら、ツグミは入浴の支度をしていた。女湯に昌吾が間違えて入ろうとし、鉢合わせした二人ともパニックになる。
入浴後、ツグミが温室に下りると昌吾も偶然やって来た。昌吾は、入浴時のアクシデントが自分の過失であると謝る。そして、昌吾は華族令嬢のツグミが、待遇がよいとは言えないフクロウであることをいぶかしがる。ツグミは自由があるからと答える。自分の仕事があって、給金を好きなように使える喜びと、仕事が好きであることをツグミは語る。昌吾はフクロウを見下しているが、ツグミは歩み寄ろうとする。昌吾は、ナハティガルにツグミを同伴することを承諾しながらも、「不愉快きわまりない」と言い残して温室を出て行った。

ナハティガルの経営者・四木沼夫妻(右)に挨拶をするツグミと昌吾。

招待の日、ツグミは朱鷺宮の仕立ててくれたドレスをまとって、銀座のナハティガルに向かった。
着いた早々、四木沼夫妻が昌吾に声をかける。ツグミも夫妻に挨拶する。夫人は薔薇のにおいがした。四木沼夫妻と別れると、尾鷲という陸軍将校が昌吾にからんできた。昌吾の自殺未遂に嫌味を言い、昌吾の父親の政策を批判して去っていった。気分を害した昌吾は、ツグミを残して広間から出て行く。ツグミも息苦しさを感じてバルコニーに出た。庭先に、笹乞が杖を突いた男を伴っているのが見えた。
その後、ツグミは広間に戻り、昌吾とワルツを踊った。昌吾は徐々に打ち解けた様子を見せる。
ナハティガルから戻り、ツグミは朱鷺宮に報告した。笹乞の同行者は帝都大学の百舌山教授ではないかと、朱鷺宮は話す。有益な情報を持ち帰ったツグミを朱鷺宮はほめる。謙遜するツグミに、朱鷺宮は「偶然を引き寄せるのも才能だと、私は思う」と言う。

ワルツを踊る昌吾とツグミ。

ツグミが温室に入ると昌吾が待っていた。昌吾は、隼人たちからツグミがフクロウになった経緯を聞いていた。ヒタキが自分と同じ日に自殺したことに感じることがあったのか、昌吾は「すまなかった。何も知らずに気楽な奴と言って」と数日前の暴言を謝罪した。ツグミの堅苦しさを嫌い、「昌吾」と呼ぶように言う。おずおずと自分を呼び捨てにするツグミに微笑み、明日は掃除当番なのでやり方を教えるようにと、昌吾は頼んだ。
その頃、ウエノ公園で女性が倒れていた。側には、汀紫鶴の著書「ライラック恋夜」が落ちている。すでに息絶えた女性の舌には、ライラックが一輪乗せられていた。

「ニル・アドミラリの天秤」第4話『第肆章 小夜啼鳥の舞踏会 -ナハティガル-』の感想・考察

「ニル・アドミラリの天秤」アニメ全話のネタバレ解説まとめ

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