鉄コン筋クリート(松本大洋)のネタバレ解説・考察まとめ

『鉄コン筋クリート』とは、1993年から1994年にかけ『ビッグコミックスピリッツ』にて連載された松本大洋による漫画作品。
2006年に劇場アニメ化され、松本大洋の出世作と言われている。
本作品はヤクザやチンピラ絡みの暴力沙汰が絶えない「宝町」という街を舞台に、孤児であるクロとシロが驚異的な身体能力と子供とは思えない破壊的な力を武器に強く逞しく生き抜く姿を描く。

沢田(CV:宮藤官九郎)

藤村の後輩刑事。東京大学を卒業し、国家公務員上級試験を蹴って現場の刑事になった。本人曰く自分は不感症であるらしい。シロを警察で保護した際に一緒に絵を描くなどして遊んでやっていた。シロは沢田のことをクロに似ていると言っている。

チョコラ(CV:大森南朋)

宝町のチンピラ。青森県から上京し、親とは音信不通になっている。宝町を仕切っているのは自分だと自負しているが、大きい勢力の前に抗うことが出来ない根っからの善人。シロを可愛がっている。

蛇(CV:本木雅弘)

殺し屋を何人も率いる謎の男。宝町の「子供の城」建設に一役買う人物。レジャー施設建設にあたってクロとシロが邪魔だと判断し、手下にふたりを殺すよう命じる。更に、ヤクザの木村を利用し、鈴木を殺すよう脅す。

源六(CV:納谷六郎)

クロとシロが唯一心を許しているホームレス。ふたりからは「じっちゃ」と呼ばれている。三人で銭湯に行ったり食事をしたり、親のいないクロとシロをなにかと気にかけている。シロの純粋さや未来を見通す力を見抜いている一方で、クロの中に眠る恐ろしい資質も同時に見抜いている。

朝夜兄弟(朝 - CV:玉木有紀子、夜 - CV:山口真弓)

豊町で幅を利かせていた不良兄弟。夜が兄で朝が弟。謎の三人組の殺し屋から街を追われ、宝町を手に入れるためにやって来た。クロとシロに決闘を申し入れるが、こっぴどくやられ降参する。

イタチ(CV;二宮和也)

「伝説の餓鬼」と呼ばれている半身半獣の生き物。頭は牛で身体は人間という姿で恐ろしい力を持っていると噂されている。実際はクロの中に潜むもう一人の人格。イタチの人格が目覚めたクロは恐ろしい力を発揮する。シロのことを「偽りの魂」「偽善の代表」と蔑む。

『鉄コン筋クリート』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「この宝町って街が持つ空気は独特でな。おとぎの国とでもいうのかな。お前が今まで身に付けてきた常識は全て捨て去る事だ。それが長生きする秘訣だよ」

この台詞は、漫画第3話でネズミ(鈴木)が舎弟頭の木村に向かって発した言葉。
大精心会の組長がネズミ(鈴木)に向かってぞんざいな態度をとったことに不満を漏らした木村に対して、組や町で上手く生きていくための心得を説いている。

「もちもーち、こちら地球星日本国シロ隊員。応答どーじょー」

これはシロが宝町の公衆電話を使って行っている「報告」。
特に誰か特定の人物に向かって発しているというわけではなく、独り言のようにシロが単独で発する言葉。
シロは自分のことを「地球星・日本国」の「隊員」として、悪から平和を守っていると思っている。

クロ「心配ないよ。シロは俺が守るから」 源六「この街はもう長くねえ。俺ぐらいの年になると流れってやつが見えんだよ。自覚してるかどうかは別として、シロも同じ事を感じとる」

漫画第6話で源六とクロとシロが三人で仲睦まじく銭湯に入るシーンでの一コマでの台詞。
いつまで経っても成長する気配がなく幼稚な振る舞いをするシロを、自分が守ると豪語するクロに対して、源六が忠告する。
源六の見立てでは、シロは繊細ながらも周囲の動きを敏感に察知し、そこから未来の予測を立てる能力があるというものだった。

S_Nakamura3
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@S_Nakamura3

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