【作品】MONSTER モンスター[完全版]
2026年、ナイキ・アッツフェルドは驚異的な記憶力で過去を蘇らせ、自分が生まれた1993年、 戦火のサラエヴォでの出来事を思い出す。生後数ヶ月で出会った同じ境遇のふたりの孤児、アミールとレイラのこと、生涯ふたりを守りぬくと誓ったこと。
さまざまな宗教が覇権を争う時代、ナイキは離れ離れになったふたりを探しに行く。
3人は意図せずして地球規模の闘争に巻き込まれるが、この闘争を陰で操っているのが「モンスター」という謎の人物だった。
【作家】エンキ・ビラル
メビウスに次ぐBDの巨匠。9歳の時に、生まれ故郷である旧ユーゴスラビアからパリに移住。70年代前半にBD作家としてデビューする。
1979年『黒の旅団』で本格的に政治をテーマにしたBDの走りを描き、数々の賞を受賞。80~92年にかけて出版された『ニコポル三部作』で世界的に著名な作家となる。1987年にはアングレーム国際漫画祭でグランプリを受賞している。
映画監督としても知られ、『ティコ・ムーン』『ゴッド・ディーバ』などを発表。チェスボクシングの考案者でもある。
【作品】闇の国々
<闇の国々>――それは、我々の現実世界と紙一重の次元にある謎の都市群。
ある日突然増殖しはじめた謎の立方体に翻弄される人々を描く『狂騒のユルビカンド』、
巨大な塔の秘密をめぐる冒険から、数奇な運命へと導かれる男を描く『塔』、
未知の天文現象により、体が斜めに傾いてしまった少女の半生を描く『傾いた少女』、
傑作と名高い選りすぐりの3作品を収録した歴史的名作シリーズの初邦訳。
海外での評判のみならず、日本でも第16回文化庁メディア芸術祭大賞を受賞した作品。
【作家】フランソワ・スクイテン
1956年、ベルギー・ブリュッセル生まれ。1970年代から「Metal Hurlant」などの雑誌でBDを発表し、1983年、「A Suivre」に掲載された〈闇の国々〉シリーズ第1作『サマリスの壁』で一躍人気BD作家の仲間入りを果たす。現在では、切手やポスターなど、ヨーロッパのいたるところでスクイテンのイラストを見ることができ、まさにBD界を代表するアーティストの一人である。
また、スクイテンはパリやブリュッセルの地下鉄の駅のデザイン、オペラやダンスの舞台芸術も手掛けており、2005年の愛知万博のベルギー館をはじめとする数々の国際博覧会のパビリオンデザインなどにも携わっている。
ブノワ・ペータース
1956年、フランス、パリ生まれ。2冊の小説を出版した後、1980年代から幼なじみのフランソワ・スクイテンとともに〈闇の国々〉シリーズを手掛け、以後、BDの原作者として活躍。同シリーズは10の言語に訳され、数々の賞を受賞した。また、BD以外にもエッセイ、評伝、映画、テレビ、ラジオドラマの制作など多岐にわたる活動を展開している。
『タンタンの冒険』で知られるベルギーのBD作家エルジェの研究家としても有名で、これまでに3冊の研究書を出し、いずれも高い評価を受けている。2010年には、フランスの哲学者ジャック・デリダの初の伝記を刊行し、話題となった。
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【作品】天空のビバンドム
物語は、ピュアなアザラシのディエゴを操って、自分たちに都合の良い「物語」を作ろうと、市の権力者や悪魔、犬や鶏たちもが争うファンタジー・ストーリー。
ニコラ・ド・クレシーの代表作で、まずはそのビジュアルが大きな話題となった。水彩、カラーインク、アクリル、ガッシュ、クレパス(オイル・パステル)、コラージュとあらゆる技法が詰め込まれている。
ド・クレシー自身、絵に関するテーマが「実験」だったと語るように、一ページごとにタッチを変えて、漫画作品としては他に例を見ない自由な描写となっている。本作は欧米のみならず、日本の漫画家・アニメーション作家にも多大な影響を与えた。