【作品】ペルセポリス I イランの少女マルジ
イスラーム革命、イラン・イラク戦争…戦火を逃れた異国での孤独…傷心の帰国…結婚やがて離婚。激動の時代を悲しみと怒りとユーモアで彩り、斬新なタッチで描いた自伝的グラフィックノベル。
マルジは、イランの裕福な家庭に生まれたが、小学生でイスラム革命が始まる。突然、男女は別の学校に通わされ、ヴェールをつけることを強いられる。
弾圧・戦争がおこり、爆撃の犠牲となる友人、拷問で死ぬ叔父、死と隣り合わせに生きながら、普通の女の子の目線で淡々と語られる日常生活。
社会風刺とブラックユーモアがきいた、マルジ6歳から14歳までの自伝的グラフィックノベル。
【作家】マルジャン・サトラピ
1969年、イランのラシュト生まれ。テヘランで成長し、フランス語学校に通う。14歳の時に国を離れ、ウィーンを経て、ストラスブールでイラストレーションを学ぶ。現在はフランスのパリ在住。
1979年イスラーム革命以降の著者の体験を描いた『ペルセポリス』は批評家の絶賛を浴び、30ヶ国語に翻訳されて国際的なベストセラーとなっているほか、「ニューヨークタイムズ」が選ぶ注目すべき本に選出、ハーベイ賞など多数の賞を受賞。
2005年にはアングレーム国際バンドデシネフェスティバルにおいて、『鶏のプラム煮』が最優秀アルバム賞を受賞。
ペルセポリス
アニメーション映画化されたペルセポリスの予告編。
映画もまた好評を博し、第60回カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞。ほか、第80回アカデミー賞・長編アニメ映画賞ノミネートなども。
【作品】皺
第15回文化庁メディア芸術祭・マンガ部門優秀賞を受賞した作品。
息子夫婦に連れられ、老人ホームに入ることになった元銀行員のエミリオ。そこでは、たくさんの老人たちがそれぞれの「老い」を生きていた。やがて彼らは「アルツハイマー」という残酷な現実と向き合うことになり……。
大切な人の顔も、思い出さえも、なにもかもが失われていくなかで、人生最後の日々に人は何を思うのか――。
【作家】パコ・ロカ
1969年、スペイン・ヴァレンシア生まれ。イラストレーターとして活躍するかたわら、コミック・アーティストとしてヨーロッパ各地で作品を発表。
2008年、本作『皺』でスペインコミック賞を受賞。「老い」という社会的なテーマを扱ったことで、コミックの枠を越え、広く世間から高い評価を受けた。
同じスペインの作家である『ブラックサッド』のフアンホ・ガルニドとは対照的で、ガルニドが大手出版社のメインストリームに連なる作品を発表しているのに対し、パコ・ロカは独立系小出版社から地味ながら優れた作品を発表している。
映画『しわ』予告編 - 三鷹の森ジブリ美術館ライブラリー
三鷹の森ジブリ美術館ライブラリーの提供で公開。
スペインで公開されるや社会的に大きな反響を呼び、スペインのアカデミー賞と呼ばれる第26回ゴヤ賞で「最優秀アニメーション賞」「最優秀脚本賞」を受賞。また、教育番組の世界的なコンクールである「日本賞」の2012年度グランプリを受賞した話題作。
映画『しわ』公式サイト
www.ghibli-museum.jp
三鷹の森ジブリ美術館ライブラリー作品、映画『しわ』(原題:Arrugas)公式サイト。
【作品】ル・グラン・デューク
1943年冬、地獄の東部戦線。向かうところ敵なしのルフトヴァッフェ(ドイツ空軍)は完全に制空権を握り、敗走するソ連軍に鉄と火の雨を降らせていた。圧倒的な敵の進撃を少しでも遅らせるために、ソ連空軍にできることといえば、パイロットの英雄的行為に頼るだけであった。ドイツ兵の眠りを妨げるため、低速の旧式機で決死の任務に出撃する“夜の魔女”。
彼女達の決意は固く、どんな犠牲もいとわない。リリアは、そんな魔女の1人であった。リリアの前に現れたヴルフは、ヒトラーに忠誠を誓う“鋼鉄の鷲”の一員であったが、同時に規則破りの常習犯であり、何よりも心の底からナチを嫌っていた。
【作家】ロマン・ユゴー
1979年生まれのBD作家。
高等応用美術院オリヴィエ・ド・セールで学び、空軍の資料を含めた航空関係の参考図書のイラストを担当。
フランス空軍大佐を父に持ち、自身も17歳の頃から操縦桿を握り、今も自家用飛行機で空を駆け巡っているという筋金入りの飛行機好き。
宮﨑駿も「あなたの作品にすっかり感心しています」との言葉を寄せている。
【作品】シェヘラザード ~千夜一夜物語~
妻の不貞を発見して以来、女性への猜疑心に苛まれていたシャーリアール王は、結婚した娘と最初の一夜を過ごしては翌朝には処刑していた。殺害した女性が3000人に達したとき、彼は大臣の娘シェヘラザードと結婚する。
父の反対を押し切り、王の閨に向かった美しく賢いシェヘラザードは、夜が明けるまで、古今東西のあらゆる不思議な物語を王に語りはじめるが……。
イタリアの天才絵師が描く、世にも美しき千夜一夜物語。
【作家】セルジオ・トッピ
1932年、イタリア・ミラノ生まれ。1966年、イタリアの有名雑誌『Il Corriere dei Piccoli』でデビュー。以後、数々の作品を発表し、その大胆な構図、白黒の繊細な描線によってイタリア漫画界に新風を吹き込んだ。
ユーゴ・プラット、グィド・クレパックス、ディノ・バッタリアらと並び称されるイタリア漫画界の巨匠。2008年にはアングレーム国際漫画祭にて大規模な展示が行われた他、近年では英訳刊行も相次ぐなど、特に欧米圏において評価の機運が高まっている。
2012年逝去。