寄生獣の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『寄生獣』は、岩明均による日本のマンガ。人間を捕食する寄生生物と右手に寄生生物を宿した高校生シンイチの数奇な運命を描く。
人間の存在が地球に害であるというテーマを掲げており、タイトルの「寄生獣」は前述の寄生生物ではなく、地球に害をなす人間を指している。
その重厚なテーマを背景に、キャラクターによるメッセージ性の強いセリフが多く、作中で多くの名言が登場している。

上に続き、広川の演説。本作のタイトルである「寄生獣」が寄生生物ではなく、人間を指すことがこのセリフで明かされる。
この「人間に寄生し生物全体のバランスを保つ役割を担う我々から比べれば 人間どもこそ地球を蝕む寄生虫!! いや……寄生獣か!」というセリフが本作のテーマかつ筆者の主張であるとして、多くの読者が名言だと捉えている。

新一「どけよ!人間ども!!」

自身の母が寄生生物に殺されたことを田村良子に指摘され激情し、その場を走り去る新一。道を邪魔する人混みに対してこの「どけよ!人間ども!!」という言葉をかける。
自分はもう人間ではないのではないかという疑念がシンイチの中で無意識のうちに強くなってることが伝わるシーン。

新一「なんだ……ほとんど可能性ゼロに近いじゃないか!………でもやらなけりゃ………確実なゼロだ!!」

ミギーがいない中、最強の寄生生物「後藤」と対決するが、圧倒的力の差に追い詰められるシンイチ。絶体絶命の状況下で、勝算を考えるシンイチのセリフが「なんだ……ほとんど可能性ゼロに近いじゃないか!………でもやらなけりゃ………確実なゼロだ!!」だ。

初めてミギーがいない中、窮地に立たされながらも勝利を諦めず立ち向かうシンイチに、成長を感じる名シーンである。

新一「君は悪くなんかない。でも、ごめんよ」

後藤との戦いを終えた後、新一はミギーから「戦う力を失った後藤にトドメを刺すかどうかの判断」を委ねられる。「彼もまた必死に生きる命である」と考えた新一はいったんは後藤を見逃す決断をするも、「自分は人間であり、後藤は人間を襲う怪物である」ことを思い出し、自らの判断を覆して後藤にトドメを刺す。
「君は悪くなんかない。でも、ごめんよ」とはその際に新一が発した言葉で、彼が「寄生生物はこの地球で共に生きる隣人である」という事実を受け入れたことと、「だとしても自分は人間であり、自分と同種を守らなければならない」という悲しい現実を理解した証ともなっている。

新一「あいつらはせまい意味じゃ“敵”だったけど 広い意味では“仲間”なんだよなァ みんな地球で生まれてきたんだろう? そして何かに寄りそい生きた……」

強敵「後藤」を倒し、ミギーとも別れたシンイチがこれまでの戦いを振り返り、思いを馳せるシーン。そこで彼が心の中で発したのが「あいつらはせまい意味じゃ“敵”だったけど 広い意味では“仲間”なんだよなァ みんな地球で生まれてきたんだろう? そして何かに寄りそい生きた……」というセリフだ。

人間の天敵である寄生生物も元は地球で生まれた仲間であるというこのセリフも、広川のセリフと同様本作のメッセージを強く表現しており、名言との声が多い。

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