坂本ですが？（アニメ・漫画）のネタバレ解説・考察まとめ

久保田母の坂本への愛

久保田の母「茂美」は、夫も子供もいる一家の母である。
しかし坂本が始めて久保田の家に来た時に、坂本が茂美に貝殻をプレゼントし、しかも坂本が大好きな韓流スターチョン・チョリソーと似ているというところから、茂美の叶わぬ恋が始まってしまった。
坂本が家に来るときはバッチリと化粧をし、普段着ないような上品な服を着て出迎える。
もはや母ではなく女になってしまっているのである。
母の豹変に気づいていた久保田は、このままでは家庭が崩壊してしまうと危惧する。
そして久保田に勉強を教えるために家に来ていた坂本に茂美から隠れるように言いつけ、忘れた教科書を取りに学校へ戻った。
息子の様子を伺っていた茂美は、息子の居ない間にここぞとばかりに坂本にアプローチをかけようと動き出す。
坂本は久保田に言われた通り茂美から隠れ、茂美はベッドの下からお風呂の浴槽まで坂本を求めて家の中を探し回り、坂本はそれらをスレスレで交わし続ける。
ベランダから降りたような形跡があり、坂本は帰ってしまったんだと思う茂美。実際は干してある洗濯物に紛れて潜んでいた。
茂美は諦めて坂本に似たチョリソーの出ている冬のプリズムというドラマを見始め、坂本に思いを馳せる。
その様子を見ていた坂本は茂美に自分を諦めさせるため話があると茂美の前に現れる。
しかし、話をする隙も無く理性をなくした茂美が坂本に襲い掛かってくる。
坂本は茂美を華麗に交わし、テレビの中に入るような演出をして（実際にはジャンプしてテレビの後ろに着地し、タイミングを合わせて事前に製作した映像の坂本が現れるという神業）自分はテレビの中の人間であると茂美に別れを告げた。
茂美は坂本には触れられないと分かり、失恋して号泣した。
その後、久保田は図書館で坂本に勉強を見てもらうようになった。

坂本を求め、息子に変装して学校に潜り込む久保田母

坂本はテレビの中の人間であると諦めた茂美であったが、三社面談で聞いた息子の交友関係の話から、坂本は存在するという事に気づいてしまう。
息子が風邪を引いたのを絶好の機会とし、茂美は息子に変装して学校へ登校した。
茂美は授業中坂本を見つめ続け、しかし今は息子に変装しているのだと自分を自制し、ただ坂本を眺めるだけでいようと思う。
体育の授業の走りこみでは、友達で良いから側に居たいと坂本に追いつこうと全力で走るも、坂本に追いつくことが出来ず、茂美は叶わぬ恋に苦しんだ。
そして転んでしまい、その時に首から下げていた貝殻のネックレスが割れてしまう。
この貝殻は坂本が茂美にプレゼントした貝殻である。
割れてしまったのは茂美の心でもあるのか、坂本が手を差し伸べるもその手を取らなかった。
坂本は地面に落ちた割れた貝殻を見て、茂美に気づいたようであった。
茂美は体操着から制服に着替えながら、坂本に触れるチャンスはそれで最後であっただろうと消沈していると、そこにクラスの男子達が入ってきた。
男子達は体育であいなの胸が揺れていたという話題で持ちきりであり、男であるが久保田も爆乳である事に気づき、触ろうとしてくる。
茂美は女性として反射的に嫌がるが、坂本が見ているならそれもいいと自暴自棄になってしまい、体を差し出す。
すると、坂本は風で膨らむカーテンの端を結んで大きな胸を作り出し、男子達はそちらに夢中になった。
大きな胸に包まれる男子達を見て、息子を育て授乳していた事、そして自分が母親であった事を思い出した。
坂本は貝殻のネックレスを修復し、茂美に渡した。
茂美は早退して家に帰り、息子におじやを作ってあげた。
お母さんの作るおじやは美味しいと喜んで食べる息子に、茂美は「当たり前じゃない、だって母さんだもの」と微笑んだ。

坂本と8823先輩

8823先輩は校内の不良たちから尊敬される、不良界では二年生のトップである。
同じく二年生の丸山が坂本をパシリにした件以降坂本を恐れており、8823先輩は坂本に目をつける。
坂本に「ツラを貸せ」というと、坂本は粘土に勢い良く顔面を押し当てて、顔の型を取って8823先輩に渡した。
するとその顔型を欲しがった女子生徒たちが一斉に8823先輩に襲い掛かる。
8823先輩は坂本の合図で女子達が攻撃してきたのだと思い込み、既にクラス内が坂本によって統括されていると驚く。
そして8823先輩は坂本に放課後に河原に来て自分と勝負するように言った。
しかし坂本は行くつもりは無かった。
8823先輩を慕う下っ端の不良たちは、坂本が河原へ行く様に坂本の私物を盗んであの手の手で坂本を怒らせようとするが、坂本は全然怒らなかった。
「坂本の大事な物は何か？」と考えた不良たちは、久保田を狙い、久保田を丸坊主にしてしまう。
久保田の頭には「8823参上」と書かれており、坂本は河原へ向かった。
しかし勝負の場に警官が現れ喧嘩はしてはいけないと注意する。
不良たちは喧嘩ではなく手押し相撲をしていたのだと嘯くと、警官はノリノリになってしまい試合を見ていくと言い出す。
坂本と8823先輩は手押し相撲のタイマンをはじめ、白熱した戦いへとなる。
次第に雨が降りはじめ、8823先輩はフラフラになるがプライドを持ち正々堂々と戦うことを望んだ。
その姿から坂本は8823先輩は戦うべき相手では無いと気づき、勝負の最中に突然手を上げた。
警官は坂本が雷を呼んでいると実況したが、坂本が呼んだのはタクシーであった。
坂本はずぶ濡れになった8823先輩をタクシーに入れる。
8823先輩は自分の手下達が久保田に酷いことをしたことを知って坂本に謝り、責任は自分にあるとし落とし前は自分がするという。
坂本は買出しに付き合うように言った。
その夜、8823先輩と久保田の髪を剃った不良二人が久保田の家へ行き土下座で謝り、差し入れとして髪に良いワカメを差し出した。
久保田は8823先輩達を許し、ワカメパーティーを開いた。
坂本はその光景を窓からこっそりと見ていた。

8823先輩の家はごく普通の庶民的な家庭で、母は既に亡くなり、ちょっと頼りない父親と弟達と一緒に住んでいる。
父親は幼い子達には新しいお母さんが必要だと考えており、8823先輩をフランス料理に誘い、お母さん候補を紹介したいという。
しかしフランス料理なんて食べたことがなく作法を全く知らない8823先輩は、坂本に助っ人を頼んだ。
坂本は8823先輩と二人羽織になり、坂本が手を動かし、8823先輩が食べる、というシンプルな作戦を立てた。
女性は作法を守って行儀の良い8823先輩を褒めた。
女性と父親は二人っきりになりたいと8823先輩と別れるが、裏路地で父親がヤンキーに絡まれているのを8823先輩と坂本は目撃してしまう。
父のピンチを知るも、そのまま出て行っては女性に8823先輩が不良であるとばれてしまう。
そのため、今度は坂本が前になり8823先輩が後ろになる二人羽織になり不良を倒した。
すると、実は女性は美人局であったことが発覚する。
フランス料理慣れしていて、図体のでかい息子がいるなんてさぞお金を持っているに違いないと思われていたようである。
美人局の話を聞いているうちに先ほど倒した不良たちが復活し、8823先輩を不意打ちして負傷させた。
不良たちは美人局の仲間だったのである。
坂本はフランス料理を食べたことで体に異変が出たと語り始め、二人羽織しているコートの中お腹の部分から自分の腕を出した。
美人局達はバケモノだと驚いてその場を去って行った。
父親も吃驚して気絶してしまい、8823先輩が背負って帰る。
バカでマヌケな父親であるが、足りない物は補い合っていけば良いという8823先輩に、坂本は「二人羽織のように？」と返した。

合コンへ行く坂本

クリスマスの日、坂本は1人で5㎡あたりの人口密度が規定値を超えないよう歩行者を誘導していた。
坂本は、ドタキャンされた人間の変わりにと男性二人に合コンに誘われ、社会勉強になるからといわれてカラオケへ付いて行く。
合コン相手は美女達であったが、最初は誰も坂本の魅力に気づかなかった。
しかし、自己紹介で坂本がNASAを目指していることや、地球環境の話で美女達は坂本に関心する。
男性二人は坂本に注目が集まるのを懸念し、ワニの玩具でゲームを始める。
坂本はその行為になんの社会勉強があるのか尋ねると、人の心を開く作法だと教えられた。
ワニに噛まれた人は自分がSかMかを暴露するというルールになった。
最初に噛まれたのは坂本であった。
坂本はワニを「怖くない怖くない」と撫で、ワニの心を開いた。
それを見ていた美女達は坂本に慈しみを感じ、坂本はMで、MはMでもマリアのMだと盛り上がる。
坂本に注目が集まるのは不味いと、男二人はカラオケで美女達の気を引こうとする。
そして坂本にはコーラを飲ませてから歌うように誘導した。
坂本が歌っている最中にゲップをすれば美女はどん引きするはずという目論見であった。
坂本はシューベルトの「魔王」をドイツ語で歌い始めて、その圧倒的な歌唱力にその場の一同は聞き入ってしまい、そして周りの部屋の人々もドアから除きにやってきた。
男達は坂本のゲップを待つが、坂本はゲップを生かしてネイティブな発音をした。
ドアの外から見ていた女性達が一気に坂本の元へ押し寄せ、坂本は人口密度が規定値をオーバーしたと言い、女性たちと共にその場を去って行った。
男達は坂本を伝説の合コンの魔王だと恐れた。

隠し撮りで写った幽霊

学級委員長の藤田恵は、坂本の盗撮が趣味であった。
ある日、恵は坂本を写した写真の中に心霊写真がある事に気づく。
幽霊が坂本を狙っていると知り、坂本に危機を伝えようとするが、盗撮した写真を見せて伝えれば恵が盗撮していることが坂本本人にバレてしまうという事になる。
写真を見せずにどうやって坂本に危機を伝えれば良いか恵は考える。
坂本といつも一緒に居る久保田に相談してみると、久保田にも坂本の周りで起こる心霊現象に心当たりがあったようである。
しかし久保田曰く坂本はポルターガイストなんて気にせず、自然の摂理として受け取っていた。
久保田は、恵の写真に幽霊が写ったなら、幽霊と恵に何か重なる物があるのではないかと指摘する。
坂本が中庭でクラスメイト達と楽しそうに尻相撲をしているのを見て、恵はすかさず坂本を盗撮しようとする。
だが、その輪に入れず影でこそこそと見ていることしか出来ない自分は、久保田と言う通りあの気味の悪い幽霊と同じだと思う恵。
カメラで撮った坂本の尻相撲の写真を見ていると、幽霊が坂本の足元に居て、何か伝えようとしているのか口元が動いている事に気づく。
恵は写真を現像し、坂本に写真をパラパラ漫画のように見せて、幽霊が「好きです」と伝えていることを告げる。
しかしいきなり説明もなしに好きですと伝えてしまったため、自分が気持ち悪い告白をしたのでは無いかと焦る恵。
めぐみは坂本に嫌われてしまったと思った。
だが、坂本はコピー機で自分の顔面をスキャンし、幽霊と同じように自分もパラパラ漫画の要領で「ありがとうございます」と答えた。
その言葉が届いたのか幽霊は成仏して行った。
そして恵はこの件以降、坂本を盗撮ではなく堂々と撮影するようになった。

誰が一番坂本とロマンティックな出会い方をしたか

木下でお弁当を食べながら久保田と一緒にいる坂本を見つめる、恵・みーちゃん・カナちゃんの三人。
三人は各々に自分が坂本と出会った時のことを思い出し、語り始めた。

恵は入学試験の日、寒さと緊張で手が震えていて消しゴムを落としてしまう。
坂本は消しゴムが下に落ちるより前に拾い上げ、恵に返さずに自分で豪快に使い始めた。
恵はなんて酷い人なんだろうと思ったが、坂本は摩擦で消しゴムを暖めて恵の手を温めようとしていたのであった。
そのお陰で恵は消しゴムから暖を取り、無事テストを終えることが出来た。
その時の消しゴムは今も持ち歩いており、恵のお守りとなっていた。
カナちゃんとみーちゃんはその甘酸っぱい（？）話を聞いてキャーッと盛り上がった。