アマデウス(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

映画「アマデウス」は、ピーター・シェーファーの同名の戯曲を映画化した作品。1984年にアメリカでミロス・フォアマン監督によって制作された。若くして世を去った天才音楽家モーツァルトの生涯を、宮廷作曲家サリエリとの対決を通して描いた話題作。アカデミー賞8部門を受賞した。
自殺を図り精神病院に運ばれた老人は、やがて彼の人生のすべてを変えてしまった一人の天才の生涯を語り始めるのだった。

ウイーンに住む街の娘でメイド。サリエリにモーツァルト邸のスパイとして雇われる。
サリエリは彼女の情報をもとにモーツァルトの家に侵入し、彼の動向を探っていた。

『アマデウス』の名シーン・名場面&見どころ

皇帝を取り巻く重臣たちはモーツァルトの敵

ヨーゼフ2世の周りには重臣たちがいつも取り巻いていて、宮廷のシーンにはたいてい登場する。
彼らもサリエリ同様にモーツァルトのことが好きではない。サリエリは、そんな彼らを利用してモーツァルトのオペラに対し何かと邪魔をし追い込んでいく様は、この映画の見どころでもある。
画面左から、モーツァルトが皇帝と間違って挨拶した髪の長い人物は教育・文化大臣のファン・スヴィーテン男爵、サリエリ、ニヤニヤしていて太った人物は宮廷音楽長のジュセッペ・ボンノ、青い服のメガネをかけた人物は国立歌劇場総監督のオルシーニ=ローゼンベルク伯爵、緑の服の年配の人物は侍従長のフォン・シュトラック伯爵。全員実在の人物である。

モーツァルトのアクロバティックなピアノ演奏

モーツァルト邸に訪れた父・レオポルトを歓迎し、モーツァルトは父とコンスタンツェとともに行き付けの酒場に遊びに行く。
その酒場でのシーンは、仮面や派手な衣装を付けた仮装パーティで、モーツァルトはゲームと称して逆さになり手を交差して弾くアクロバティックな技など、様々なピアノ演奏を披露する。
そこには偶然サリエリも居合わすのだが、来ていることを知らないモーツァルトはサリエリを馬鹿にした物真似までやってしまうのである。

父への懺悔を込めたオペラ『ドン・ジョヴァンニ』

モーツァルトの父・レオポルトが亡くなり、彼はその悲しみと父への懺悔をオペラに込めて『ドン・ジョヴァンニ』という新作を上演するシーン。
舞台上では、幽霊となった石像が壁を破壊して登場したり、悪魔が空中から降りて来たりと、スリリングで強烈な演出に目を奪われる。
このオペラは、プレイボーイの貴族ドン・ジョヴァンニが、貴族の娘を誘惑し、その父親を殺す。その後、墓場でその父親の石像がその姿のまま幽霊として現れ、ジョバンニは地獄に引き込まれるという物語である。

『アマデウス』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

モーツァルトになりきったトム・ハルス

モーツァルトを演じたトム・ハルスは、ピアノを猛特訓し、劇中の多くの場面で代役や吹替え無しでピアノを弾いている。また指揮においても、楽曲の指揮を担当するクラシック指揮者ネヴィル・マリナーから直接トレーニングを受け、マリナーに「たぶん彼が音楽映画の中で最もちゃんとした指揮をしていると思う」とまで言わしめた。なお、劇中の時代にはまだ現在のような指揮棒が無かった史実を反映して、指揮を行う場面は全て素手を振る形で行われている。

F・マーリー・エイブラハムは元々サリエリ役ではなかった

サリエリを演じたF・マーリー・エイブラハムは、当初は小さな役でキャスティングされていたが、台本読みの段階で監督にたまたまサリエリの代役を任されると、あまりに演技の高さに圧倒され、主役に抜擢された。

本作から生まれたヒット曲「ロック・ミー・アマデウス」

この映画を見て書き下ろしたという大ヒット曲がある。
ウィーン出身のミュージシャンであるファルコが、映画公開の翌年1985年にリリースした「ロック・ミー・アマデウス」(原題: Rock Me Amadeus)。
刺激的なヒップホップのビートに乗せてモーツァルトの生涯をラップで歌い込んだこの曲は、地元オーストリアを皮切りにヨーロッパ各国でチャート1位を獲得。翌1986年にはアメリカでもBillboard Hot 100で1位の大ヒットを記録する。
英語とドイツ語を交互に操ったラップの面白さと、1984年の映画『アマデウス』のヒットを受けた話題性、クラシックの偉人を茶化した痛快さが、異例の大ヒットにつながったといわれている。
余談だが、日本において木村拓哉が出演しているマンダム・ギャッツビーのCMでこの曲の替え歌が使用されている。

冒頭で使用された音楽

モーツァルト:交響曲 第25番 ト短調 K.183 第1楽章

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