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tanigome3735のレビュー・評価・感想 (2/2)

300 〈スリーハンドレッド〉
10

史上最も強い軍隊と名高いスパルタ

ギリシャのスパルタ軍300人vsペルシャの複合民族軍数万の軍隊の戦いである、「テルモピュライの戦い」をモチーフにした作品。史実では300人のスパルタン以外にも多数の軍が戦闘に参加した(戦力差の比率は依然として大きいままであるが)とされているが、この映画では300人のスパルタンのみで戦うこととなる。
ギリシャに対し屈服を前提とした外交を持ち掛けてきたペルシャの大使を、大きな井戸のような場所に蹴り落とし、屈服を拒否するとともに、これがスパルタのやり方だと叫ぶシーンが視聴者にとって初めて心が大きく脈打つシーンとなるだろうと思われる。このシーンを見た時点で私は既に劇中のギリシャ側の精神と一体化を果たし、ペルシャが憎いペルシャを潰さなければという感情に心を満たされていた。
いざ開戦となり、スパルタは鎧など付けずに槍と盾で戦っているにも関わらず驚くほどの快進撃を果たすのだが、そこではもはや映画を見ているなどという感覚ではなかった。五感は全て劇中と同化しており、まるで自分も陣形に組み込まれているかのような感覚に陥った。こんなリアリティを感じさせてくれる映画は後にも先にもあるのだろうか?そんなことを考えさせる作品。

GLAY / グレイ
9

GLAYのベストアルバム「DRIVE」について

GLAYのメンバー4人は北海道函館市の出身です。1994年にバンドでメジャーデビュー、1997年にリリースされたベストアルバム「REVIEW-BEST OF GLAY-」は出荷枚数500万枚を突破、当時の国内のアルバム売り上げ枚数日本一を記録しました。1999年、幕張メッセ駐車場特設ステージで開催された単発コンサートで20万人を動員し、現時点において、単独アーティストの有料ライブに限れば世界記録となっています。
そんな音楽シーンの記録を塗り替えてきたGLAYですが、2000年に発売された「DRIVE-GLAY complete BEST-」はファンを大切にする彼ららしい仕上がりとなっています。ファン投票によって選ばれた楽曲と、アルバムのリリース前に発売されたシングル「Missing You」が収録された2枚組みのベストアルバムです。
1枚目の「HAPPY SWING」は、バンドの公式ファンクラブの名前と同タイトルの楽曲。「とまどい」は20thシングルで、ジャケットのモチーフにメンバーが1人ずつなって、全部で4パターンあります。「HOWEVER」も人気の高いシングルで、どれも投票で選ばれたのが納得できます。
2枚目にもヒット曲や名曲が収録されています。「春を愛する人」はシングル「口唇」の2曲目なのですが、函館市のような雪深い街で春が来るのを待ち望むような気持ちになります。GLAYはライブに力を入れて活動していますが、このベストアルバムはリピート間違いなしでオススメです。

Call of Duty: WWII
8

世界中のプレイヤーと戦場を駆け抜けろ!

まずこのゲームでなによりもおすすめしたいのは、オンラインモードでのプレイです。オンラインモードでは様々な対戦モードがあり、それぞれ数多くのステージが存在しています。その中で自分にあった対戦モードを見つけて自分のキャラクターのレベルを上げ、対戦や指令によって手に入れたアイテムを入手することで、一人の兵士として確立していくゲームです。
コールオブデューティは戦場もののゲームとしてはかなり奥深いものがあり、師団というものが存在し、自分に合った対戦モードがあるのと同じように自分に合った師団というものが存在します。それらの師団を駆使して、世界中のプレイヤーと共に協力をしながら戦場を生き抜いていきます。
ヘッドセットを使用すれば実際に音声で他のプレイヤーに指示を出しながらプレイすることも可能です。また、プレイステーション4ではまだ数少ない2人プレイが可能で、オンライン接続時に仲間を招待すれば4人でチームを組み協力プレイすることもできます。
戦場で戦うだけのゲームではなく、コールオブデューティの伝統モードとも言えるゾンビモードや、自らが戦場の障害物に化けてかくれんぼをするという、一度プレイしたら癖になってしまうユーモア溢れたモードなどがあります。
世界中のプレイヤーと共に戦場を生き抜く、息つく暇もないノンストップガンシューティングを是非一度お試しください。

ハイキュー!! / Haikyu!!
10

バレーボール好きな人も、あまり知らない人もきっと引き込まれる!熱いモノがぎゅうぎゅうに詰め込まれた傑作

ハイキュー!!のタイトルは「排球」つまりバレーボールのことなのですが、読めば読むほど「ああ、確かに『ハイキュー!!』って感じだ」と、末尾の『!!』が表す熱さを随所に感じさせられます。
ジャンプと言えば「友情・努力・勝利」が定番のキーワードですが、それだけではありません。個性豊かなキャラクターたちの人間模様、それぞれの信条やこだわり、バレーボールに対する姿勢や心境の変化、葛藤・衝突・成長の過程などが、非常に丁寧な絵とドラマティックな演出を駆使して描かれています。
高さが武器であるバレーボールの世界で、低身長のカリスマが放つ存在感、それに衝撃を受けた主人公・日向翔陽の成長は特に、目が離せません。ライバルは他校の選手に限らず、チームメイトはもちろん、自分さえも越えていく対象と、貪欲に様々な情報と経験を吸収し、自分のものにしていきます。そして、周りにもまた負けず嫌いで、向上心でギラギラしたメンバーが揃っていて、ガチンコのぶつかり合いに心理戦や駆け引きも交え、コート上の熱戦を盛り上げてくれます。
各々のキャラクター「らしさ」が確立している、日常の何気ないやり取りも魅力的です。
個人的に特筆すべきはコマ割で、これは本当に読んでいただければ一番実感していただけることですが、とにかく魅せ方が抜群に巧いです。思わず息を飲む、やられたと思ってしまう、感嘆を漏らすしかないような「グッとくる」場面がいくつもあります。絵自体の上手さはもちろんですが、そこに至るまでに張り巡らされた伏線の、パズルのピースがピタリとはまる瞬間に似た心地よさと、驚きと、感動を、もっと多くの人に知ってほしいと思います。

プーと大人になった僕
8

プーと大人になった僕をアラサー女がひとりで見に行った感想

くまのプーさんはうちにBlu-rayがあるくらい好きで、先日映画館に観に行ってきました。
まず冒頭部分のクリストファーロビンとプーの掛け合いは、原作の続きと言っても過言ではありませんでした。学校に入ることになって、何もしないということが出来なくなるクリストファーロビンが、プーに自分の代わりに何もしないを続けて欲しいと話すシーンはアニメ映画ファンにとっても、そして働く大人達にとっても心に響く、そして涙が出てくるシーンだと思います(現に私の両サイドの社会人とおぼしき男の人たちがうるうるしてました)。場面は進み、大人になってくクリストファーロビン。クリストファーロビンは社会人となり、休日返上で会社のために家庭を顧みず働きます。まるで私たち大人がそうであるようにです。クリストファーロビンに自分を重ねて見てしまうほどの社畜っぷりでした。
それだけならただの辛い映画ですが、プーやピグレット、ティガー、イーヨーが仕事で荒んだ心を癒してくれます。プー達にとってクリストファーロビンは、あの少年の時のままのクリストファーロビンだからなのでしょう。リアルプーは毛並みもふさふさでCGの凄さを感じました。少年少女だった時のあの頃の自分を思い出して、昔遊んだおもちゃを引っ張り出したくなる、童心に帰れるような映画でした。はっきり言って仕事でくたびれて心荒んできた大人向けの映画です。

トム・スコット
7

トム・スコットの軌跡

トム・スコットは1948年生まれ。’67年、弱冠19歳で初リーダーアルバム「ハニーサックル・ブリーズ」をリリース。その後フュージョンバンド「スタッフ」に先駆け「L.A.エクスプレス」を結成。2枚のアルバムを発表。ところがその高い評価からメンバー個々での活動が忙しくなり自然消滅(その後’96年に再結成、アルバム1枚をリリース)。ソロ・アーティストとして活動するようになる。そして2枚のアルバム「ニューヨーク・コネクション」「ブロウ・イット・アウト」ではニューヨークのミュージシャンとL.Aのミュージシャンをバランス良くフィーチュアし、その存在を大きくクローズアップさせたことは音楽雑誌「ADLIB」元・編集長松下佳男氏が指摘するとおりだ。
また、エレクトリック楽器への傾倒も忘れてはならない。いち早く取り入れたリリコンだ。この楽器が大きくフィーチュアされている「インティメント・ストレンジャー」や「アップル・ジュース」といったアルバムでトムのリリコン・プレイが聴くことができる。実際、前述の松下氏がトムのアルバムについて20年以上も前のアルバムだが風化することもなく強烈なエネルギーを発しているといった趣旨の発言をしているが筆者も共感できる。尚、トムは3度もグラミー賞を受賞していることからも才能の豊かさがうかがえる。

びんちょうタン
10

見た目に騙されるなかれ

備長炭と「~たん」という呼び名を掛け合わせたダジャレで生まれた擬人化キャラクター。パッと見はいかにもな萌え擬人化で、安直な思い付きの薄っぺらいキャラクターかと思いきや、とてつもなく深いバックストーリーを隠し持っています。
びんちょうタンやその仲間たちの境遇、生活にはその絵柄からは思いもよらない社会性が潜められており、ただの萌えとは一線を画した深く考えさせられるテーマ性を内包しています。
そして何よりびんちょうタン達の健気さに打ち貫かれます。どんな境遇に身を置かれても、ただひたすら純粋に、一途に、一生懸命に日々を暮らしていくびんちょうタンと仲間たちの姿は、見るものの胸に迫り、現代人が忘れている事を思い出させてくれること請け合いです。
コミック、アニメとも現在ではなかなか見つけるのが困難で、現在はコミックの続きのストーリーが同人誌で続けられているものの、そちらの方もあっという間に入手困難となるプレミアものと化しています。
しかし、それだけ目にした人の心を鷲掴みにするだけの重さ、深さを持った作品であり、これまで目にする機会のなかった人たちにもぜひ一度目にしていただきたい作品です。
とりあえず、萌えな見た目に騙されると、後ろから頭を殴られたような衝撃を浴びる事は間違いないだろうと思います。