トム・スコット

トム・スコット

トム・スコット(Tom Scott)とは、アメリカ出身のサックス奏者である。作曲家の父とピアニストの母のもと、9歳のときからクラリネットを始める。12歳の時にスクールバンドに加入し、サックスを担当しながら作曲・編曲スキルを独学で身につけた。1965年からプロとして活動し、ジャズだけでなくロックやポップスなどのジャンルでも活躍。グラミー賞に10回以上ノミネートされ、受賞経験もある。

トム・スコットのレビュー・評価・感想

トム・スコット
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トム・スコットの軌跡

トム・スコットは1948年生まれ。’67年、弱冠19歳で初リーダーアルバム「ハニーサックル・ブリーズ」をリリース。その後フュージョンバンド「スタッフ」に先駆け「L.A.エクスプレス」を結成。2枚のアルバムを発表。ところがその高い評価からメンバー個々での活動が忙しくなり自然消滅(その後’96年に再結成、アルバム1枚をリリース)。ソロ・アーティストとして活動するようになる。そして2枚のアルバム「ニューヨーク・コネクション」「ブロウ・イット・アウト」ではニューヨークのミュージシャンとL.Aのミュージシャンをバランス良くフィーチュアし、その存在を大きくクローズアップさせたことは音楽雑誌「ADLIB」元・編集長松下佳男氏が指摘するとおりだ。
また、エレクトリック楽器への傾倒も忘れてはならない。いち早く取り入れたリリコンだ。この楽器が大きくフィーチュアされている「インティメント・ストレンジャー」や「アップル・ジュース」といったアルバムでトムのリリコン・プレイが聴くことができる。実際、前述の松下氏がトムのアルバムについて20年以上も前のアルバムだが風化することもなく強烈なエネルギーを発しているといった趣旨の発言をしているが筆者も共感できる。尚、トムは3度もグラミー賞を受賞していることからも才能の豊かさがうかがえる。