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sas9791e0

sas9791e0のレビュー・評価・感想

その着せ替え人形は恋をする
10

こんな青春を送りたかった

人形師の祖父を持ち自身も雛人形の美しさに惚れ人形師を目指すちょっと?浮世離れした主人公と重度のアニメ・ゲームオタク(エロゲ含む)かつ陽キャでギャルなヒロインがコスプレをきっかけに交流を深めていく青春ラブコメディ漫画。
発端は学校の家庭科室でミシンを借り趣味と練習を兼ねた雛人形の衣装作りをしていた主人公のもとに、偶然ミシンを借りに来たヒロインと遭遇するところから始まります。
制作途中の雛人形を見られた主人公は幼少期のトラウマにより最初はひどく狼狽しますが、その精巧な衣装を見てコスプレ衣装の自作に難航していたヒロインは主人公にコスプレ衣装の制作を依頼するところから物語は始まります。

今時ビックリするくらいピュアッピュアな青春ラブコメディです。
草食系男子を通り越して絶食系男子に片足突っ込んでる主人公と、見た目超肉食系ギャル(実は超うぶ)がコスプレを通して周りを巻き込みながらひたすらイチャコラする漫画で、ずっとにニヤニヤしながら読んでいられます。
とにかく主人公とヒロインの趣味や考え方の真摯さには目を見張るものがあり、ラブコメディにありがちな主人公やヒロインの曇らせ展開等もないので、そういった描写の苦手な人にも安心してオススメできる作品です。

進撃の巨人 / Attack on Titan
10

巨人 アクション

壁に囲まれた世界で生まれた主人公エレン。彼の住む世界は50メートルもする高い三つの大きな壁で囲まれており、その壁の先の世界は巨人が支配していた。主人公エレンはこの壁の中で誰よりも外の世界に憧れており幼馴染のアルミン、ミカサといつも外の世界について話していた。この唯一危険な壁の外に調査にいく組織「調査兵団」があり彼らに強い好奇心を持っていた。しかし、実際のところ壁の外に出たもので帰ってくるものは半数以上が巨人に食い殺されていた。壁の中にいれば安全であって外の世界に興味を抱くものは異端と呼ばれ、エレンはいつも外の世界に興味を持たずこの壁の中で巨人におびえながらまるで家畜のように暮らしている自分たちに納得がいかなかった。
ある日、安全で平凡な日常が一変する。50メートルをはるかに凌ぐ超大型巨人が突如として現れ壁を破壊したのだ。破壊された壁の中から無数の巨人たちが次々と街に流れ込み町は混乱し、パニックになっていた。そんな中エレンは自分の家に向かい、そこで無残にも崩壊した家に瓦礫に挟まり動けない母親の姿を確認する。瓦礫をどかそうとする中、恐ろしい地響きを立てながら巨人が迫りどうすることもできないままエレンは母親が目の前で巨人に食い殺される。エレンは巨人に強い憎しみを抱き巨人を一匹残らず駆逐する事を決意し、巨人との壮大な戦いが幕を開ける。

狗神
8

古くから高知の村に伝わる狗神伝説とそれに引き寄せられた人々の悲劇的結末

緑に囲まれた高知県の山奥のある村、そこでひっそりと静かに暮らす美希、紙すきをして生活をするその姿はまだ40代前半というのにもう白髪が混じっていた。それが赴任してきた若い教師の晃と出会うことで生き生きとしてどんどん若返っていく。ひかれあう二人、でも二人は交わってはならない血だった。
タブーとされる近親相姦をテーマにし、村に伝わる狗神伝説とともに悲劇へと進んでいく主人公の運命を描いた作品である。村に古くから続く狗神一族の家系と旧家のおどろおどろしい過去、ホラー映画としてはかなりの秀作ではないか。これを見ると記録には残っていないが古くからある旧家には近親相姦など結構当たり前にあったのではないかと思ってしまう。
狗神の女は誰とでもまぐわう。現に主人公は自分の母親と肉体関係を持ち、しかも美希は子供を身ごもってしまう。先祖返り。まさにその言葉通り生まれてくる子供の将来は暗澹たるものになってしまう、また母親と肉体関係を持った息子も生まれてはならない子だった。こうして狗神の血はどんどん濃くなっていく。一族のものを皆殺しにしようとした父親を晃は斧で殺してしまうのだから、まさに地獄である。撃たれた晃の頭の傷を一生懸命舐めて介抱する美希の姿はまさしく犬であった。
人間のモラルを破って存在している者にはやがて破滅が訪れる。明治時代でも華族の中で血を尊ぶあまり近親相姦を繰り返し、奇形児や精神障害者を多く輩出しているという事実もある。今は遺伝子工学やゲノムもかなり解析が進んでいるので科学的根拠があるかどうかも検証できるだろう。世界でも孤立してよそ者を嫌う村とか純血を守るがゆえにタブーが行われてきたという歴史もある。日本の民俗学的に古くから伝わる伝承や民話にはホラー小説につながるネタがゴロゴロ眠っているのではないだろうか。日本の歴史の暗部を見た気がした。

ダークナイト / The Dark Knight
10

勧善懲悪なんかで決して収まらない。究極の選択を突きつけて人間の本性を暴く悪魔VSダークヒーローの金字塔

何度見ても面白いし、歳をとればとるほどこの映画の重厚さを思い知らされます。
※この映画はDCコミックスのアメコミヒーロー「バットマン」の活躍を描いた物語です。
※前作の「バットマンビギンズ」を見てると更に面白いこと間違いなしです(勿論、本編だけでも驚異の面白さです)

前作でマフィアと警察の汚職にまみれた治安最低都市ゴッサムシティに平和をもたらしたバットマン。
ですが、なんと追い込まれたマフィアたちはある男にバットマン殺害を依頼するという話なのですが…
マフィアたちが依頼した男が原作でも超有名な悪役ジョーカー。顔面を白塗りにし、口が裂け、特徴的な笑い声、見るからに異常者という感じです。そして、バットマンへの攻撃もねちっこく異常…とんでもなく狂気に歪んだ犯罪を繰り返します。
本作はとにかく究極の選択をこのジョーカーから突きつけられます。
最愛の人を救うか?ゴッサムシティの為になる人を救うか?
自分が助かるために受刑者を見殺しにするか?
生きて怪物になるか?死んで英雄となるか?
生死に関わる究極の選択を突きつけることで人間の本性を暴こうとするジョーカーと犯罪を犯してでも街の平和に貢献するバットマン。
犯罪者の心理・目的を利用して今まで戦ってきたバットマンにとって、お金でもなく名誉でもなく、ただ世界が燃える様を楽しみたいジョーカーにまぁ作中ずっと苦しめられるんです。
もうとんでもなくわくわくしませんか?ここまで読んで少しでもわくわくしたらこの作品にドハマリ間違いなしです。
正義のヒーローよりも悪役が好き、勧善懲悪が苦手、リアルなヒーロー像、ダークヒーロー
こういったキーワードが好きな人は間違いございません。
究極の悪が極まるダークヒーローの最高傑作だと私は思います。

おたんこナース
8

「動物のお医者さん」と同じ作者の方

「動物のお医者さん」の佐々木倫子さんの漫画です。原案は本当のナースさんです。佐々木さん特有のすっとぼけた感じがよく出ていておもしろいです。ナースも人間ですし、新人は何をしたらいいかわからないし、患者もいろいろで騒動が起きます。主人公の似鳥ユキエは、おっちょこちょいだし、うまくいかないことも多いけれど、患者さんと対等に話をしていて、そういうところがいいなと思うし、見ていて面白いです。また、尿の量を測るとか、入浴介助とか看護師の仕事にはこういうのもあるんだなというのが知ることができて、興味深いです。主人公の似鳥さん以外にもいろんな看護師さん、医者がいて、見ていて飽きない作品でした。私は入院はお産のときしか経験ありませんが、入院患者にとっては、彼らスタッフが一番よく接する他人です。似鳥さんみたいな看護師さんがいたらとても楽しいだろうなと思いました。わたしが好きな話は、似鳥ユキエが、実習時代に担当した子どもとの話です。ユキエは子供は苦手と思っていたけど、その子とは仲良くなれて…みたいな話です。病気の子供の不安とか、大人同士なら社交辞令だとわかることでも子どもには本当の約束になってしまうんだなとかいろいろ考えさせられる話でした。