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saki149のレビュー・評価・感想

狼よさらば
7

犯罪率の高騰した1970年代米国社会の病巣を描き出す『狼よさらば』

『狼よさらば』(原題は”Death Wish”)は、1974年に公開されたアクション劇映画で、1972年に『ブライアン・ガーフィールド』が発表した同名の小説を原作としています。カージーは建築家で、自宅を強盗に襲撃された際に妻を殺され、娘を犯されたために一人自警団になります。本作は『Death Wish』映画シリーズの1作目で、その後8年間にわたって『Death Wish II』ほかの類似作品が製作されます。映画の公開時には「自警主義」(犯罪加害者に私的制裁を加えること)と、際限なく犯罪者を罰することを推奨する点が批判されました。原作小説は自警主義を否定しているにもかかわらず、映画のほうはその考えを支持しているからです。映画は商業的な成功を収め、犯罪率が急増していた1970年代の米国では観客の共感を呼びました。本作の監督であるマイケル・ウィナーは西部劇の著名な監督であるバット・ベティカーの系譜に位置する技巧派の監督であり、ベティカーの暴力描写の孕む寓意を鋭く嗅ぎ取って、表面的には善人そうに見える一般市民が復讐に転じると獣性の虜になりうることを、リアルに描き出しています。

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 / The Imitation Game
9

誰も想像しなかったような偉業を誰も想像しなかったような人物が成し遂げる。しかし、それがはたして当人にとって本当に幸福なのか?

この映画は、大戦期に実在した天才数学者アラン・チューリングを題材とする実話に基づく物語。
1939年といえば、かつての第二次世界大戦時、イギリスがドイツに宣戦布告した年です。
当時イギリスは、敵国であるドイツ軍の先制攻撃によって一方的に攻撃を受けてばかり。
イギリスは先手を打って戦局を打開しようと、ドイツが交わしている通信暗号文の解読の必要に追われていました。
数学とパズルが好きな数学者アラン・チューリングはイギリス軍の暗号文解読部門に志願。
ドイツの暗号機「エニグマ」の解読に挑みます。
同じく雇われた学者たちとエニグマの解読に挑む中で立ち塞がるのは、変わり者ゆえの周囲からの不理解や衝突といった、マイノリティとしての苦しみ。
そうした生きづらさを抱えているチューリングは、暗号解読のために現代社会において必須な「ある物」の原形を発明します。
「人間は何故暴力を振るうのか?」「戦争に勝つために必要なものは何か?」
こういった問いに対して信念を貫こうと多くの物を背負いながら、チューリングは孤独を深めていきます。
軍の極秘に関わり、犯罪者として記録から抹消されてしまった男の人生と偉業。
そんな彼の生き様とラストシーンに何を思うか?確かに生きてきた人間のドラマがそこにあります。

モーニング娘。 / モー娘。
10

実力派集団ハロー!プロジェクト、モーニング娘。'20

1997年結成のモーニング娘。。2014年からはグループ名の後ろに数字が付き、2020年現在はモーニング娘。'20になっている。
国民的アイドル期、ゴールド期、プラチナ期などを経て、現在はふくむらみず期。つんく♂さんをはじめ、モーニング娘。の知名度は高いが、現在の活動が認知されることが少なすぎる。芸能人の中でも、松岡茉優さんら多数の方が”推し”を表明をしているが、熱く語れば語るほど、温度差にひいてしまう人が多いのが残念でならない。つんく♂がメインプロデューサーを解任されてしまったことが、健康的な理由であったとしても、ファンとしてはやるせなく、再任が待ち遠しい。
歌唱力のメインメンバーである小田さくら、女性から絶大な人気のある佐藤優樹、自他ともに認めるファイタース推しの牧野真莉愛など実力だけでなく、個性あふれる魅力を知ってほしい。
69thシングル『純情エビデンス/ギューされたいだけなのに』や12月2日(水)開催のライブ「Hello! Project 2020 〜The Ballad〜 Special Number」 でもその魅力は発揮されている。

ヘアスプレー
10

コンプレックスに悩む人はみんな見るべき

とにかく明るい気分になりたくて、なにか映画を見ようとレンタル店をウロウロしてたとき、パッケージに惹かれ即ゲット。
いわゆるジャケ買いみたいな感じだったけど、それがもう大当たり。
自分でもびっくりするくらい快晴の気分になれて、うそ臭く聞こえることを承知で言うけどまさに「最高に泣けて最高に笑える映画」だったな。

主人公は、かなりのぽっちゃり女子。
きれいでスレンダーな女性が映画の主人公であることが当たり前のように思ってた私には、けっこうな衝撃で。

ぽっちゃり主人公のとびきりの笑顔、ジョン・トラボルタが女装したママ、とにかくカラフルな色合いのDVDパッケージはまちがいなくハッピーエンドで、その通り、ミュージカル・ダンス・ハッピーエンド!

ストーリーの途中では、人種差別やコンプレックスが原因で子供たちが嫌な思いをすることもあったけど、そこらへんのストーリーもよかったな。
子供、大人、体型、肌の色、それぞれの立場にそれぞれの言い分がある。根深い問題もある。でもそれをはねのける子供たちのパワーには、大人の私が助けられた気持ちになった。
最後はもう、とにかくダンス!ダンス!ダンス!…なんて、この爽快ハッピーさは言葉じゃとても表せない。
生まれて初めてディズニーランドに行ったときの「え!!こんなに楽しい世界があるの!??」みたいな。
とにかく文字だけじゃ伝わらないからみんな見て。

ちなみにタイトルがヘアスプレーってところがまたいい。
センスとかよくわからないけど、抜群のセンスだよね。

ファイナルファンタジーIV / FINAL FANTASY IV / FFIV / FF4 / ファイナルファンタジーIV コンプリートコレクション
8

闇を乗り越えた光の物語

ファイナルファンタジーⅣは1991年に発売されたスーパーファミコン用ロールプレイングゲームです。ファイナルファンタジーシリーズの4作目となります。
大人気作品で、プレイステーションを初め10種類以上の機種に移植され、ニンテンドーDS版はフルリメイクされました。今回はスマホでもプレイ可能なニンテンドーDS版を紹介致します。

ファイナルファンタジーシリーズと言えば、ジョブシステムが特徴的なゲームです。
攻撃、防御が高く重武装が出来るが魔法が使えない戦士系ジョブ、逆に強力な魔法が使えるが防御力の低い魔道士系ジョブなど、他にも様々な特徴のジョブがあります。シリーズによっては自分の分身であるマイキャラを、戦う相手に合わせたり、自分好みにカスタム出来ます。

ですが、Ⅳにはファイナルファンタジーの要素であるジョブシステムがありません。唯一、主人公セシルが暗黒騎士からパラディンになるイベントがあるだけで、そのほかのキャラのジョブは固定です。ジョブシステムを廃止し、ストーリー重視のシリーズ初の異端作、ファイナルファンタジーⅣ。出会いと別れ、そして再会を繰り返して進むドラマティックな物語を楽しめます。

ですが、進行状況により限定されたメンバーでなんとかしなければならないゲームの為、育成をちゃんと行わないと敵に勝つことが出来ません。
ニンテンドーDS版には新しくデカントアビリティシステムが追加されました。デカントアビリティはアイテムとして登場し、キャラクターに使用することによって、そのアビリティを戦闘中に使う事が出来ます。宝箱から見つけたり、離脱した仲間から直接もらったり、ゆかりの場所に落ちていたりするものを手にいれます。もちろん戦闘を有利に出来ますが、難易度も上がっており、ボスとの戦闘は正に真剣勝負となります。

セシルとその仲間達は、世界を安定させるクリスタルを奪うゴルベーザとゴルベーザに組する者達と戦う事になります。中でもゴルベーザ自身が率いる四天王は、物語の重要な局面においてセシル達を苦しめます。四天王を含め、強敵達に打ち勝ったセシル達は、明らかになっていく真実の中、月に潜む黒幕の存在に気付きます。月で巻き起こる激闘。そして最終決戦。

何度も色んな機種に移植され、リメイクされる理由は、勿論面白いからです。
セシル達の冒険、是非ご自身でお確かめください!!