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miya3838d9のレビュー・評価・感想

勇気あるものより散れ
10

「戦う少女」の魅力がつまったマンガ!「勇気あるものより散れ」

マンガ家の相田裕先生といえば、「GUNSLINGER GIRL(ガンスリンガーガール)の人」として有名ですが、2021年2月から連載を開始した「勇気あるものより散れ」もおススメしたいマンガです。
相田裕先生は「1518!」という青春マンガも描いていらっしゃいます。失礼かもしれませんが、私にとってはそちらはちょっとイマイチ、という印象でした。
その次作として連載を開始したのが、「勇気あるものより散れ」です。

明治7年の東京、幕末の武士として生き残った春安。「死に損ねた」という春安は死に場所を求め、内務卿・大久保利通の暗殺に加担します。
そこで内務卿を守るため出会ったのが、不死の少女・シノ。
シノの母親・三千歳(みちとせ)は、暮らしている村で数百年前に飢えに苦しみ、神々が住むと言われる化野(あだしの)へ辿り着き、そこで不死の身体となりました。シノは化野の母と人間の間に産まれた子で、「半隠(はたかく)るる化野民(あだしののたみ)」です。
三千歳は15歳で化野の民となったことで、何百人もの男と交わり、子を産まされ続けました。その苦痛によりとうとう気がふれ、自分の子のことも何も分からぬようになってしまいました。
シノの目的は、母を殺して自分も死ぬこと。そこでシノは瀕死の春安に自らの血を分け与え、「眷属」にします。
眷属になった春安はシノの血を定期的にもらい受け、不死の身体を得ることとなります。「人間としての生を奪ってしまって、ごめんなさい」と謝るシノに、春安は「奪われたのではない、与えられたのだ」と歓喜しました。「命を捨てるものとばかり考えていたが、使うものだということを思いだした」と言った春安は、シノと共闘することを誓います。

相場先生が描く作品の凄いところは、知識量の深さ。「GUNSLINGER GIR」でも思っていたのですが、銃の描き方、使い方など、どこでその知識を得ることができたのか、不思議でなりません。
この作品も、刀の使い方や戦い方、シノの袴の着付けまで「適当」がないのです。そして、「戦う女の子」という「GUNSLINGER GIR」から受け継がれてきた「儚さ、美しさ、無慈悲さ」をこれでもかと描きます。
戦いの多いマンガですが、心理描写も丁寧に描かれているので、単なる「戦闘マンガ」とも違います。母を楽にしてやりたいというシノの心理も痛いほど分かるので、母殺しという一種の残酷な願いも理解ができて、読者も思わず応援したくなってしまうでしょう。

明治を舞台にしたマンガと言えば、和月伸宏先生の「るろうに剣心」が有名ですが、あちらはやはりジャンプマンガという性質上、あり得ないキャラクターや技が出て、「ファンタジー」の域を出ません。これは決して苦言ではなく、それが魅力でもあるのです。
それに対してこの作品は、どこまでもリアルなのが魅力です。確かに傷を受けても白銀の髪になりすぐに治る、食事をしなくても平気、という設定はファンタジーですが、それ以外はどこまでもリアルです。膨大な資料を得てから描いたのだろうな、と、作者の苦労がうかがい知れます。

シノは母を殺してあげることができるのか、また自身も楽になれるのか、展開が読めずとても楽しめるマンガです。
刀で戦う少女が好き、明治時代の世界観が好き、という方には絶対にハマるマンガだと思います。ぜひ読んでみてください。

ワールドトリガー / ワートリ / World Trigger
10

強い力で敵わなくとも頭脳で勝ち抜け三雲修

「ワールドトリガー」は葦原大介さんが描く、SFファンタジー作品です。
ある日、地球に異世界が地球に侵攻してきます。それに対抗されるために作られたのがボーダーという基地です。
主人公、三雲修はボーダー所属の中学生です。
彼には異世界へと密航してしまったであろう知人を連れ戻すという大きな目標がありました。
正義感が強く、お人好しな彼はトラブルを起こしがちです。
しかし、三雲はとても弱くなかなか正隊員になれず、伸び悩んでいました。
そんな時、三雲は自分は異世界からやって来たのだと主張する空閑遊真と出会います。
それが彼の運命を変えてしまう出来事でした。
力だけが全てではない団体戦闘は、とてもよく練り込まれていて読み直す度に新しい発見があります。
丁寧に張り巡らされた伏線には息を飲むものがあります。
新しく話が進んで新たな情報が公開されると意味合いが変わってくる台詞などがあり、ハッとさせられます。
深く読み込みたい人、絞殺が大好きな人にはたまらない作品となっております。
面白い点は沢山あるのですが、特に面白いな、と思うところを紹介します。
この漫画にはモブがいない、ということです。
登場時はモブだな、と思っても後々、成長してきたり、物語の重要なポジションを担ったりします。
どんな人でも推しを見つけられるのも、この漫画の凄いところだと思います。
良く練られた戦闘、世界観を是非、味わってみてください。

ビッグ(映画) / Big
10

抜群に笑える映画です

終始笑える場面で溢れている映画です。13歳の少年ジョシュは、コインゲーム機「ゾルダー」に「大人になりたい」と願い、翌日本当に大人になってしまいます。大人になったジョシュを演じるトム・ハンクスの演技が絶妙に面白いです。だらしなく寝転んでスナック菓子を食べるシーンや、ニューヨークでひとりぼっちで泣いてしまうシーンも、見た目が大人だとそれだけでコミカルです。
ジョシュはニューヨークで面接を受け、おもちゃ屋さんの社員になります。そして、子どもの感性を気に入られ、トントン拍子で出世し副社長にまで上り詰め、同じ会社に彼女もできます。中身が子どもだからこその微妙に噛み合わない会話や、噛み合っていないのにいいように解釈されて評価されちゃうところが面白い。
切ないのはジョシュとビリーが喧嘩してしまうシーン。ビリーがジョシュの会社にゾルダー(ジョシュを大人にしてしまったゲーム機)を見つけたことを知らせにきてくれたのですが、ジョシュは仕事の電話中でした。構わず話し続けるビリーにジョシュが怒り、喧嘩してしまいます。その時のビリーの捨て台詞「僕の方が3ヶ月年上なんだからな!」がとてもかわいくて好きです。(もしかすると少し違うセリフかもしれません)
素直に笑えるコメディです。子どものジョシュを演じる役者さんも、ビリーもかわいく微笑ましくなります。
おもちゃの巨大鍵盤を演奏するシーンは名シーンです。ぜひおすすめしたい映画です。

ダーウィンズゲーム
10

現実的であり、現実ではない

殆どの人の身近に存在するスマートフォンゲームアプリ。ある一つのゲームアプリが人の命を軽々と奪っていく。そして、人間の思考をも変えてしまう最強の武器に変化を遂げる。
主人公カナメがこの恐怖のゲームアプリ”ダーウィンズゲーム”に出会ったのはカナメの友達から送られてきた一通の通知。その頃東京では、至る所に謎の人型の穴が地面の至る所に日に日に増えていた。カナメは友達から送られてきた通知を開いてしまった。その瞬間、カナメのダーウィンズゲームはスタートをした。ダーウィンズゲームには、一人一つずつ「シギル」と呼ばれる特殊能力が与えられる。
カナメは、ダーウィンズゲームが命を懸けた恐怖のゲームだとも知らずに、ゲームは開始された。カナメの周囲にはすでにゲームに参加している友人がおり、友人はゲームで次々に命を落としていく。カナメは、この恐怖だらけでくだらないゲームを終わらせるために奮闘をする。ゲームを終わらせるためには、最強のクランを作る必要があった。そこで出会ったのが、シュカというダーウィンズゲーム界の嬢王。最強のプレイヤーを引き連れて、カナメはダーウィンズゲームの完全攻略に挑む。
ダーウィンズゲームでは、定期的にイベントが開催される。イベントでは多額の報酬を得ることができる。さらに、優勝者には特権が与えられる。この特権を生かしてカナメたちは死のゲーム、ダーウィンズゲーム攻略を目指す。

この素晴らしい世界に祝福を! / このすば / KonoSuba
10

【アニメ】心から笑いたい人必見!ギャグ要素盛沢山の異世界アニメ!

かれこれ100本以上のアニメを見てきた自分が、とびぬけて面白かったと思うアニメ。
それが、「この素晴らしい世界に祝福を!」。(以下このすば)
アニメの円盤売り上げ平均枚数は、約10000枚。
映画の興行収入もアニメ映画としては異例の数値をたたき出しています。
そんな「このすば」がみんなに親しまれている理由。
それは、ギャグ要素にあると思います。

アニメは1~11話(ova含む)が2セット分あります。(計22話)
そのすべてにおいて、笑わなかった回はありませんでした(笑)
しかも面白い面白くないの波がまじでありません。
永遠と笑わせ続けてくれます。
とりあえず、腹筋崩壊しないためにも、15分ほど見たら休憩をはさんだほうが個人的にはいいと思いますね(笑)

しかし、それだけじゃないんです。
感動要素も含まれてます。でも、当然このアニメはギャグアニメ。
感動とギャグが平行線で進められていくので、なんていうのでしょうか、「感動しながら爆笑」とでもいいましょうか(笑)

他アニメにも、ギャグアニメって色々あると思います。
でも、ストーリー性を設けるとなると結構ギャグだけで話を進めてくのって難しいことなんですよね。
だから、途中であまり笑えなくなってきて、「なんだろう、自分が見たかったギャグアニメじゃないな。」
ってなってしまうんですよ。
でもそれを解決してくれるのが、「このすば」。
ストーリー構成もしっかりしているうえ、常に笑わせてくれる。
心の底から笑いたい人に、是非おすすめのアニメです。

恐竜戦隊ジュウレンジャー
4

発想は面白いが、物語の見応えはイマイチ

本作は前作『鳥人戦隊ジェットマン』の革命を受けて作られた元祖「ファンタジー戦隊」です。
とはいえ、「元祖」だから必ずしも素晴らしいわけではない、つまり「原点だから頂点というわけじゃない」ということを思い知らされた作品です。
まず「恐竜」なのに明らかに恐竜じゃないマンモスやタイガーが居る…のはまあまだ許せるとしても、その恐竜人類である筈のジュウレンジャー5人が何故か見た目現代人と変わらないホモサピエンスの姿形をしていたり、1億7千万年前にその恐竜人類と恐竜と妖精が仲良く暮らしているという史実をねじ曲げた設定があったり、と訳の分からない設定ばかりです。
しかし、その中でも一番分かりにくいのはジュウレンジャー五人が「何のために戦うのか?」が最後までぼやけたままになっていることです。
五人の伝説の戦士が現代に蘇って戦う、という設定は良いとしても、物語を見ていくと五人が自身の使命や正義にどれほど強い思いを抱いているのか?また、どれほどの覚悟や決意を背負って戦っているのか?という「内面」が殆ど見えず、結局神様から与えられた「試練」をクリアすることが殆どで、これだと結局は「物語の都合で動かされる駒」以上の存在感を示すことが出来ず、また後半で悲劇の運命を背負って蘇った六人目の戦士・ドラゴンレンジャー=ブライに存在感を食われてしまっている、というのが実情です。
そういう意味では「亡き兄の跡を継ぐ」という意味で戦いの動機を手にしたティラノレンジャー=ゲキはまだ心情の変化が多少なりとも見えましたが、残りの四人は結局「伝説の戦士」という与えられた「記号」以上の存在にはなれず、そこが今日見ると徹底的に内面を掘り下げた「ジェットマン」やその「伝説の戦士」という設定を内面まで合わせてしっかり掘り下げて正統派ヒーロー作品として作り上げることに成功した「ギンガマン」程の強固な物語としての完成度を持たず見劣りしてしまう所以かなと思うところです。
そして何より最終的に大獣神の都合で戦いの勝敗が決定することが多く、ラストだって息子の死に涙を流したが故に魔力を失ったバンドーラ一味を永遠に封印して宇宙に彷徨わせるという結末にしていますが、本当にそれで良かったのでしょうか?ふとした拍子に誰かが壺の封印を割ってしまったらそれだけでまた問題が起こってしまいますし、また地球の環境が汚れきった現在ではとてもじゃないですが恐竜の卵から生まれた赤子が育つとも思えません。「ファンタジー」だからといえばそうかもしれませんが、やはり「実写特撮」としては無理がある展開、流れが多く目立ちます。
故に本作は徹底した「子供騙し」であり、その「子供騙し」を貫き通して楽しませること自体は出来ていますが、やはり長い目で見ての批評に耐えうる価値がある名作かと言われると微妙なところで、故に総合評価としてはやや辛口になってしまいます。