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jcsdj150のレビュー・評価・感想

おかえり、南星バス
7

バスのお客様と二人の運転手によるヒューマンドラマ『おかえり、南星バス』

まどさわ窓子さんの描く『おかえり、南星バス』という作品は、長距離バスである「南星バス」を舞台にし、元ホストであり現運転手・陣と、陣よりも年下の無口でクールな運転手・鳴瀬、様々な事情を抱えたバスのお客様達によって繰り広げられるため、「一期一会」という四字熟語が似合う作品と言っても過言ではありません。
南星バスの運転手は二人一組で仕事をするのだが、陣と成瀬は同じペアながら性格は真逆で溝が埋まらない様子。
何かに困っている人を放っておけない性格である陣が、仕事だと割り切り客の事情に踏み込まないようにしている鳴瀬を巻き込みながらお客様のために奮闘していく。
どこか心が温まり、人間同士の繋がりを感じられるような人情劇です。
長距離バスなだけあってSA(サービスエリア)なども時折出てきたり、美味しそうなご飯が出てくる描写もあるのでそんな所も必見です。
また、どこまで手を差し伸べた結果が「ありがとう」と感謝されるような「人助け」であり、どこからが「余計なお世話だ」と言われてしまうような「お節介」になってしまうのだろうか?しかし、何かに対する考え方は人それぞれ異なる。周りの人の言う「お節介」は陣にとっては、まだ「人助け」の範囲なのだろう。その境界線は難しいものだと思う。
そんな事を考えさせられる作品を是非とも一度、読んでみて頂きたいです。

キン肉マン / Kinnikuman
9

漫画「キン肉マン」を知らないあなたへ

あなたは、漫画「キン肉マン」をご存知でしょうか。キン肉マンは、ジャンプコミックスのとても面白い漫画なのですが、何がそんなに面白いかというと、それは少年漫画に欠かせない要素である「友情・努力・勝利」が主軸の典型的な作品だからです。
大まかな内容としては、「キン肉星のダメ超人キン肉マンが、地球で様々な正義超人とともに、悪行超人たちを格闘技で倒していく」というストーリーなのですが、その過程には「友情や愛、師匠との修行の日々、悪戦苦闘の末に獲得する勝利」という、まさに少年や青年が大好きな、テストステロンが爆発するような内容の作品になっています。格闘技が好きな人はもちろん、ジャンプコミックスファンやかっこいいヒーローが好きな人にはぜひおすすめしたいです。また、この作品のユニークな点は、物語の方向性が変わっていくところにあります。具体的には、初めのほうはギャグ要素のあるヒーローものから始まり、その後に勧善懲悪のバトル漫画へと変わっていきます。そして友情や愛、成長、正義などの文学的要素が絡まっていくといった非常に複雑な構成になっています。このような方向性の転換がこの漫画の最大の魅力なのです。
漫画「キン肉マン」に興味が湧いてきましたか?

ワンダと巨像
9

ワンダと巨像レビュー

ワンダと巨像について、レビュー。ネタバレは含んでおりません。
海外でも、非常に評価の高い、ワンダと巨像。日本では、2005年に発売されたPS2時代のゲームソフト。フルリメイクという形で、「ほとんど新作」に近い形で甦った傑作だと感じます。巨人を倒して女の子を救う構図になっています。
御伽話のような構図は、老若男女問わずキャッチーで、古典的でさえあります。ゲーマーにとっては斬新であり、普段ゲームに馴染みない人にさえ馴染みがあります。
話のとっつきやすさ、分かりやすさがありながら、実際は、物語や世界の詳細は、プレイヤーに委ねるという手法は、この世界の深みを表現するのに貢献しています。プレイヤーに想像させるという点は、解釈の多様性を与えていると思います。
写実的な風景とデフォルメされたキャラ造形や巨人たちの圧巻ともいえ、仔細なテクスチャは、一本一本の毛がまるで生きているかのようです。なにより操作感が「いかにも巨人と戦っている」という必死さをうまく表現していて、思わず熱くなる。
そんな、語りつくせないほどのミステリアスで王道な作品を、ぜひ、いろいろな人に楽しんで貰いたいと思っています。

辺獄のシュヴェスタ
8

主要キャラの強さに勇気をもらえる作品

この作品は本屋で見かけてなんとなく読み始めたのですが、いつの間にか一番好きな漫画になっていました。舞台は魔女狩り全盛期、魔女として処刑された人々の娘たちが集められた修道院で、復讐に燃えるエラが主人公です。
もちろん登場人物も組織も物語もフィクションなのですが、ドラマチックな展開の中にある人間くささや理不尽な現実が妙にリアルさを感じさせ、「本当にこんなことが起きていたのかもしれない」と思わせるストーリーになっています。そして何より、主要人物のエラ、カーヤ、テア、ヒルデがとにかく強い。それぞれに暗い過去やそれによってゆがんだ認識を持って生きていますが、生きるということ、仲間を守るということに関しては揺るがぬ強い意志を持っています。修道院の陰謀から同世代の女の子社会のいじめまで様々な試練が彼女達を襲いますが、最後まで考えることをやめず、ただまっすぐに進もうとする少女達の姿には確かな勇気をもらえるんです。
残酷さと理不尽さ、どことなく残る後味の悪さは読む人を選ぶかもしれませんが、血にまみれても信念を貫くダークヒロイン的なエラの生き様に少なからず憧れを感じるのも事実。趣味嗜好の近い友人達に強く勧めるほどには私に刺さる作品でした。

ボールルームへようこそ / Welcome to the Ballroom
10

ダンスが好きな人もそうでない人も。

主人公は特に趣味もない特技もない冴えない男の子。
たまたま出会った社交ダンスを始め、少しずつ成長し、リーダーとしてのたくましさや男らしさ、憧れへの熱意や尊敬の意、他人の意見を素直に吸収していく姿に感動し、励まされます。
読んでいて爽快かつ優雅な気持ちになれる漫画です。

社交ダンスを見るのが好きな私に友人が勧めてくれたのがきっかけでした。
漫画はリアリティ無いしなぁと思いながらも、読み出すと大会やルール、細かな知識が増え、純粋に部活系の少年マンガのように楽しむことができました。

アニメも放送されていて、ダンスという題材なだけあって動きが加わるとより面白いです。
そして、つい同じステップをしてみたくなったりもします。

出てくる女性もクール系から可愛らしい系まで揃っていて魅力的。
みんなダンスの事になるとキリッとスイッチが入り、カッコいい競技ダンスの世界に引き込まれます。
衣装デザインも凝っていて、他の題材にはないヴィジュアルも楽しめます。

画力もあり、迫力のあるシーンやほんわかしたシーンも幅広く描きこなす作者さんです。

とても躍動感があり、みていて飽きません。まだまだ連載続きそうですが、終わりの展開が想像できないのでとても楽しみです。