おかえり、南星バス

おかえり、南星バスのレビュー・評価・感想

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おかえり、南星バス
7

バスのお客様と二人の運転手によるヒューマンドラマ『おかえり、南星バス』

まどさわ窓子さんの描く『おかえり、南星バス』という作品は、長距離バスである「南星バス」を舞台にし、元ホストであり現運転手・陣と、陣よりも年下の無口でクールな運転手・鳴瀬、様々な事情を抱えたバスのお客様達によって繰り広げられるため、「一期一会」という四字熟語が似合う作品と言っても過言ではありません。
南星バスの運転手は二人一組で仕事をするのだが、陣と成瀬は同じペアながら性格は真逆で溝が埋まらない様子。
何かに困っている人を放っておけない性格である陣が、仕事だと割り切り客の事情に踏み込まないようにしている鳴瀬を巻き込みながらお客様のために奮闘していく。
どこか心が温まり、人間同士の繋がりを感じられるような人情劇です。
長距離バスなだけあってSA(サービスエリア)なども時折出てきたり、美味しそうなご飯が出てくる描写もあるのでそんな所も必見です。
また、どこまで手を差し伸べた結果が「ありがとう」と感謝されるような「人助け」であり、どこからが「余計なお世話だ」と言われてしまうような「お節介」になってしまうのだろうか?しかし、何かに対する考え方は人それぞれ異なる。周りの人の言う「お節介」は陣にとっては、まだ「人助け」の範囲なのだろう。その境界線は難しいものだと思う。
そんな事を考えさせられる作品を是非とも一度、読んでみて頂きたいです。