Jimmy@Jimmy

Jimmy
Jimmy
@Jimmy
23 Articles
6 Reviews
0 Contributions
0 Likes
Jimmy

Jimmyのレビュー・評価・感想

ダンス・ダンス・ダンスール
9

大注目”男子バレエ”漫画

「恋文日和(1999−2004)」や「溺れるナイフ(2004−2013)」など、映像化もされた大人気少女漫画の作者であるジョージ朝倉が2015年からビッグコミックスピリッツで連載している「ダンス・ダンス・ダンスール」がとにかく面白い。
主人公の村尾潤平がバレエに出会い、ライバル達と切磋琢磨し成長していく言わば王道熱血ストーリーなのだが、主人公のバレエに対する想いや葛藤をバレエの演目に込めた表現が圧巻で、漫画を読んでいるのに目の前で観劇をしているような気持ちにさせられる、今一番熱量のある青春漫画だ。
個性豊かな登場人物も多いが、特に2大ヒロインの五代 都(ごだい みやこ)と生川 夏姫(おいかわ なつき)を紹介したい。五代都は主人公潤平の学校に転校し、潤平をバレエに誘った張本人である。自身も幼少期からバレエを習っており、性格は面倒見がよく愛想が良い。そして女の子らしいふわっとした笑顔が印象的だ。もう一人のヒロイン生川夏姫は潤平や都も通うバレエスクールの代表の娘で、彼女ももちろん幼少期からバレエを習っている。常にしかめっ面でツンツンしており、真面目な性格だがとても才能があり、代表の娘という境遇に甘んじる事のない努力家である。
対照的な二人のヒロインと潤平の恋愛も本作の見どころである。バレエ演目中のドラマティックな心理描写や師弟関係、ライバルとの切磋琢磨など見どころの多い本作。是非一度読んで欲しい漫画だ。

鬼滅の刃 / Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba
8

少女漫画と少年漫画のいいとこ取り

あまりにもすごいブームなため、遅ればせながら読んでみてはまりました。吾峠呼世晴(ごとうげこよはる)という作者による漫画。ちなみに、作者は女性だそう。内容は、「鬼にされた妹を人に戻すため、主人公が人食い鬼を退治する『鬼殺隊』に入って鬼と戦いながら旅をする」という話。話の構造はシンプルだが、鬼を含む登場人物たちの設定がかなり詳細なため、濃密で重厚な作品となっており、多くの人が言うように一人一人が主人公のようで感動する。ホラー漫画のような絵のタッチ、少女漫画のような繊細な心理描写、少年漫画特有の戦闘シーン、緊張状態で差し込まれるコントのようなギャグ。いろいろな要素を混ぜ込んでおり、今までのジャンプで人気のあった作品とはまた違う作品だと個人的に思う。何より、描き方や見せ方の芸術性が高いと思う。下手にネタを無理やり出して続けてグダグタになり、評価が悪い形で連載終了となるのがかなり残念なので、そのあたりはよかったのではと思う。個人的に好きなキャラは、主人公とよく行動を共にする、嘴平 伊之助(はしびら いのすけ)。猪の頭を被っており、不遜な態度は、スラムダンクの桜木花道のようで、見ていて痛快。彼の性格は、強者に怯むということがなく、主人公が窮地のときにも、とても頼もしく映る。もう一人、主人公とよく行動を共にする我妻 善逸(あがつま ぜんいつ)は、ヘタレだが眠ると真価を発揮するという能力の持ち主なのだが、そのために、強敵が現れても、眠りながら(鼻提灯をぶらさげながら)移動するとか、ふざけてるとしか思えない。また、胡蝶姉妹が一人一人命を繋いで一人の鬼を倒す場面であったり、鬼殺隊側の人物で、「恋」を技にする人物がいたりするのは、男性作家では思いつかない発想だろう。思うに、この作者は少年漫画と少女漫画のいいとこ取りを行っており、それがあらゆる読者を取り込む要因となっているのではないだろうか。鬼殺隊側の、文字通り「柱」である九人の人物たちが初そろい踏みをする場面では、一人一人がなんらかの発言や行動をとるのだが、それが初めは読者に嫌悪感を抱くように仕向けておいて、読み進めるとそれが彼らの過去の因縁と関係があることがわかり、納得させられる。主要な鬼が死ぬときに、人間であった頃の記憶を思い出し、何らかの悔恨や懺悔をしたりするところに救いがある。作者は多分、登場人物のほとんどに思い入れがあるのではないだろうか。まだ読んでない人、読む気のない人には、とにかく第一巻を手に取り、それで終わることなく二巻、三巻と読み進めれば、面白いと言われる理由がわかるので、ぜひ長く読み進めてみてほしいと思う。

クロスゲーム / Cross Game
9

大切な人を大切にしたくなる

野球漫画です。ですが本格的な物ではなく登場人物達の人間関係、友情や恋愛の方に比重のある作品となっています。スポーツ店の子供の男の主人公(樹多村光)と喫茶店&バッティングセンターをやっている幼馴染の家庭、4人姉妹。特に同級生の子(月島若葉)と1つ下の子(月島青葉)が物語の主軸として動いてくれています。初めは光達が小学生の時からお話のメインはスタートします。普通に描かれる日常。大きな事はありませんが平和で楽しそうな毎日。光と若葉はお互いに好き合っていて、妹の青葉は一方的に光に敵意を示しています。これも大好きな姉の若葉を取られての態度なので可愛いのですが。そんなほのぼのシーンを描いていく中で本当に前触れもなく若葉が川で水難事故にあって命を落としてしまいます。この展開には知らずに読んだ時は本当に驚きでした。本当に急でしたので。思い入れが出てきた時にこんな展開が待っていて、作中ではみんな泣いていたりで読んでて本当に泣きました。そんな悲しい出来事から数年が経ち光が高校生になる所まで話が飛びます。光は昔から若葉達の家のバッティングセンターで遊んでいたり、キャッチボールなどはしていましたがここから本格的に野球と関わって行くことになります。昔に若葉が夢で光が甲子園の舞台にいた夢を見たと嬉しそうに話されたのを覚えていて野球部へ入ったのでした。そこから若葉への気持ちもありながら青葉への気持ちもでできたり、青葉も若葉が大好きだった光への気持ちも出てきたり。とにかく甘酸っぱい感じで話は進んでいきます。青春を振り返りたくなるような素敵な作品です。

IZ*ONE / アイズワン
8

女子高生もトリコになるアイドル誕生

IZ*ONEは日本と韓国の女の子12人が所属しているアイドルグループです。日本語の曲は秋元康さん作詞作曲。素人の女の子アイドルの先駆けであるおニャン子クラブを思い出させるような元気でPOPな曲調がIZ*ONEにぴったりです。
他のアイドルと違うところは活動期間が2年半と限定されているところです。卒業が決まっているのでメンバーは限られた期間を全力で頑張り、その姿を見てファンも全力で応援します。センターはオーデションで選ばれた15才の女の子。スタイルがよくてかわいすぎる。このチャン・ウォニョンちゃんと日本のトップアイドル宮脇咲良ちゃんがツートップです。どちらがセンターになっても映えるのがIZ*ONEのいいところです。華がある2人が並ぶと画面越しからキラキラ感が伝わってきます。歌って踊っている姿を見るだけで「よし、明日も頑張ろう」と勇気が湧いてきます。
日本と韓国のアイドルの良さがMIXされている点も今までのアイドルグループにないところです。魅力的な12人の女の子が揃っているので、同じ年頃の女子高生のハートもがっつりつかんでいます。解散までを全力で駆け抜けるIZ*ONEから目が離せません。

SIAM SHADE / シャムシェイド
10

圧倒的な演奏力

アニメるろうに剣心の主題歌、3分の1の純情な感情がスマッシュヒットし、爽やか系ロックバンドとして活躍したSIAM SHADE。世間一般的には男性目線の恋愛感情をベースとした爽やか系ロックのイメージだと思いますが、実はそれは同バンドの持つ魅力の一部分に過ぎません。
同バンドの圧倒的なパフォーマンスは当時のバンドキッズ達の憧れであり、特にギターとドラムは強力なコピーガードとして同じパートの少年達を震えあがらせました。ギターの速さはもちろんのこと、運指や構成が個性的かつ機械的な上に、メジャーなロックバンドにも関わらず変拍子も多用するアレンジ。ドラムの手数の多さや変態ギターとのユニゾンキメキメの嵐は、大人の経験者でもかなり手こずると思います。
また、リードギターとドラムが突出してはいますが、他のメンバーも確かなテクニックをお持ちであり、まさに日本のメジャーなロック界における変態が編隊を組んでやってきたバンドと言えるでしょう。
バンド解散後は、ギターは氷室京介の、ドラムはTMレボリューションのバックバンドとしてサポートしていることからも、その実力がうかがえます。本格的なハードロックを聴きたい人は、アルバム、カップリングを是非聴いてみてください。

BLACK TIGER
10

秋本治、渾身のバトルアクション!

「少年ジャンプ」で約40年の長きにわたり連載してきた「こちら葛飾区亀有公園前派出所」終了後、今後はマイペースで「描きたい漫画」をいくつか描いていくと宣言した秋本治の待望の新連載だが、かねてから崇拝するアクション漫画の大家にしてパイオニア「望月三起也」へのオマージュと作者の秋本治が述べている通り「漫画」の枠を遥かに越えたアクション巨編に仕上がっており「秋本治が本当に描きたかった世界はこれか!」と思い知らされる。
舞台は南北戦争終結間もない頃のアメリカ。
戦争が終結したとはいえ、いまだに連邦政府に恨みを抱く南軍の残党や残虐な盗賊・無法者といった連中が数多く跳梁跋扈し、平和とは程遠い世界に連邦政府から特別に「殺しの許可証をえられた最強の賞金稼ぎ「ブラックティガー」が送り込まれ、毎回熾烈にして壮絶な徹底的な「殲滅戦」を展開する。
作者の秋本治自身がガン&ミリタリーマニアということもあってかその描写は精密を極め、当時実際に活躍していた銃火器はいうに及ばず、多少近未来めいたギミックも惜しげもなく登場させそのアクションをより壮絶なモノにしてくれている。
次第に敵はアメリカ国内にもならず、最新兵器を考案しては外国でテロを企む連中なども登場し、これまで以上に目が離せない展開となっており、ただひたすら読者を飽きさせまいとする作者の努力には頭が下がる。