ダンス・ダンス・ダンスール

ダンス・ダンス・ダンスールのレビュー・評価・感想

ダンス・ダンス・ダンスール
8

アニメ放送で見た『ダンス・ダンス・ダンスール』

『ダンス・ダンス・ダンスール』と聞いてポップなダンスに打ち込む女の子の主人公の物語かと思ったが、第1話を視聴した際に自身のイメージは良い意味で見事に覆された。
クラシックバレエを題材とした物語で主人公は潤平という名の中学2年生の男子。幼いころに見たバレエダンスに魅了されるも夢を断念し、「男らしくあろう」と決意。ジークンドウというブルース・リーが考案した武術に打ち込む日々を過ごしていたが、同級生の都という女の子にバレエへの興味がバレてしまい、一緒にバレエをやらないかと誘わる。バレエへの興味と情熱が彼をその道に進ませることになる。
バレエ教室に通うことになる主人公だが、そこで森 流鶯という天才に出会い、自分との実力差に打ちのめされる。しかし情熱が彼を動かし、バレエの特訓を続ける。
情熱と潤平の実力・経験が伴わず、バレエの特訓も基礎的なことがずっと続いていたことから潤平はしびれを切らし、白鳥の湖を講師に披露するものの酷評されてしまうが、ロシア最高峰の男性バレエダンサーになるという夢に向かってもがきながらも進んでいく。
また、流鶯もバレエへの情熱に溢れる潤平を見て自身も気づかないうちに触発されていく。
挫折や羨望、情熱などの青春独特の酸っぱい感情が感じられる作品である。

ダンス・ダンス・ダンスール
10

踊り、恋愛、友情 全てに心揺さぶられる、バレエ漫画!

●あらすじ
主人公の村尾潤平は幼少期に、あるバレエダンサーの踊りに衝撃を受け、バレエを習うことを決意。しかし、「男らしくあれ」とよく口にしていた父親の死をきっかけに、断念する。バレエへの未練を抱えたまま中学2年生に成長した純平は、転校生のバレエ少女・五代都に「一緒にバレエやろうよ!」と誘われる。
このことをきっかけに、長年抱いてきたバレエへの思いが爆発し、その世界にはまっていくのであった、、、、。
●見どころ・感想
数あるバレエ漫画の中で、男子が主人公というめずらしい作品です。用語やバレエ作品の内容など、作品専門的な内容はしっかりと解説しつつ、登場人物たちの心情や葛藤、恋愛模様や関係性が鮮明に書かれており、バレエを知らない方でも夢中で読めます!
主人公の潤平は、とにかく明るい性格とバレエへの情熱が溢れすぎているキャラクターで、作中の登場人物達だけではなく、読者をも夢中にさせてくれます。
また、ジョージ朝倉先生の素晴らしい画力により、特に踊りのシーンは迫力満点です。
バレエ好きの方はもちろん、スポーツ漫画、恋愛漫画がお好きな方におすすめです。読んでいて胸が熱くなる作品をお探しの方、ぜひ一度読んでみてください!

ダンス・ダンス・ダンスール
9

大注目”男子バレエ”漫画

「恋文日和(1999−2004)」や「溺れるナイフ(2004−2013)」など、映像化もされた大人気少女漫画の作者であるジョージ朝倉が2015年からビッグコミックスピリッツで連載している「ダンス・ダンス・ダンスール」がとにかく面白い。
主人公の村尾潤平がバレエに出会い、ライバル達と切磋琢磨し成長していく言わば王道熱血ストーリーなのだが、主人公のバレエに対する想いや葛藤をバレエの演目に込めた表現が圧巻で、漫画を読んでいるのに目の前で観劇をしているような気持ちにさせられる、今一番熱量のある青春漫画だ。
個性豊かな登場人物も多いが、特に2大ヒロインの五代 都(ごだい みやこ)と生川 夏姫(おいかわ なつき)を紹介したい。五代都は主人公潤平の学校に転校し、潤平をバレエに誘った張本人である。自身も幼少期からバレエを習っており、性格は面倒見がよく愛想が良い。そして女の子らしいふわっとした笑顔が印象的だ。もう一人のヒロイン生川夏姫は潤平や都も通うバレエスクールの代表の娘で、彼女ももちろん幼少期からバレエを習っている。常にしかめっ面でツンツンしており、真面目な性格だがとても才能があり、代表の娘という境遇に甘んじる事のない努力家である。
対照的な二人のヒロインと潤平の恋愛も本作の見どころである。バレエ演目中のドラマティックな心理描写や師弟関係、ライバルとの切磋琢磨など見どころの多い本作。是非一度読んで欲しい漫画だ。