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8shiyuuma7のレビュー・評価・感想

BLEACH / ブリーチ
9

全世界待望の新章開幕か?

2021年、『BLEACH』の完全新作読切が掲載されました。2016年に千年血戦編が終幕し、大団円を飾った『BLEACH』は海外人気も高く、今もなおファンの多い超名作です。
『BLEACH』の魅力といえば一人一人のキャラクターがもつ個性豊かな斬魄刀たち。「卍解」なんかは『BLEACH』を読んだことがない方でも耳にしたことがあるんじゃないでしょうか?
斬魄刀ごとに秘められた力を解放するために唱えられる「解号」。破道、縛道それぞれ九十九番まで詠唱が存在する「鬼道」。
「君臨者よ!血肉の仮面、万象はばたき、人の名を冠すものよ、真理と節制、罪知らぬ夢の壁に僅かに爪を立てよ。破道の三十三、蒼火墜」長い!でも、一度聴いてしまうと覚えられずにはいられないんですよ。
久保帯人先生の作るフレーズは理由はわからないけれど、とにかくかっこいい!これは今大人気の『呪術廻戦』原作者の芥見下々先生も小学四年生のときに衝撃を受け、漫画家を志すようになったのだとか。
連載開始から20年の節目に掲載された読切、「獄頤鳴鳴編」。「千年血戦編」を最終章とし、完結して5年。まさかの新作発表にファンは大歓喜。倒れていった仲間たちの魂を地獄送りにしていたことが判明し、困惑する一護たち。地獄蝶、一護の息子一勇、地獄の門から伸びる元十三番隊隊長、浮竹十四郎の斬魄刀「双魚理」。あまりの情報量の多さに、困惑する読者たち。
新作の掲載がどうなるのかは定かではありませんが、楽しみに待つことにしましょう。

マブラヴ オルタネイティブ
8

一人の少年があがく。ただ、人類を守るために。

【人類に敵対的な地球外起源生命体】ーBETA(ベータ)。
BETAにより滅亡の危機に瀕した人類は、戦術歩行戦闘機「戦術機」を用いて戦いを続けていたが、戦況を覆すことはできず。それでも人々は、自身の生存と領土の奪還のために抵抗を続けています。主人公の少年白銀武も、戦術機の衛士(パイロット)として軍に身を投じていました。
基本的に、この作品は操作することはほぼなく、途中に出てくるいくつかの選択肢を選ぶのみで、あとは物語を読むだけのシンプルな作りになっています。にも関わらず熱狂的なファンが未だに数多くいて、あの「進撃の巨人」の作者も強い影響を受けたと公言されている作品が、まさしくこの作品です。
元々平和な世界にいた武は、ある日突然この「間違った世界」に飛ばされてきた普通の学生です。混乱の中、元いた世界の友人と同じ、「この世界の」友人たちと新たに出会い、様々は経験を経て、学友から戦友となった彼女らと共に戦うことを決意していました。朧げながら、「死んだらループして特定の日に戻る」現象が自身に起こっていることを自覚していた武は、その「死亡する前の記憶」と類まれな戦術機の操縦技術を頼りに、なんとか人類を有利に導こうと奮闘していきます。容赦なく襲い来る苦難と、絶え間なく続くBETAとの戦闘の中で、武は唯一「元の世界にいてこの世界にいなかった」少女、幼馴染の鑑純夏と出会います。そしてその出会いから、物語に隠された謎が徐々に解き明かされていくことになるのです。
BETAとは何か。なぜ武はこの世界に来てしまったのか。そして、人類は勝つことができるのか。物語全体に細かに散りばめられた伏線と、絶望的な数と向かい合うBETAとの戦闘。その中で武が挑む、手に汗握る戦術機でのBETA戦。そして人類存亡をかけた最後の作戦に向かう過程で明かされる、数々の謎。
武だけでなく、登場する全ての人が必死にもがき戦っている本作は、平和な今を生きるプレイヤーの心に刺さる数々の名言を残していきます。そしてそんな人々の死もリアルに、容赦なく描いていきます。
今年2021年10月に待望のアニメも放送されるこの作品。ロボットが好き。熱い作品が好き。リアルな作品が好き。容赦のない展開が多いため、少々人を選ぶ作品ではありますが、大丈夫だという方には自信を持っておすすめしたい作品です。

ヘルタースケルター
9

人間の欲望、心理、社会の風潮を描き切った過激なコミック

全身整形美女の悲惨さ、残酷さがこれでもかというほど過激に描かれています。主人公のリリコは売れっ子モデルとして活躍し、その美しさは存分に伝わってくるのですが、華やかな表舞台の裏側は過酷なもの。業界のドロドロがストーリーとなっていますが、ファッショナブルでクールな作風が、汚らしいだけのものに見せません。

人間の欲望をドラマチックに描き、読みごたえは満点。リリコは欲望の固まりのような人物ですが魅力的で、同情とも共感とも違う、何とも言えない引力で引き込まれます。そして興味深いのは、リリコの後輩モデル、吉川こずえとの対比。余談ですが、この吉川こずえは作者・岡崎京子の別の漫画『リバーズ・エッジ』にも登場しています。彼女は生まれたときからかわいい、天性の美少女。人工の作られた美女のリリコが、不自然なまでに何かを追い求めるのに対して、吉川こずえは飄々としていて、熱くなったりはしません。この、本当の理想的な美少女が登場することで、みんなの理想を演じるために嘘で固めるリリコの歪さ、悲しさが際立ってきます。

ブームが来てはまた去っていく。人気を獲得し続けることは容易ではありません。無理に無理を重ねたリリコの体と精神が追いつめられていく様子の描写は素晴らしく、深層心理までも描き出すように展開していきます。一人のモデルの伝説的な生き様とともに、社会の風潮をストーリーに込めた傑作です。

Stellaris
8

かなりの時間泥棒

本作は元々PCで発売されたゲームのPS4への移植版です。銀河に数ある『帝国』の一つの君主となり、自帝国を銀河一の勢力へと導くのが目的のSFシミュレーションゲームです。
本作の魅力は高い没入感です。登場する帝国はテンプレートもありますが、NPCの勢力も含め自分で設定することができます。この設定がかなり細かく設定でき、種族、政治体制やどういった起源で起きたかなど多様に渡ります。種族はヒト型はもちろん、犬顔やトカゲ顔の動物種族や、キノコなどの植物種族、いかにもSFなロボット種族など様々。政治体制は専制君主の帝国だけではなく、民主主義国家や、株式会社なんかも選べます(帝国とは一体…)。これらを組み合わせることで例えばネコミミ皇帝率いるネコミミ帝国や、経済的に銀河を牛耳るキノコ株式会社、すべての有機生命体をせん滅する殺戮機械群といった幅広い帝国なども建国可能です。映画や漫画に出てくる勢力も簡単に作れるのでロールプレイもお手の物。自慢の帝国で銀河に打って出ましょう。
もう一つの魅力が常にゲームシステムが進化していることです。多岐にわたるDLC、バグ修正にとどまらないアップデートパッチを公式が出し続けています。DLCは種族、艦船の追加や新たなシステムの導入をすることができます。DLC自体はよくあるものですが、驚くべきは無料のアップデートパッチのほうです。これが次々新しいシステムが追加されていき、ゲームバランスが大きく変化、バージョンが変わるたび新鮮な気持ちでプレイすることができます。なので、「半年ぶりにプレイしようかな」という時も安心のコストパフォーマンスです。
この手のゲームなありがちな、一度軌道に乗ってしまうと敵が弱くなりすぎてやることがなくなるといった問題も、プレイ後半に強大な敵対勢力が発生することで解決しているのもポイントが高いです。対人もできるのでマンネリが感じにくいのもグッド。
欠点は一プレイ当たりの時間が長いこと。初期設定でいじれるものの、クリアまでに数十時間なんてのもざら。没入感の高さゆえに途中でセーブして切り上げるのもはばかれる時間泥棒のゲームです。