マブラヴ オルタネイティブ

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マブラヴ オルタネイティブのレビュー・評価・感想

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マブラヴ オルタネイティブ
8

一人の少年があがく。ただ、人類を守るために。

【人類に敵対的な地球外起源生命体】ーBETA(ベータ)。
BETAにより滅亡の危機に瀕した人類は、戦術歩行戦闘機「戦術機」を用いて戦いを続けていたが、戦況を覆すことはできず。それでも人々は、自身の生存と領土の奪還のために抵抗を続けています。主人公の少年白銀武も、戦術機の衛士(パイロット)として軍に身を投じていました。
基本的に、この作品は操作することはほぼなく、途中に出てくるいくつかの選択肢を選ぶのみで、あとは物語を読むだけのシンプルな作りになっています。にも関わらず熱狂的なファンが未だに数多くいて、あの「進撃の巨人」の作者も強い影響を受けたと公言されている作品が、まさしくこの作品です。
元々平和な世界にいた武は、ある日突然この「間違った世界」に飛ばされてきた普通の学生です。混乱の中、元いた世界の友人と同じ、「この世界の」友人たちと新たに出会い、様々は経験を経て、学友から戦友となった彼女らと共に戦うことを決意していました。朧げながら、「死んだらループして特定の日に戻る」現象が自身に起こっていることを自覚していた武は、その「死亡する前の記憶」と類まれな戦術機の操縦技術を頼りに、なんとか人類を有利に導こうと奮闘していきます。容赦なく襲い来る苦難と、絶え間なく続くBETAとの戦闘の中で、武は唯一「元の世界にいてこの世界にいなかった」少女、幼馴染の鑑純夏と出会います。そしてその出会いから、物語に隠された謎が徐々に解き明かされていくことになるのです。
BETAとは何か。なぜ武はこの世界に来てしまったのか。そして、人類は勝つことができるのか。物語全体に細かに散りばめられた伏線と、絶望的な数と向かい合うBETAとの戦闘。その中で武が挑む、手に汗握る戦術機でのBETA戦。そして人類存亡をかけた最後の作戦に向かう過程で明かされる、数々の謎。
武だけでなく、登場する全ての人が必死にもがき戦っている本作は、平和な今を生きるプレイヤーの心に刺さる数々の名言を残していきます。そしてそんな人々の死もリアルに、容赦なく描いていきます。
今年2021年10月に待望のアニメも放送されるこの作品。ロボットが好き。熱い作品が好き。リアルな作品が好き。容赦のない展開が多いため、少々人を選ぶ作品ではありますが、大丈夫だという方には自信を持っておすすめしたい作品です。

マブラヴ オルタネイティブ
10

私が今までやってきたゲームの中で最高傑作

このゲームはまず前後編に分かれており、前編はよくある学園ラブコメディなのですが、あくまでこれはこれから始まる地獄の序章に過ぎません。後編こそがこのゲームの本編であり他のゲームとは一線を画す面白さを秘めているのです。
後編パートに入ると今までの平和だった学園コメディから一変し、BETAと呼ばれる地球外起源種(簡単にいえば宇宙人のようなもの)が攻めてくる殺伐とした世界に主人公が飛ばされます。そこで主人公は元の世界に帰るためそして世界を守るために立ち上がります。
流れとしては主人公が軍隊に入隊し、基礎訓練や演習を受けた後に戦術械という機械(これにより主にBETAと戦う)に乗りBETAと戦うというものです。このゲームの素晴らしい点は非常によく練られた設定にあります。最近のロボットアニメでは主人公しか乗れないワンオフ機のようなものにのりがちだったり、困ったら都合よくパワーアップするようなことがよくありますが、ここではそういったご都合主義的な展開は一切なくよりリアルに忠実に作られています。それゆえ非常に残酷なシーンや苦しい展開も多いですが、だからこそ主人公が活躍するシーンなどが映えるのです。
私が今までやってきたゲームでこれほど考えて作られた面白いものはないと思います。まだ未プレイの方に自信をもって奨められる作品です。