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6nlenoreのレビュー・評価・感想

Vaundy / バウンディ
8

2022年Apple MacのCMにも起用された21歳注目アーティスト。

現役芸大生でもあるVaundyの作り出す音楽には、その若さからは想像し得ないほどの静かでいて、おしゃれな雰囲気があり、寝静まった夜中の街並みの涼しい空気感が好きな方には合うのではないかな、という曲も数多くあります。

今年22歳を迎えるVaundyですが、2019年に自主製作した楽曲「pain」をyoutubeに投稿し、アーティスト活動を進めます。

そして同年の9月には「東京フラッシュ」にて若者の注目を集め、今なお彼の音楽に惹かれている人たちは増え続けています。

彼は音楽制作において「引っ掛かり」を大事にしている節があります。

「東京フラッシュ」制作時に彼が意識したのは「5秒以上聞きたくなるような曲かどうか」という点だったそうです。

それは今の音楽においては、誰もがサブスクリプションにて音楽を多く楽しむことができますが、その半面、多くの楽曲を聴かない事もできます。

数秒で耳に馴染まなかったら違う曲に移るという「消費」が容易な時代で、彼はそういった数秒を強く意識し、製作に取り組んでいます。

なので、聞けばその数秒が心地よいものなり、好きな音楽があるはずです。

特に若い人には、より馴染のある楽曲なのではないかな、と感じています。

メジャーデビューして日は浅いですが、今後も注目が外せないアーティストの一人だと思います。

呪術廻戦 / Jujutsu Kaisen
10

五条が夏油に最後に言った言葉とは、五条と夏油の青い春

0巻の最後、これまで言えなかった本音を語り合い、夏油に五条がとどめを刺すシーン。
五条が最後に夏油に何かを言っている描写があります。
それを聞いた夏油は、最後ぐらい呪いの言葉を吐けよと、笑いながら五条に殺されたのですが、五条は夏油に何を言ったのでしょうか?
作者の芥見先生曰く、このときの五条の言葉は0巻の中で言っているらしいんです。
おそらくは「僕の親友だよたった1人のね」ではないでしょうか。
呪詛師てなった夏油を五条は最後までたった1人の親友と言い切り、夏油も気の抜けた笑顔をみせて殺されていったのではないでしょうか。
学生時代の五条は夏油に一人称は俺はやめた方がいいと1度注意されたことがあります。
当時の五条は聞く耳を持ちませんでしたが、夏油が闇堕ちしてからの一人称は僕に変わっているのです。
礼儀をフォローしてくれた夏油がいなくなったことが、五条の心境に大きな変化をもたらしたのでしょう。
しかし、夏油がいなくなってから、1度だけ自分のことを俺と表現したことがあります。
それは90話で偽夏油(けんじゃく)と初対面した時です。
生きているはずのない親友が目の前に現れたことで、六眼では夏油傑と認識しつちもだが俺の魂がそれを否定してんだよと叫ぶのです。
このときは一瞬だけ、あの3年間の青い春の頃に戻ったのかもしれません。

コンフィデンスマンJP -プリンセス編-
10

詐欺師大集合!騙しあいの中にも笑いと涙と感動満載!

コンフィデンスマンとは信用詐欺師、つまり相手に自分を信用させ、騙した後も騙されたことにすら気づかないプロの詐欺師のこと。
ダー子、ボクちゃん、リチャードは、史上最強のコンフィデンスマン。しかし弱者の見方であり、悪者から騙したお金を弱者に還元する正義の味方でもある。
コンフィデンスマンのストーリーの特徴は、一見ダー子達が危ない状況に陥ったように見せかけて、実はそれすらダー子達の計算であり、見ている側も最後まで騙されてしまう。
その後の真相が理解出来た時の快感は、騙されたはずなのにスッキリとして心地良いです。
今回の作品もドラマや映画同様、赤星英介がダー子達に騙されていたことが分かり、最後でまさかの驚きの展開。
また、プリンセス編の最大の見どころは、ランカウイ島の雄大で美しい景色と、豪華なホテルのパーティー会場。
海辺のシーンでダー子がコックリに「自分の道を行きなさい」と言って別れ、その後にコックリがダー子に抱き着く姿も感動する。
また、三浦春馬さんと長澤まさみさんのダンスシーンも美しい中に笑えるやり取りがある。
実はミシェルという隠し子の存在も嘘で、ダー子の気まぐれな言葉を偶然聞いたレイモンド・フウが、居ないはずの隠し子を作り上げたことにも驚く。
エンドロールで流れるLaughterは、コックリに対しての「自由に空を飛び、羽ばたきなさい」というメッセージにも感じた。
個人的には急逝した三浦春馬君へのレクイエムにも感じられる。

男はつらいよ 旅と女と寅次郎
9

運動会

今回のマドンナは、都はるみさんということで、オープニングバックの江戸川のシーンに細川たかしさんが特別出演していました。
オープニングのところの寅さんが江戸川の土手を歩き、、、ってシーン、結構好きです。
あと、最初の家族と寅さんの喧嘩のシーンは、寅さんがかわいそうでした。
まあ、満男の気持ちもわかりますけど、運動会にくるなとかいわれたら悲しいし、腹も立つってもんですよね。
満男もあとで、謝っといてと言っていたし、満男も辛い思いをしたなと思いました。
今回のマドンナは、人気演歌歌手ということで歌う場面も多かったというイメージです。
あと、ちよっと他のマドンナとちがうというか、寅さんってなんとなくどっか弱いところがあるというか、ほんとにはなくても儚げな人が好きな気がするけど、都はるみさんはちゃきちゃきしすぎな気がします。
はるみさんのほうは、自分を人気歌手扱いしない寅さんに嬉しかったんでしょうね。
なんかそういう気持ちわかります。
寅さんは今までもすごく金持ちだとか名士の人にも気に入られたりしていたし、ああいう気さくさが、だれからも愛される所以だなと思いました。
寅さんは空気読めないようで、いろいろ気を使うところもあり、優しい人だなと思います。
今回は、歌が多くてちょっと異色作かもしれませんが、おもしろかったです。

鬼滅の刃 / Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba
10

悲しくて優しい鬼退治

貧しいながら家族と幸せに暮らしていた主人公・竈門炭治郎が家族を惨殺され、唯一残った妹・禰豆子が鬼にされてしまったところから話が展開していく。そもそも、最初は炭治郎も鬼の存在を信じていなかった。
そんな中何者かに家族は惨殺され、妹は鬼になり、炭治郎も何が起こったかわかっていなかった。ちょうどその時政府非公認の”鬼殺隊”の富岡義勇が鬼がいるとのうわさを聞き、その場面に出くわす。鬼殺隊はその名の通り鬼は絶対悪で殺すものだと考えている。なぜなら、鬼は必ず人を喰う生き物だからだ。最初は禰豆子を殺そうと思った富岡だが、人を喰わず、兄・炭治郎を守ろうとするところを見て、何かこの鬼は違うと感じた。そこで自身の師匠にこの兄妹を預け、炭治郎は鬼殺隊へ入り、禰豆子を人間へ戻す方法を探す。

この物語の良いところとして、とにかく登場人物が魅力的。特に主人公・炭治郎はとてつもないほど優しい。鬼にさえ。ただよくある陳腐な誰も殺したくない、覚悟がない甘ちゃんではない。もちろん人々を傷つけた鬼は許せない。罪のない人を殺した罰は死んでも償ってもらう。
ただ、鬼は皆元人間だったのだ。鬼が死ぬ間際に罪を償おうとするのなら炭治郎は、自分を殺そうとした相手でさえ、手をとり、看取る。

例えば遊郭編で兄妹の鬼がいたが、その鬼二人が死ぬ際にお前のせいで死んだんだ、とお互いのことを罵り合い死に絶えるところだった。この鬼も親がなく、兄と妹だけで、炭治郎たちと似たようなことろがある。
炭治郎は、「嘘だよ。本当はそんなこと思ってないよ。仲よくしよう。この世でたった二人の兄妹なんだから。君たちのしたことは誰も許してくれない。殺してきたたくさんの人たちに恨まれて憎まれて罵倒される。味方してくれる人なんていない。」「ーーだからせめて二人だけはお互いを罵り合ったらだめだ。」たくさんの人を殺し、死に絶え行く鬼にさえ、心をもって接する。
本当に炭治郎尊い。一番好きな主人公になりそう。一番強いとかではないし、成長スピードが速い、チートな能力があるわけでもない。でもすごく人間としての魅力が天元突破している。ぜひいろんな人に見てもらいたい。