美しくも切ないストーリー。ただゲーム性は独特なので購入時は注意が必要。(NieR Replicant ver.1.22474487139...レビュー)
2010年に発売されたPS3専用ゲーム「NieR Replicant」のバージョンアップ作品。
グラフィック・モーションの刷新、ボイスの撮り直し、新たなストーリー追加など、PS3版をプレイ済のファンも楽しめる内容となっている。
物語の舞台は3453年の地球。
主人公が不治の病「黒文病」にかかった妹ヨナを救うため、「マモノ」と呼ばれる怪物と闘いながら病を治す方法を探す物語だ。
基本はアクションRPGだが、なんといってもこのゲームの見どころは、重厚で美しく、切ないストーリーである。
登場するキャラクターに悪者はひとりもおらず、全員が自分の正義のために戦い、ぶつかり合うところに心打たれる。
すべてのエンドを回収した際には、プレイヤーしか味わえない達成感と虚無感が押し寄せてくるので、
ぜひ実際に自分の手でプレイしてほしい。
ただ、ストーリーは素晴らしいが人を選ぶゲームではあるので、購入時はよく検討してほしい。
まず、基本はアクションゲームだが、作中ではシューティング要素やノベルパートもある。
ゲーム性が変わるのが楽しい、と思えればいいが、ノベルパートは正直かなり長い。
さらに、周回プレイが前提の作品のため、同じシーン・戦闘を何度も繰り返すことになる。
周回することで登場人物にさらに感情移入できる作品ではあるが、それができないとゲームを進めること自体が億劫になってしまうかもしれない。
また、ファストトラベル機能がなく、エリアを移動するごとにロードが入る。
特にサブクエストはエリアを行ったり来たりするおつかいがほとんどなので、当然ロード回数は増えてしまう。
そのほかにも、オートセーブ機能がないなど、このゲームはあえてめんどくささを残している点がある。
しかし、それも含めてじっくりと世界観・ストーリーを味わえる方は、どっぷりとハマれるゲームだと思う。