ドロヘドロ / Dorohedoro

ドロヘドロ / Dorohedoro

『ドロヘドロ』とは2000年から2018年まで連載された林田球のダークファンタジー漫画、及びそれを原作としたアニメ。退廃的な背景やオリジナリティ溢れる魔法の設定、グロテスクでユーモラスな世界観、敵味方人外問わず憎めない愛嬌を持った魅力的なキャラクターが話題を呼んだ。記憶喪失の主人公・カイマンは、自分の頭部をトカゲに変えた宿敵の捜索の傍ら魔法使いの練習台にされた人間が住む町・ホールで仲間と愉快な日々を送っていたが、そこへ魔法使いの世界の実力者・煙ファミリーの刺客が襲い来て壮絶なバトルを繰り広げる。

ドロヘドロ / Dorohedoroのレビュー・評価・感想

ドロヘドロ / Dorohedoro
8

日本の漫画・アニメの真骨頂

『ドラえもん』でのび太の担任をやってる、あの高木渉さんが主役の声をやるらしい、ということで、アニメ放送前に少しネットでざわついた作品。高木渉さんは俳優さんとしても活躍されているだけあって、演技力はバツグン。申し分のない主役をやってくださいました。
こういうワケわからない設定のストーリーを、キチンと面白い作品に仕上げられる手腕は、日本の漫画・アニメの真骨頂じゃないかなと思います。原作者さんのアイディアが一番優れているのはもちろんではありますが、漫画では若干見づらかった絵面や分かりにくかった展開をアニメではスッキリさせ、原作を損なわず、理解しやすい作品に仕上げています。
OP・EDもスタイリッシュでカッコいい!画風は決して可愛くもなければキレイでもない、武骨な雰囲気なのですが、それにこの楽曲を合わせてきたセンスに惚れ惚れします。万人受けする作品ではないからでしょうか、第2期製作の話などは一向に上がらないので、これでアニメ化は終了なのでしょうが、実にもったいない。カイマンの謎が解決されるのを、映像で見たかったなぁと思います。こういう作品を海外の作家や製作会社が作ったら、最初から最後までワケわからない作品になっていたでしょうね。日本の作品作りの現場の能力の高さをもっと誇っていいと思います。

ドロヘドロ / Dorohedoro
10

これこそが混沌アニメードロヘドロー

一言で表すなら「カオス」そのもの。2000年から2018年に連載されていた人気コミックをアニメ化したもの。
魔法使いにトカゲの頭に変えられ記憶をなくした「カイマン」と謎おおき女「ニカイドウ」が主人公で、カイマンの姿をトカゲに変えた魔法使いを探しだし、カイマンを元の姿に戻すストーリー。
ストーリー設定も面白いけど、アニメの描写表現や色使い、話の繋げ方など全てが完璧でカオス。また、楽曲もカオスそのもので、アニメの世界観ともマッチしていて楽曲にも注目できるため、オープニング・エンディング共に最後まで目が離せない。
グロシーンもあるがなぜか思ったよりグロくない。また、敵役の「シン」「ノイ」「エン」などのキャラクラーも主人公の2人と同じほどフォーカスされていることから、視聴者は全キャラクターのファンになることは間違いない。
また、人気であるのになぜかアニメの2期が作製されず、アニメから入ったファンは待ちきれずに漫画を集めるというほどの面白さで、なぜか病みつきになるアニメである。
ファンは首を長くして2期作製を待っているが、今のところ作製の予告はないが、今後最も期待されるアニメであると言える。このアニメを視聴後は必ず大葉餃子が食べたくなるだろう。

ドロヘドロ / Dorohedoro
10

見たことのない世界観と深いストーリー

魔法使いの世界と人間の世界で繰り広げられる友情、愛情、そしてエゴにあふれたストーリー。この作品を一言で言い表すとこんな感じです。魔法使いと聞くとメルヘンや幻想の世界を想像する人もいると思いますが世界観は全く逆。子どもには見せられないレベルのグロテスクな描写が全編に渡るため当初は引く人もいるかもしれません。でもそれ以上に登場人物の個性、魔法の種類、軽妙な会話、何よりもストーリーの魅力に引き込まれます。
主人公はカイマン。魔法使いによって記憶を奪われたこの男はなぜか頭だけがワニになり瀕死のところをニカイドウに助けられます。失われた過去を探すカイマンと行動を共にするニカイドウにも実は人に言えない過去が。2人は魔法の世界からやってくる魔法使いたちと接触するうちに、自分たちの過去を見つける人物が魔法界にいることを知ります。カイマンが過去の手がかりに近づくのと同時に、ニカイドウは向き合うことを避けてきた過去に直面することになる。やがて2人は魔法界の大物ファミリーとその反対勢力との争いに巻き込まれ、魔法界に大きな影響を与える存在になっていきます。
人間、魔法使い、そして彼らをもてあそぶ悪魔。みんな俗物的で人間くさくて愛すべきキャラクターです。余談ですがコミックの表紙デザインもとてもアート風で美しいです。

ドロヘドロ / Dorohedoro
9

漫画好きにおすすめ

顔をトカゲの頭に変えられてしまった謎の男カイマンが元の顔と記憶をとりもどす為魔法使い達を殺して殺して殺しまくるほのぼのダークスプラッターファンタジー。
というのがこの漫画のあらすじ兼ジャンルです。
笑いありグロあり様々なジャンルが組み込まれているので漫画好きなら一見のかちありだと思います。
中でもお気に入りなのはこの漫画のキャラクターたち、主人公のカイマンはもちろんカイマンの相棒ニカイドウや魔法使いの解明に勤しむカスカベ博士や巨大ゴキブリのジョンソンなどなど他の漫画ではあまり見たことがない魅力的なキャラクターが数多く登場します。
魅力的なのは主人公サイドだけじゃなくて敵サイドにも煙ファミリーを束ねる組織のボス煙やその組織の掃除屋心、煙に忠誠を誓う藤田や頭のおかしな髑髏マスクを被った恵比寿など例をあげたらきりがありません。
特に恵比寿を中心としたやり取りを繰り広げる敵であるはずの煙メンバーのほのぼの日常回を見た後には貴方もすっかり煙ファミリーの一員となっている事でしょう。
キャラクターの中身はもちろんですがデザインも滅茶苦茶かっこいいので絵を眺めているうちにもう読み終わってしまったなんてことも珍しくないです。
アニメにもなっているので少しでも興味があるのなら一度手に取ってみる事をお勧めします。
素敵な林田球ワールドが広がっていますよ。