ドロヘドロ / Dorohedoro

ドロヘドロ / Dorohedoro

『ドロヘドロ』とは2000年から2018年まで連載された林田球のダークファンタジー漫画、及びそれを原作としたアニメ。退廃的な背景やオリジナリティ溢れる魔法の設定、グロテスクでユーモラスな世界観、敵味方人外問わず憎めない愛嬌を持った魅力的なキャラクターが話題を呼んだ。記憶喪失の主人公・カイマンは、自分の頭部をトカゲに変えた宿敵の捜索の傍ら魔法使いの練習台にされた人間が住む町・ホールで仲間と愉快な日々を送っていたが、そこへ魔法使いの世界の実力者・煙ファミリーの刺客が襲い来て壮絶なバトルを繰り広げる。

essaywのレビュー・評価・感想

ドロヘドロ / Dorohedoro
10

見たことのない世界観と深いストーリー

魔法使いの世界と人間の世界で繰り広げられる友情、愛情、そしてエゴにあふれたストーリー。この作品を一言で言い表すとこんな感じです。魔法使いと聞くとメルヘンや幻想の世界を想像する人もいると思いますが世界観は全く逆。子どもには見せられないレベルのグロテスクな描写が全編に渡るため当初は引く人もいるかもしれません。でもそれ以上に登場人物の個性、魔法の種類、軽妙な会話、何よりもストーリーの魅力に引き込まれます。
主人公はカイマン。魔法使いによって記憶を奪われたこの男はなぜか頭だけがワニになり瀕死のところをニカイドウに助けられます。失われた過去を探すカイマンと行動を共にするニカイドウにも実は人に言えない過去が。2人は魔法の世界からやってくる魔法使いたちと接触するうちに、自分たちの過去を見つける人物が魔法界にいることを知ります。カイマンが過去の手がかりに近づくのと同時に、ニカイドウは向き合うことを避けてきた過去に直面することになる。やがて2人は魔法界の大物ファミリーとその反対勢力との争いに巻き込まれ、魔法界に大きな影響を与える存在になっていきます。
人間、魔法使い、そして彼らをもてあそぶ悪魔。みんな俗物的で人間くさくて愛すべきキャラクターです。余談ですがコミックの表紙デザインもとてもアート風で美しいです。