ロッキー / Rocky

ロッキー / Rocky

『ロッキー』とは、1976年公開のアメリカ映画。低予算ながらアカデミー賞3部門を受賞し、無名の俳優シルヴェスター・スタローンを一躍スターダムへと押し上げた世界的大ヒットシリーズ第1作。監督はジョン・G・アヴィルドセン。フィラデルフィアのスラム街に暮らす三流ボクサーの青年ロッキーに、世界チャンピオンのアポロが対戦相手として指名してきた。自分がただのゴロツキでないことを証明するため、そして愛する女性エイドリアンのために、ロッキーはリング上での決死の闘いに挑む。

ロッキー / Rockyのレビュー・評価・感想

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ロッキー / Rocky
10

ロッキーの生きざま

ロッキーシリーズの1作目、ロッキーとアポロの戦いと同時にエイドリアンとの恋愛を描いた作品になっている。
アポロとの対戦でボロボロになりながらも決して諦めず、絶対に負けないという執念で何度も立ち上がるロッキーの闘志が1作目の最大の見せ場となる。

エイドリアンとは色々な場所でデートを重ね、思い出を増やしていくことで徐々に距離を縮めていく。
おとなしめのエイドリアンだが、その本当の美しさを見定めていたロッキーの目にくるいはなかった。
時が進み一世一代のアポロとのタイトルマッチが決まった。
ロッキーは一日一日練習を重ね、最高の状態で試合当日にのぞむ。
第1ラウンドのゴングが鳴ると、いきなりアポロの鋭い殺人パンチがロッキーにヒットし、試合の流れを持っていかれてしまう。
アポロの連続パンチにダウンするロッキー。それでも立ち上がり、もっと来いとまだまだやる気を見せるロッキー。
動じないロッキーにアポロもあきれ顔を浮かばせる。
そして最後の最後まで諦めないロッキーにチャンスがめぐってくる。
ロッキーのボディーブローがアポロにヒットしたのだ。必死にこらえるアポロ。
試合は判定にもつれこみ、わずかの差で勝利を手にしたのはアポロだった。
全力を尽くし戦いきったロッキーは試合後のリングでエイドリアンを呼ぶ。
エイドリアンもリングに上がり「I love you」と言う。
ボクシングを通じて描かれるライバル、そして恋人との絆。
ロッキーシリーズの1作目、興味があれば是非ご覧ください。

ロッキー / Rocky
10

ロッキー

正にアメリカン・ドリームを実現した映画。シルベスタ・スタローンという売れない2流の俳優が自ら脚本を書いて映画会社に持ち込んだ。しかし会社は拒否。それはそう。売れない2流の俳優が持ち込んでもそう簡単にはいくはずがない。だがこの男自身だけは自分を1流と信じて、とうとう会社を説得してしまう。しかし映画は低予算、スタッフ・キャストほとんど無名。そろいも揃ってハングリー精神の塊で失うものなど何もない。2流のプライドをかけて作った映画には魂がこもっていた。ハリウッド相手に勝負をしてものの見事に勝利。映画は世界的にメガ・ヒットし一躍時の人になってしまったスタローン。その後の活躍は飛ぶ鳥を落とす勢いで監督にまで手を広げ、映画はシリーズ化いまだに新作が作られている。
チンピラと紙一重の名もなき無名のボクサー、ロッキー・バルボアに突然世界戦の話が持ち上がる。世界チャンプと無名の2流ボクサー、それは正に考えられないような対戦。何があったか知らないが、ボクシング界の裏事情…複雑怪奇。黒人の世界チャンプ対白人の無名ボクサー、ちらっと人種問題を絡めながら、マスコミがあおりまくる。マスコミのいやらしさを盛り込んで、映画は怒涛のクライマックスへ。感動のラスト。必見作。

ロッキー / Rocky
10

胸が熱くなる映画!

言わずと知れた名作映画の一つ、『ロッキー(Rocky)』(1976年)は、あまりにも有名ですし、「モノマネなら知ってる」、「名前は聞いたことあるけど見たことはない」なんて方もいらっしゃるのではないでしょうか。このレビューをきっかけに本編にも興味を持っていただければ幸いです。

ロッキーを演じるのは今や世界的ハリウッドスターであるシルベスタ・スタローンですが、何を隠そう脚本を書いたのも当時無名だった彼なのです。自身の主演を条件に脚本を売り込んだため、大人の事情で低予算での映画製作を強いられました。その制約が功を奏したりするんです!セットや衣装の発注が上手くいかなかったことがロッキーの境遇と重なって、スタローンはゴールデングローブ賞を受賞した際「ずっと親友でいてくれたロッキー・バルボア」なんて発言もしていますが、ロッキーはスタローン自身でもあるように思えます。

~あらすじ(※以下ネタバレあり)~
物語の舞台は1975年、フィラデルフィア。賭けボクシングの賞金だけでは生活が苦しく、借金の取り立てをするなど落ちぶれた生活を送る三流ボクサーのロッキーは、ある時「ユニークなリングネーム」という理由で、チャンピオンであるアポロから試合相手として指名されます。実力の差は歴然なのでロッキーは申し出を嫌がりますが、アポロは強引に試合を取り付けます。ロッキーの数少ない身内である恋人エイドリアンやトレーナーのミッキーの助けもあり、彼は自分の存在を証明するために過酷なトレーニングに耐え、試合に臨みます。始めは小馬鹿にした態度で臨むアポロでしたが、強烈なパンチを耐え抜くロッキーに次第に本気を見せ始めます。知名度のみならず実力の差から誰もがアポロのKO勝ちを予想した試合でしたが、なんと終盤はボロボロのロッキーが(アポロもですが)アポロに猛攻撃を繰り出します。結果は判定に持ち込まれたものの僅差でアポロの勝利でした。しかしロッキーは観客までも味方に変えたのです。彼は町のゴロツキではないことを証明できたのでした。

「モチベーションが保てない…」なんて時に見たい映画です。
ロッキーはもともと不器用で優しい性格です。そんな彼が意地で這い上がる青春物語に、胸を打たれること間違いなしです。どうして彼がここまで頑張れたのかというと、周りの支えがあったからこそです。言い換えれば、ロッキーがこれまでずっと欲しくてたまらなかったものでもあります。人間誰しも自分のためだけに頑張っていると、どうしても限界が来るはずですが、それを乗り越えられるかどうかは自分を応援してくれる家族、恋人、友人の手にかかっているといっても過言ではありません。
「孤独だったロッキーを見て、改めて周りの人に感謝したくなる」、そう思わせてくれる映画でもあります。皆さまもぜひご覧ください!