デヴィッド・ボウイ / David Bowie

デヴィッド・ボウイ / David Bowie

David Bowie(デヴィッド・ボウイ)とは、1970年代から死の直前、2016年まで活躍したロック・ミュージシャンである。70年代のグラム・ロックから、何度も自分の音楽のスタイルを実験、改革し、20世紀後半のロック・シーンに大きな影響を与えた。ザ・キュアのロバート・スミス他、ボウイに影響を受けたミュージシャンは多い。
それまでわりと単純な歌詞が多かったロックの歌に、哲学的な深い考察を導入したことでも有名である。

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David Bowie(デヴィッド・ボウイ)の徹底解説まとめ

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プレステージ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

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『プレステージ』とは2006年に公開されたアメリカの映画である。監督はクリストファー・ノーラン。主演をヒュー・ジャックマンとクリスチャン・ベールが務める。第79回アカデミー賞において撮影賞と美術賞にノミネートされた。1995年に発売されたクリストファー・プリースト作の小説『奇術師』が原作となっており、2人の奇術師による因縁の戦いが描かれている。彼らのショーの舞台裏で起きていることを観客は知らない。映画には様々な仕掛けが施されており、人知を超えた世界へと誘われていく。

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デヴィッド・ボウイ / David Bowieのレビュー・評価・感想

デヴィッド・ボウイ / David Bowie
8

80年代を通してみるボウイの「特異性」

「Never Let Me Down(1987)」はデヴィッド・ボウイの16枚目となるスタジオアルバム。
80年代はデヴィッド・ボウイの全盛期であり、その後90年代まで続く迷走期の始まりでもある。
当作はその迷走期の象徴的な作品だろう。
70年代のカルトスターとしてのキャリアを一旦畳んだボウイは「Let‘s Dance(1983)」にてポップ・スターとして生まれ変わる。
しかし、次作「Tonight(1984)」にてオーディエンスの失望を買い、当作でボウイの音楽性に対する評価の低下は決定的になる。
そんなアルバムだからこそ、真のデヴィッド・ボウイファンが聞くべき作品でもある。
軽薄なドラムサウンド、歪んだギターサウンド、ありきたりなコーラスはまさに当時の音楽の流行に乗っかった物だし、
ギラついた衣装、ド派手な舞台装置、80年代の産業ロックミュージックを代表するかのようなボウイの出立ちは、
まるでアメリカン・ロックの全盛期とその背後の腐敗を表しているようだ。
常に世相の鏡のような存在だったボウイを通してその世界を垣間見ることができる。
キャリアにおいて常に“変化“を求め続けたボウイの特異性を80年代のキャリアから見出すことができるだろう。

デヴィッド・ボウイ / David Bowie
10

変幻自在のカルトスターにしてスーパースター

60年代末から亡くなる2016年まで、約50年にわたり活躍した、イギリスが誇るロックスター。

全盛期と言われる70年代の作品が注目されがちですが、後期の作品にも素晴らしいものがたくさんあります。
特に2013年発表の『ザ・ネクスト・デイ』と晩年の2016年に発表した『ブラックスター(★)』は、70年代の傑作にも匹敵するくらいの出来ではないかと思います。
『ザ・ネクスト・デイ』は全体的に快活でストレートなロックアルバムという印象ですが、歌詞をよく読むとボウイの思想の深さが垣間見えます(ラストを飾る『Heat』という曲には、なんと三島由紀夫の小説『豊饒の海』の一場面を連想させる歌詞が登場します)。
『ブラックスター』は、現代ジャズの要素を取り入れた非常に実験的なアルバムです。
それでいてキャッチーさや美しいメロディも随所にあり、決してリスナーを置いてきぼりにはしません。
死の直前まで音楽のスタイルを変え続けるあたり、さすがデヴィッド・ボウイ!という感じです。

80年代(特に83年に『レッツダンス』を発表して以降)のボウイは、商業主義に走り過ぎ、芸術面では低迷したとしばしば言われます。
確かにそういう面もなくはないのですが、当時の作品を改めて聴き返してみると、楽曲単位のクオリティは決して落ちていなかったのでは、と思います。
特に『ラヴィング・ジ・エイリアン』や『アブソリュート・ビギナーズ』は鳥肌モノです。

とはいっても、やはり70年代の作品も最高です。
ロック史の名盤でもある『ジギー・スターダスト』(72年)はもちろん、個人的には『ステイション・トゥ・ステイション』(76年)も最高にファンキーで大好きです。

これほど音楽性を変え、ときにはキャラクターも変えながら、第一線で活躍し続けたミュージシャンはなかなかいないのではないでしょうか。
カルト的な人気を持っていた70年代から、大衆的な人気を獲得していく80年代以降へ、という過程を追うのも楽しいと思います。

デヴィッド・ボウイ / David Bowie
10

ボウイはその存在こそが1つのジャンルなのだ

1947年生まれ、2016年没。イギリス出身のロック歌手、という紹介だけでは語ることができないくらいに様々なことをやってきて、亡くなってからも多くのミュージシャンに影響を与え続けている。音楽的な活動は、フォークロックから始まり、ニルヴァーナのカート・コバーンがカバーしたことで有名になった「世界を売った男」を含むサイケデリックロック。そして山本寛斎とのコラボレーションから生まれたグラムロック。その後、ソウル、ファンク、ニューウェイブ、ポップス、ジャズ、ドラムンベース、そして最終的にロックへと回帰する。その音楽的な遍歴をたどるだけでも相当の時間を要する。
また、プロモーションビデオというものにもいち早く取り組み、1972年の時点で先鞭をつけている。だが、ボウイのプロモーションビデオが本格的になったのはニューウェイブの時代、いわゆる「ベルリン三部作」の時代からである。その頃から独創的なビデオを撮り始め、1980年の「Ashes to Ashes」は当時としては破格の金額をかけ、その後のMTV時代へと突入していくためのきっかけとなった。
また、ボウイには映画俳優としての顔もあり、「地球に落ちて来た男」「戦場のメリークリスマス」「ラビリンス」など、その存在感を十二分に発揮している。とにかく、ボウイを語るには一つのジャンルだけで語ることは難しい。あまりにも彼の仕事が広大すぎるからだ。だからといって、全部を知る必要はない。気になるものから触れていけばいいのだ。ボウイは彼自身が一つのジャンルであるのだから。ただし、一旦触れればそこには広大な世界が広がっている。それだけは覚悟して欲しい。

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