涙なしでは見られないのに、見終わった後はすごく爽快な気分にさせてくれる!
主人公はオギー・プルマンという10歳の少年です。遺伝子疾患のため、人とは違う見た目で生まれてきたそんな彼と彼を取り巻く人達を描いた実話を基にした映画です。
この映画は、非常に重たいテーマであるにも関わらず、映画の最初から最後までそんな重苦しさを一切感じさせない魅力があります。映画の冒頭は彼が宇宙飛行士のヘルメットをかぶっているところから始まります。そして、そのヘルメットを脱いだとき彼の「他のことは違う見た目」を初めて見ることになるのです。
最初は、思わず「えっ」と思ってしまった事は否定しません。どう言葉にすればいいのか難しいのですが、嫌悪したとかそんな事ではなくただただ純粋におどろいてしまったのです。「人の顔はこう」という先入観がそこで一気にぶち壊されます。
学校に通うことになり、10歳になって初めて触れる外の世界に対して、精一杯生きるオギーの姿に終始圧倒されてしまいました。オギーの初登校の際、彼が歩く道は生徒が一斉に距離をとったために、まるでモーゼの十戒の如く人の道がわれるのですが、そんな彼らを責めることなんて自分にはできません。だって、自分だって実際にその立場だったらとっさにそんな風に思ってしまうだろうというのは想像に難くなかったからです。そして、そんな彼らの反応がしょうがない事を誰よりもオギーが認めていたからです。
決して、望んでそう思ったわけではないでしょう。そうする事で、自分がこれ以上傷つかないように彼の防衛本能がそうさせていたのでしょう。そう考えるだけで、胸がしめつけられるような思いでした。
でも、そんな中でも友達ができ、他の子供達と同じように友達と喧嘩したり、少しずつ普通の子供らしさを取り戻していくオギーの姿は、本当にまぶしかったです。
まだ見ていないという方は是非騙されたと思ってみてください。懸命に生きるオギーの姿にきっと心揺さぶられるはずですから。