グロテスクだけど泣けるマンガ
『彼岸島』は、「グロテスク」だが「泣ける」マンガでもある。
吸血鬼ウイルスに感染した人間との殺し合いが描かれており、大変グロテスクで、残酷なシーンが多い。しかし、友人同士や兄弟同士の殺し合いでは、「今まで言えなかった気持ち」や「最期の言葉」があり、涙なしでは読めないシーンがあるマンガなのだ。
主人公の「宮本明」は、妄想癖のある弱々しい高校生で、行方不明になった兄貴を探すため、友人達とともに彼岸島へ行く。しかし、すでに島民のほとんどが吸血鬼ウイルスに感染し、吸血鬼になっていたのだ。
なぜ、吸血鬼ウイルスというものが存在するのかというと、主人公の兄貴「宮本篤」が、婚約者とともに訪れた彼岸島の神社に封印されていた吸血鬼のボス「雅」を、悪ふざけで封印を解いてしまうという失態のせいだった。兄貴のとんでもない失態のせいで、婚約者が「雅」に強姦されたあげく、吸血鬼にされてしまうシーンは、作品の見どころのひとつである。
主人公の「宮本明」は、彼岸島で「師匠」に出会い強い男に成長していく中、兄貴もまた、彼岸島で戦う術を身に着け強くなっていく。しかし、兄貴は吸血鬼ウイルスに感染してしまうのだ。「師匠」の教えで吸血鬼になった人間は殺さなければならないルールがある。兄弟同士の殺し合いはとても残酷でグロテスクなのだが、死直前の兄貴の行動にはグッとくる。
是非読んでほしいマンガのひとつである。