彼岸島 / Higanjima

彼岸島 / Higanjima

『彼岸島』とは、松本光司による青年漫画、およびそれを原作としたゲーム、ドラマ、映画などのメディアミックス作品である。講談社の『週刊ヤングマガジン』にて、2002年49号から2010年32号まで連載された。単行本は全33巻。
宮本明(みやもと あきら)は数年前に彼岸島で行方不明になった兄・篤(あつし)を捜すため、友人と共に彼岸島に渡った。しかしそこは吸血鬼が跋扈する地だった。明は兄を捜し出し、本土に連れ帰るために奮闘する。
テレビドラマは2013年10月25日から12月27日まで放送された。白石隼也、鈴木亮平のダブル主演。2010年と2016年に実写映画化されており、2010年版は監督はキム・テギュン、出演者は石黒英雄、渡辺大、水川あさみなど。2016年版は『彼岸島 デラックス』のタイトルで、2016年10月15日に公開された。監督は渡辺武。2013年に放送されたドラマ版に続き、白石隼也と鈴木亮平がダブル主演を務めている。

kazuhia2のレビュー・評価・感想

彼岸島 / Higanjima
8

グロテスクだけど泣けるマンガ

『彼岸島』は、「グロテスク」だが「泣ける」マンガでもある。
吸血鬼ウイルスに感染した人間との殺し合いが描かれており、大変グロテスクで、残酷なシーンが多い。しかし、友人同士や兄弟同士の殺し合いでは、「今まで言えなかった気持ち」や「最期の言葉」があり、涙なしでは読めないシーンがあるマンガなのだ。
主人公の「宮本明」は、妄想癖のある弱々しい高校生で、行方不明になった兄貴を探すため、友人達とともに彼岸島へ行く。しかし、すでに島民のほとんどが吸血鬼ウイルスに感染し、吸血鬼になっていたのだ。
なぜ、吸血鬼ウイルスというものが存在するのかというと、主人公の兄貴「宮本篤」が、婚約者とともに訪れた彼岸島の神社に封印されていた吸血鬼のボス「雅」を、悪ふざけで封印を解いてしまうという失態のせいだった。兄貴のとんでもない失態のせいで、婚約者が「雅」に強姦されたあげく、吸血鬼にされてしまうシーンは、作品の見どころのひとつである。
主人公の「宮本明」は、彼岸島で「師匠」に出会い強い男に成長していく中、兄貴もまた、彼岸島で戦う術を身に着け強くなっていく。しかし、兄貴は吸血鬼ウイルスに感染してしまうのだ。「師匠」の教えで吸血鬼になった人間は殺さなければならないルールがある。兄弟同士の殺し合いはとても残酷でグロテスクなのだが、死直前の兄貴の行動にはグッとくる。
是非読んでほしいマンガのひとつである。