96時間

96時間のレビュー・評価・感想

96時間
8

圧倒的な緊張感と父親の愛が交錯するアクションスリラー

映画「96時間」は、父親の愛がいかに強力な原動力となりうるかを描いた、息を呑むようなアクションスリラーです。主演のリーアム・ニーソンが演じる元CIA工作員ブライアン・ミルズは、娘を救うために壮絶な戦いに身を投じます。物語はシンプルながら、その緊張感とアクションシーンが観る者を圧倒し、最後まで目が離せません。
物語は、ブライアンの17歳の娘キムが友人とパリに旅行に出かけるところから始まります。しかし、彼女は現地で人身売買組織に拉致され、ブライアンの人生は一瞬にして暗転します。娘が誘拐されるシーンでの電話越しのブライアンの「必ず見つけ出す」という言葉は、この映画の象徴的な瞬間であり、ニーソンの演技が持つ圧倒的な説得力に拍手を送りたくなるほどです。
ニーソンの演じるブライアンは、元CIAの工作員としての高いスキルを駆使しながら、パリの裏社会に単身で潜り込んでいきます。この過程で、映画は息をつく暇もないほどのアクションを次々と展開し、観ている人はブライアンとともにパリ中を駆け巡るスリルを体感します。特に、格闘シーンや銃撃戦は非常にリアルで、緊張感があります。また、ブライアンが自分の使命に突き進む理由は非常に個人的かつ感情的であるため、単なるアクション映画にとどまらず、彼の父親としての愛情が心に深く響いてきます。
映画が人身売買の問題を背景にしている点も見逃せません。パリの地下社会を描くことで、現実世界での暗い側面に光を当てています。社会的なメッセージは直接的ではないものの、映画を観終わった後には、人身売買の恐怖や、被害者家族の絶望感について考えさせられます。
「96時間」は、圧倒的なアクションと父親の愛を中心にしたエモーショナルな物語が融合した作品です。スピード感あふれる展開と、ブライアンの執念深い追跡が描かれ、最後まで観ている人を飽きさせません。アクションファンはもちろん、感情的なストーリーを楽しみたい人にもおすすめの1本です。

96時間
7

娘を救うため最強の父親は立ち上がる

「96時間」は、リーアム・ニーソン、ファムケ・ヤンセン、マギー・グレイスなどが出演するアメリカアクション映画。脚本はリュック・ベンソン、代表作が「レオン」で有名だ。

パリへ旅行に行った娘から電話が来るところから、物語は始まる。父親のブライアンは電話に出るも、娘が突如誘拐される。元CIA捜査官であるブライアンは娘の助かる時間が迫る中、身につけた技術を使い奮闘していく。

本作における良さを3点、紹介する。
1つ目は、主人公ブライアンが戦いのスペシャリストとして大活躍すること。銃撃戦や肉弾戦がド派手に展開される描写や、元CIA捜査官という設定からキャラクターの強さが活かされ、見応えがある。
2つ目は容赦がないこと。アクション映画の良さと前述の戦いが相まって、次から次へと出てくる敵への攻防が飽きを感じさせず、スカッとしたい方におススメだ。同じくアクション映画であるデンゼル・ワシントン主演、「イコライザー」がお好きな方にも本作は一押しできる。
そして3つ目は主人公ブライアンの娘への愛。助けたいが一心で戦いの場に飛び込む姿は。緊迫した状況を作り出し、手汗握る映画体験ができる。

アクションだけに終わらない、ヒューマンドラマ要素が含まれた映画である。

96時間
8

最強の親父、ここにあり。

・あらすじ
娘に邪見にされる、平凡な父親(ブライアン)。ある日、娘のキムが、友人とパリへ旅行に行きたいと、ブライアンの元を訪れる。しかし、娘のことが心配なブライアンは、定期的に電話をすることで渋々了承。
しかし、旅行中の電話の際にキムが何者かに誘拐される。元工作員のブライアンは娘のために、パリへと経つ…
果たしてブラインは娘を取り返すことができるのか。

・レビュー
本作品はタイトルの96時間という限られた時間の中、元工作員のスキルを駆使し、娘を救出しにいきます。この時間制限が視聴者にも緊張感を与えて、映画に没頭できる要因となっています。また、娘を追うためにあらゆる手段で手がかりをつかもうとするため、よそ見できる瞬間がありません。ガンアクションはもちろん、カーアクションも見応えバッチリです。

また、ブラインをを演じているのがリーアム・ニーソン。この映画は3作シーリズ化されており、どのシリーズでも娘のため、家族のためにかっこいい親父が奮闘します。さらにリーアム・ニーソンの哀愁からも、娘を思う親父心には、惹かれるでしょう。アクション映画好きにはもちろん、おすすめ。アクション映画が苦手な方にとっても、家族愛を感じることができる点をおいてはおすすめできる作品です。

96時間
9

最高に爽快なアクション映画

本作はリュック・ベッソン監督の当たり作品である。
主人公であるブライアンは、妻に離婚され、最愛の娘の親権まで奪われている中年のオヤジだ。
序盤はブライアンがいかに元妻や娘に疎まれていて、必要とされていないかが徹底的に描かれる。
だが、これは伏線なのだ。
序盤が終わり、パリに旅行へ言った愛娘が誘拐された途端、ブライアンは元諜報部員という別の顔を露わにする。
そこからの爽快感は復讐系アクション映画に求める、全てが詰まっていると言っていいだろう。
「96時間」という娘を救い出せるタイムリミットが功を奏し、ブライアンは一切の無駄も容赦もなく誘拐犯を追い詰めていく。
屈強な誘拐犯との格闘や銃撃戦は勿論、時には拷問まで冷徹に実行する。
挙句の果てには、情報を出し渋る友人の妻を銃撃し友人の口を割る、という行き過ぎなシーンまで飛び出してくるのだ。
序盤で冴えないオヤジだったブライアンと、誘拐が起こってからのブライアンは別人のごとく執拗で暴力的だ。
だが、この映画のテーマはそこに有るのだろう。
いつも妻と娘に疎まれている父親。
それが娘のピンチには雄々しく立ち上がり、家族を助ける。
このギャップが、何とも男性的な爽快感を視聴者に与えるのだ。
そんな訳で、今作はアクション映画に夢中になりたい、スッキリした気分になりたい、という人におすすめな快作である。

96時間
10

家族愛に溢れた最強なお父さん

離婚をきっかけに、年に一度の誕生日を祝う事が人生で唯一の楽しみの主人公ブライアン。ブライアンが愛する一人娘は、いつしか大人になり、好みややりたい事が増えていく中で、友達のと海外旅行を計画する。世界の怖さを知る元CIA工作員のブライアンは頑なに反対をするが、元妻や娘に押し切られ旅行へ送り出す。友達との初旅行で楽しい旅になるはずが、旅先で出会った男により拉致されてしまう。拉致間際に娘と会話をしていたブライアンは、悲しさや悔しさを抱えながら、仕事で身に付けたありとあらゆる知識を振り絞り、ほんの小さな手がかりから愛する娘を助け出そうと奮闘する。元同僚の助けや手がかりから、娘は人身売買を目的とした大きな組織に拉致された事が判明する。娘が人身売買され、助けだせなくなってしまうまでの時間は96時間。これが映画のタイトル。テンポよく進むストーリー構成や、主人公ブライアンの頭の切れ具合、躊躇なく闘う姿、愛する娘を必ず助け出すという執念、全てにおいて人を惹きつける作品。こんな強くて頼もしく、頼り甲斐のあるお父さんが本当にいたら、どんなに幸せなことか。そんなことも想像しながら観れるおすすめの映画です。