ガン×ソード(GUN×SWORD)のネタバレ解説・考察まとめ
ガン×ソードとは谷口悟朗監督によるオリジナルTVアニメーション作品である。2005年7月4日から12月26日までテレビ東京で放映された。物語は主人公である流浪の男・ヴァンが行方不明の兄を探しているヒロインのウェンディや街で呑んだくれているヒーローの老人達らと出会いながら、恋人・エレナを殺害した鉤爪の男を追い、最終的には復讐を果たすという内容になっている。
『ガン×ソード』の概要
2005年7月4日から12月26日までテレビ東京系列で放送されたテレビアニメ。全26話。監督は『コードギアス反逆のルルーシュ』で有名な谷口悟朗監督、脚本には『R.O.D -READ OR DIE-』や『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』でシリーズ構成を務めた倉田英之が起用されている。今作のキャッチコピーは「痛快娯楽復讐劇」となっている。
設定やキャラクターの性格が異なる漫画版も存在するが、基本的に原作はテレビアニメ版を指すことが多い。
『ガン×ソード』のあらすじ・ストーリー
宇宙の吹き溜まりの惑星「エンドレス・イリュージョン」。恋人の敵であるカギ爪の男を探す主人公・ヴァンは旅の途中に寄った街で行方不明の兄を探す少女・ウェンディと出会う。ヴァンはヨロイと呼ばれるロボットの中でも初期に造られたオリジナル7専用ヨロイ、その内の1機である『ダン・オブ・サーズデイ』を駆って街のピンチを救う。このことをきっかけに共に2人は旅を共にすることとなる。
その後、かつてヨロイ乗りであったエルドラチームが街を守るために戦っているところに助太刀をしたり、情報屋のカルメン99と街の問題を解決したりしながらカギ爪の男の足取りを追っていた。そんな中、同じくカギ爪の男を狙うレイ・ラングレンに出会う。彼もまたヴァンと同様に最愛の妻であるシノを殺害されており、復讐のために追っていた。どちらがカギ爪の男を倒すかで口論になるも無人のヨロイに突如襲われ、2人で協力し撃破に成功する。レイと別れた後には彼の弟であるジョシュア・ラングレンにも遭遇、ジョシュアはレイの足取りを掴むためヴァン達と行動を共にする。
そして、ついにカギ爪の男との接触に成功するがその前に6機のオリジナル7専用ヨロイを操る『新生オリジナル7』が立ちはだかる。その中にはウェンディの兄であるミハエル・ギャレットの姿もあった。
強力なヨロイ達と奮戦を続け、オリジナル7専用ヨロイである『ディアブロ・オブ・マンデイ』『メッツァ・オブ・チューズデイ』『シン・オブ・フライデイ』『セン・オブ・サタデイ』を倒していくヴァン一行。しかし、その裏ではカギ爪の男が自らの思想を全人類に遺伝子レベルで植え付けるという『幸せの時』計画を進めており、ミハエル・ギャレットはオリジナル7専用ヨロイの中でも最も高性能な機体である『サウダーデ・オブ・サンデイ』を操り、裏切り者の排除や計画の遂行をおこなっていた。その計画を知ったヴァン達は旅の道中で知り合った仲間たちとともに計画を阻止するために動き出す。ところがヴァンが戦闘している最中に『ダン・オブ・サーズデイ』を収納している人工衛星を計画遂行中の『サウダーデ・オブ・サンデイ』が破壊してしまい、『ダン・オブ・サーズデイ』が自動修復できなくなってしまう。ヴァンは『ダン・オブ・サーズデイ』を修復するため戦線を離脱、宇宙へと向かう。
ヴァンが宇宙へ行っている間も計画の阻止のためにヴァンの仲間達とレイ・ラングレンは行動し続けた。計画を阻止するための戦闘ではレイ・ラングレンの死という犠牲を払いつつも計画を遅延させることに成功させる。その間にヴァンが宇宙から帰還、計画を阻止することに成功する。その後、ヴァンはカギ爪の男と一騎打ちとなり、見事勝利する。最後は躊躇することなくカギ爪の男にとどめを刺した。
『ガン×ソード』の登場人物・キャラクター
ヴァン
CVは星野貴紀。数々の異名を持つヨロイ乗り。カギ爪の男の組織からは旧オリジナル7の欠番メンバーであったことから「欠番メンバー」と呼ばれることがある。
恋人であるエレナをカギ爪の男に殺され、復讐のために旅をしている。エレナと共にカギ爪の男に重症を負わされておりその際に改造手術を受けている。テンガロンハットにタキシードという服装を常時しているが、これはエレナとの結婚式の際の服装である。オリジナル7専用ヨロイ『ダン・オブ・サーズデイ』を操ることが出来る。
ウェンディ・ギャレット
CVは桑島法子。ヴァンとともに旅をし、兄であるミハエル・ギャレットを探す少女。13歳。
両親は死んでおり、叔父も亡くなった後は兄と2人で暮らしていたため兄との絆は非常に深い。兄の持ち物である銃を常に背中に装備しており、後にこの銃は「兄の思惑と関係なく自分の考えで前へ進む」というウェンディの意志を表すシンボルとして描かれる。ペットとして亀の「カメオ」を飼っている。
カルメン99
CVは 井上喜久子。本名はカルール・メンドゥーサ。23歳。女情報屋で謎多き女性。「タンダー」と呼ばれるホバースクーターを使ってさまざまな地域の情報を集めている。
ヨーヨー状の武器を持っており、戦闘時はこれで応戦する。金に強い執着をもち、金目と思われるものは持ち帰っている。通り名の「99」 については、99cmのバストをもつ、99の謎をもつ等のいわれがあるらしい。
レイ・ラングレン
CVは櫻井孝宏。武士のような身なりで、腰に刀の形をした銃を携える精悍な顔つきの青年。妻であったシノをカギ爪の男に殺されたため、ヴァンと同様にカギ爪の男への復讐を誓っている。
基本的に冷徹な性格であるが、弟であるジョシュアに対しては優しい一面も見せる。シノが設計したヨロイ「ヴォルケイン」を操り、地中を移動しながらカギ爪の男を探している。
ヴァンが宇宙に行っている間、カギ爪の男への復讐を果たすためにヴァン一行と共にカギ爪の男を強襲する。その結果、一騎打ちとなり満身創痍で放った銃弾はカギ爪の男の『「幸せの時」を成功させる』という夢を阻止した。その後、カギ爪の男の手下に撃たれ死亡した。
ジョシュア・ラングレン
CVは野田順子。レイの弟で、唯一の肉親。ウェンディと同じく兄を追って旅にでており、ヴァン達と行動を共にする。非常にマイペースな性格である。
また掃除が得意なため「ピカピカジョッシュ」の異名を持つが本人は好きなわけではなく、仕方なくしているらしい。ヨロイの開発に携わっていたことがあり、ヨロイの知識が豊富である。
カギ爪の男
CVは堀内賢雄。本名はクー・クライング・クルー。「幸せの時」計画を進めるリーダー的存在であり、ヴァンの恋人であるエレナとレイの妻シノを殺した張本人である。
部下にとっては崇拝の対象であり、「同志」 と呼ばれている。右腕がカギ爪の義手となっており、この腕が「カギ爪の男」と呼ばれている理由である。
性格は一見温厚で柔和、誰に対しても子供に語りかけるかのような優しい口調で喋る。気に入った人間には声をかけ、「幸せの時」計画を進めるメンバーへと勧誘する。怒りの感情が欠落しているのか、劇中で怒った描写はひとつもない。
自身のように感情を捨てれば争いが無くなると信じており、「幸せの時」計画を実行するために行動している。