ガングレイヴ(GUNGRAVE)のネタバレ解説・考察まとめ

『ガングレイヴ』とは、2002年に発売されたガンアクションゲーム、およびそれを原作とした2003年放送のテレビアニメ。雪降る夜、母を殺された少女ミカが巨大マフィア・ミレニオンを倒すため、死神グレイヴの元へ辿り着くところから物語が始まる。
アニメはゲーム版の設定を大きく補填した独自展開が特徴で、前半の大半はグレイヴのかつての姿であるブランドンと親友ハリーの絆や、組織での生き様を描く過去編にあてられている。硬派な人間ドラマやスタイリッシュなアクションが話題を呼んだ。

『ガングレイヴ』の概要

『ガングレイヴ』(GUNGRAVE)とは、2002年7月18日にレッド・エンタテインメントから発売されたPlayStation 2用ガンアクションゲーム、およびそれを原作としたテレビアニメ作品である。アニメは2003年10月から2004年3月にかけて、テレビ東京系列などで全26話が放送された。アニメ版『トライガン』と原作、音楽家、脚本家、制作会社、放送局などの多くが共通していることでも知られている。

物語は雪の降りしきる大都市の裏路地から幕を開ける。巨大マフィア組織ミレニオンによって母を殺された少女・浅葱ミカ(あさぎ ミカ)は、傷付きながらも母に託された銃ケルベロスを引きずり、ある人物の元を目指して辛うじて辿り着く。そこにはDr.Tとビヨンド・ザ・グレイヴという男がおり、ケルベロスを手にした死神・グレイヴは、かつて自身が所属していたミレニオンを破壊し尽くすべく立ち上がる。

アニメの大筋の展開や基本設定はゲーム第1作目を踏襲しているが、原作を大幅に補填しつつゲームとは異なるアニメ版独自のストーリーとして構築されている。特に全26話のうち半数以上を主人公のグレイヴがブランドンとして生きていた頃を描く過去編が占め、組織のなかで相棒かつ親友だったブランドンとハリーが共に成り上がっていく絆と、それが次第に狂い始めていく過程を丁寧に描き出す。
その硬派で熱い作風から、ネット上では男性向けの必修作戦として語り継がれるスラングも生み出された。また、結末は独自の完結を迎える形となっているが、その後のシリーズ作品にはアニメ版の設定が一部逆輸入されるなど、作品全体に大きな影響を与えている。スタイリッシュなガンアクションと重厚な人間ドラマが融合した作品である。

『ガングレイヴ』のあらすじ・ストーリー

復讐の幕開けと死神の復活

雪の降りしきる大都市の裏路地を、傷付きながらも巨大なアタッシュケースを引きずる少女・浅葱ミカ(あさぎ ミカ)がいた。彼女は巨大マフィア組織ミレニオンによって母を殺され、その母に託された銃ケルベロスを手にある人物の元を目指していた。辛うじて辿り着いた場所には、Dr.Tとビヨンド・ザ・グレイヴという男がいた。
ブランドン・ヒートが親友のハリー・マクドゥエルに裏切られて命を落としてから13年後、死体溶解によって蘇ったビヨンド・ザ・グレイヴは、ケルベロスを手に、かつて自身が所属していた組織ミレニオンを破壊し尽くすべく復讐の旅に立ち上がる。

ブランドンとハリーの成り上がりと絆

物語はその後、ブランドンの青春時代へと遡る。若き日のブランドンとハリーは、底辺の生活から抜け出すために裏社会へと足を踏み入れ、確固たる絆で結ばれた相棒同士として数々の修羅場をくぐり抜けていく。組織の中で頭角を現した二人は、血と暴力の世界を駆け上がりながら、ミレニオンのなかで絶大な権力を持つまでに成り上がっていく。仲間たちとの出会いや別れを経験しながら、共に頂点を目指す姿が重厚に描かれる。

組織の崩壊と悲劇的な結末

固い絆で結ばれていたブランドンとハリーの関係は、組織の巨大化と権力を巡る野望の歪みによって次第に狂い始めていく。それぞれの信念や立場がすれ違い、かつての親友同士は避けられない決裂と敵対の運命へと導かれていく。二人が行き着いた果てにある悲劇的な対立と、組織を巡る壮絶なドラマが、シリーズの原点である死神の復讐劇へと美しく収束していく。

『ガングレイヴ』の登場人物・キャラクター

主要人物

ビヨンド・ザ・グレイヴ / ブランドン・ヒート

ブランドン・ヒート

ビヨンド・ザ・グレイヴ
ブランドンの死後、守るべき者のため戦う為、人口改造された姿。

CV:関智一
シリーズの主人公であり、ミレニオンに狙われていたミカを守るために13年の眠りから目覚めた死人。ネクロライズ(死者蘇生術)を受けており、屈強な肉体と不死身とも言える再生能力、そして「死神」の異名を持つ。その代償として記憶と感情を失っており、一切言葉を発しないが、「ミカを守る」という強い意志と、仲間を思う優しい心は常に生き続けている。
感情が無いにも関わらず見栄ポーズを本気で格好いいと思っているようなコミカルな一面や、ケルベロスを用いてガンスピンを行う仕草をしばしば見せる。大型の二丁拳銃ケルベロスと様々な武装を搭載した棺桶を振り回し、まるで重戦車のようにパワフルに戦う。死人兵士の特性上、定期的に全身の血液を全て交換しなければならない。
本名はブランドン・ヒートであり、生前はミレニオンに所属する凄腕の殺し屋だった。生前を知る者からはブランドン、舎弟関係の文治からは兄貴と呼ばれる。寡黙で無口だが非常に仲間思いの優しい性格で、ミカの母親であるマリアとは両想いの関係だったが、彼女の幸せを願って自ら身を引いた。
ハリー・マクドゥエルとは子供のころ孤児院で知り合って以来の親友同士であり、ハリーを頂点に立たせると言う目標とミレニオンの為に尽力していた。しかし、ハリーの裏切りに気付きつつも彼を信じたいと言う思いから協力していたが、ビッグダディを殺して組織を奪おうという誘いを拒んだ為に激昂したハリーに射殺される。
死後にネクロライズを施す事をDr.トキオカに依頼しており、その望み通り墓場を超えてきた男としてビヨンド・ザ・グレイヴの名を与えられて蘇った。無印の終盤では僅かながらブランドンだった頃の記憶と感情を取り戻し、ミレニオンの因縁に決着を付けた後はミカと共に旅立つ。
アニメ版では死人になる前の過去エピソードが多数描かれ、死人兵士になった後もミカに対して優しさを見せ、敵対する嘗ての仲間にも非情になりきれない繊細さを覗かせるなど完全には感情を失っていない。生前も死後も無口という点は変わらないが、ゲーム版と違って喋ることがある。
Dr.Tの死後はメンテナンスを受けられなくなった事で肉体が硬化を始め、ミカに止められながらも戦い続ける。四天王打倒後は青春を過ごしたスラム街にて追われる身となったハリーと対峙し、ハリーの豪語する野心を裏切りと一蹴しつつも彼を殺せず、追手を切り抜ける為に共に力尽きるまで戦い抜き、最期は自由な時間に還る為にハリーと互いに銃を向け合う。ラストシーンではミカが涙を流して終わるが、生死は明確には描写されていない。

浅葱 ミカ(あさぎ ミカ)

浅葱ミカ

CV:川上とも子(初代、O.D.) / 佐久間紅美(アニメ、VR、G.O.R.E)
ミレニオンのボスであるビッグダディの忘れ形見であり、シリーズのヒロイン。最初は何も知らない無力な子供だったが、やがてビッグダディの後継者として心身ともに大きく成長していく。その心の芯は強く、決して折れることはない。グレイヴへの信頼は厚く、グレイヴが瀕死となった際には自分の命を顧みず血を全て捧げようとしたほどである。
14歳までは母マリアと執事トキオカと逃亡先にて平穏に暮らしていたが、組織に追われてDr.Tの弟とビヨンド・ザ・グレイヴを頼る。マリアより託されたケルベロスをグレイヴに渡すため、必死の逃亡劇の末にDr.Tのアジトまで辿り着き、以降はアシスト役として行動する。ミレニオン崩壊後はグレイヴと共に旅立つ。
アニメ版ではグレイヴに対して好意を覗かせたり明るい性格も見せ、グレイヴの肉体に限界が迫った際には復讐を諦めてまで止めようとするも止められず、最後の戦いの舞台となったスラム街でグレイヴの元に辿り着いた所で物語が終わる。

ガングレイヴ

ハリー・マクドゥエル

ハリー・マクドゥエル

CV:磯部勉(青年期:浜田賢二)
主人公ブランドンの孤児院時代からの親友であり、ブラッディ・ハリーとも呼ばれるミレニオンのボス。ブランドンと同じくミレニオンに拾われ、その突出した頭脳と野心が彼を組織のトップへと押し上げる。直属の部下として四天王を従え、町の各所にオーグマン部隊を配備し支配地域を広げていたが、ブランドンの存在によってその牙城は崩壊していく。
ブランドンとはかつて共に上へ上がろうとした戦友だが、考えの違いから対立して自らの手で殺す。その後は強引なやり方でビッグダディからボスの座を奪い、ミレニオンを掌握してからはビッグダディに関連する人物を全て抹殺しようとする。「まだだ...まだ足りない...もっと上に、もっと上に」というセリフに異常なハングリーさを感じさせる。
アニメ版ではミレニオンに入る前は町のチンピラで、とある事件でブランドン以外の仲間を失いミレニオン入りを志願する。当初は自由を愛する仲間想いの青年だったが、組織入りしてからは権力に固執するようになり、「好きなだけ奪い、好きなだけ与えられる」事を真の自由と認識し、手段を選ばなくなっていく。その頭脳とカリスマ性で組織から信頼と力を得るが、裏では組織を裏切りボスの座を狙っており、密かにネクロライズ計画を推進していた。ベアの娘であるシェリーには最初は打算から近付いたが、最終的には本物の愛情が芽生えていた。
四天王が倒された後は反目する幹部のクーデターにより組織を追われ、最愛の妻シェリーまで失い、スラムへと逃げ延びた末にグレイヴと遭遇する。どん底まで落魄れても悪びれず己が野心を語り、追手を切り抜ける為に共闘し最後は致命傷を負う。ブランドンの本心を知った事で自分の過ちを悔い、慟哭する。

ビッグダディ / 浅葱(あさぎ)

ビッグダディ

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