SHIROBAKO(シロバコ)のネタバレ解説・考察まとめ

2014年10月~2015年3月に放映された日本のオリジナルテレビアニメーション作品。P.A.WORKS制作、監督は水島努。同じ高校のアニメーション同好会でアニメを作っていた、あおい、絵麻、しずか、美沙、みどりが、いつか共にアニメを作るという夢を抱えながら、それぞれの道で懸命に奮闘するアニメーション業界の日常を描いた群像劇である。全24話。

劇中劇

『えくそだすっ!』

武蔵野アニメーションが7年ぶりに元請となって制作した全13話のテレビアニメ。監督は木下誠一。あかね、あや、あるぴんで構成される売れないアイドルグループの「トレーシー」がマネージャー殺しの犯人と疑われ、警察からひたすら逃亡するというストーリー。この作品の制作過程を描くことが、本作前半の主軸となっている。

『第三飛行少女隊』

野亀武蔵により『月刊トップス』に連載されている人気漫画。4年前に突如現れ世界を侵攻する謎の敵「ビルダー」に立ち向かう天才女性パイロットたちが描かれている。武蔵野アニメーションによってアニメ化された。監督は木下誠一。全13話。複数のアニメ制作会社から映像化の申し出がきていたが、ナベPらの働きにより武蔵野アニメーションが映像化権を獲得。この作品の制作過程を描くことが、本作後半の主軸となっている。

『SHIROBAKO』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「上手くいかないことを人のせいにしているようなヤツは辞めちまえよ!」

3DCGに押される2D作画の現状を憂い酒の席で愚痴る遠藤に向けて、巨匠アニメーター北野が2Dだろうと3Dだろうと大事なことはアニメのクオリティをどう高めていくかだと諭すシーン。タローの雑な調整によって原画マンとしての誇りをないがしろにされたと感じた遠藤が、自身の仕事に対する姿勢を見つめなおすきっかけになる。

「ただがむしゃらに、ひたすら前に進んでた。やりたい事をやり続けていた。そして気が付くとこの年になってた。それだけさ。」

社長がアニメを続けてきた理由を端的に語るシーン。
大それた理由ではなく、シンプルな表現に社長の人柄が表れている。

「僕は僕より上手い人間が、わずかな自意識過剰やつまらない遠慮のせいで、チャンスを取りこぼしてきたのを何度も見た。惜しいと思うよ、未だにね。」

最終回の重要なカットを依頼されるも、責任の重さから引き受けるか悩む絵麻に杉江が言った一言。
チャンスをものにするのも才能の一つ。絵に関する絵麻の実力を認め、なおかつ絵麻の性格も知った上での杉江の経験から来る深い助言。
絵麻が自身の引っ込み思案な性格を克服するきっかけになる。

「ダイちゃんはバカじゃないよぉ」

アニメの専門学校を卒業後最初に就職した会社で同僚や上司に恵まれず、彼らの怠惰な態度や身勝手な物言いなどを日々目の当たりにするうちに元来持っていたアニメ制作への情熱を失ってしまった平岡の心境にタローが涙ながらに共感するシーン。情熱を持っていたころの自分を「バカ」と思おうとする平岡が、前向きな姿勢を取り戻すきっかけとなる。

「今わたし、少しだけ、夢に近づきました。」

声優オーディションを受けるも落ち続けるしずかにようやく回ってきた「第三飛行少女隊」ルーシー役の劇中の台詞。
自分達の状況に重なるこの台詞の収録を聴き届けたあおいは、こらえ切れず涙を溢れさせてしまう。それをしずかがやさしげな表情で見つめる直後のシーンも作中屈指の名カット。

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@9oreiza335

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