満月をさがして(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『満月をさがして』とは、2002年から2004年まで種村有菜により『りぼん』に掲載されていた、ファンタジー漫画およびアニメ作品である。
喉の病気で余命わずかの少女満月が、死神タクトの力を借りて変身して歌手になるというストーリー。少女と死神の交流を描きながら生と死といったテーマも根底にあり、小中学生から大人まで幅広い人気を集めた。

3年後のストーリー

最終話で、時は3年後へと移る。フルムーンと同い年になった満月は本来の姿で歌手デビューをしていた。満月の病気は完治し、思い切り歌えるようになっていた。めろこといずみは満月のコンサートを空から眺めながら、いずみが「ミッキー(満月)に会えて本当によかった」と言う。満月の話ばかりするいずみにめろこはやきもちを焼き、いずみのことがずっと前から好きだったと告白する。いずみは「どうして僕がミッキーに会えて良かったと思うのか、めーちゃん分かってるの?」と言ってめろこにキスをした。
コンサートのやぐらの上から円と那智も満月の歌を聞いていた。那智は円に「そろそろ結婚しない?ずっと一緒にいたいな」とプロポーズをする。円は照れながらも笑顔で引き受けた。
コンサートのラストの曲へ入ろうかというところで、突然托人が舞台に現れる。驚きを隠せない満月に、真実が明かされた。托人が半人前の死神だったのは実はまだ生きていたからで、自殺に失敗して昏睡状態に陥っていたのだ。鎌の影響で魂が昏睡状態だった肉体に戻り、しばらくリハビリに励んでいたため会いにくるのが遅くなってしまったと言う。ミスティアとシェルダンの力でタクトの声帯は精製され、声も出せるようになっていた。多くのファンの前で満月は「タクトがすきだよ」と告白をし、晴れて二人は結ばれた。英知の魂はその光景を目にし、優しい笑みを浮かべて空に消えていった。

円と那智の番外編

コミックス6巻に収録されている番外編「ナチュラル・マドンナ」より。
那智は軽い感じで円に「付き合おう」と言い、二人は恋人同士になった。円も、初めはそれほど好きではなかったのだが、次第に思いを寄せるようになっていた。そんなある日、那智のアパートで円は、円の整形前の写真を見つけて、動揺のままその場から逃げ出した。その写真は、数年前に無理やりお見合いさせられた時に撮った写真だった。御曹司である紫堂総一郎とのお見合いで、千暁(円の本名)は「こんなチビでだっさいブ男が婚約者なんて絶対いや!」と酷い断り方をしていた。
円は、那智が総一郎の友人で、復讐のために円に近づいたのだと思い傷つく。手に入れたらすぐに捨ててしまうつもりなのかと弱気なり、那智を避けるようになる。那智が不思議に思っていると、円は「私が千暁だって知っているんでしょう?」と問い詰めた。「本当は最初から知ってたんでしょう?だから私に近づいてきたんだよね?」と言う円に、那智は静かに「うん」と頷いた。円は「もう二度と顔見せないで!」とその場を去った。
後日、円は紫堂家へ謝罪に赴く。お見合いの時に失礼な態度をしたことを詫びようとすれば、母親は「まだ縁談は生きてます。千暁さんさえうんと言うてくれはったら」と言う。円はそれを「好きな人がいるんです!」と遮った。大切な恋人がいて、結婚するのならその人がいいと両手を付く円に、母親は苦笑した。そして「――とおっしゃっていますがどないいたしましょう、総一郎さん」と襖に目を向ける。襖が開き、そこには那智が立っていた。「お久しぶりです、千暁さん」と言う那智に、円は目を丸くした。
那智は、幼い頃に初めて会った時からずっと円のことが好きだった。「円がブ男が嫌だと言うのなら顔なんていくらでも変えてやろう、近づくためなら芸能界にだって入ってやろう」と、純粋に円のことが好きという気持ちで動いていたのだ。那智は「もう一度婚約してくれる?」と言い、円も「はい」と受け入れた。

『満月をさがして』の登場人物・キャラクター

主要人物

神山満月(こうやまみつき)

CV:myco
本作の主人公。5月12日生まれ(アニメ版では4月4日生まれ)。身長142cm、体重34kg、血液型A型。タクトの神術で16歳のフルムーンとなって歌手デビューする。フルムーンは純真無垢なイメージで売り出されたが、満月自身は英知の死の真相を死神たちに秘密にしたりと、心の闇の部分を押し隠している。幼少期から英知に思いを寄せていたが、最終話でタクトと結ばれる。アニメ版では、英知の死を知らなかった。たいやきが大好物。

タクト・キラ

CV:斎藤恭央
死神コンビ「ねぎラーメン」の一人。満月のあと一年という寿命が変わらないように「満月の死を阻止する者」から引き離す任を受けて人間界にやってきた。だが満月と接していく内に彼女の純粋さや強さに惹かれていく。終盤では彼自身が「満月の死を阻止する者」となる。
人間だった頃の名前は吉良托人で、「ROUTE:L」のボーカルをしていた。仮死状態のまま半人前の死神をしていたが、最終話では人間に戻り満月と結ばれる。プリンが大好物。

めろこ・ユイ

CV:本多知恵子
死神コンビ「ねぎラーメン」の一人。タクトの先輩死神で同じ理由で人間界にやってきたが、終盤で「満月の死を阻止する者」となる。タクトに想いを寄せながら、かつてコンビを組んでいたいずみのことも忘れられないでいる。最終話では、いずみとコンビを組み直して恋仲になっている。人間だった頃の名は里匡萌で、カミソリで手首を切って自殺している。心にやましいことがあったり、ぶりっこする時には語尾に「めろ」が付く。

いずみ・リオ

CV:緒方恵美
かつてのめろことコンビ「ミルメイク」を組んでいた死神。現在はジョナサンとコンビ「ヤミナベ」を組んでいる。人間だった頃の名前は泉利緒で、踏切内に立ち入って自殺している。コンビを組んでいた頃からずっとめろこに好意を抱いていて、最終話では無事に結ばれた。杏仁豆腐が大好物。

桜井英知(さくらいえいち)

CV:木村良平
満月より4歳年上の少年。優しく温和な性格をしている。両親の死後、祖父に引き取られるが、その祖父も亡くなったため最終的に施設にやってきた過去を持つ。
2年前まで満月と同じ施設にいたが、14歳の時に桜井家に引き取られアメリカへと向かう飛行機が太平洋沖で墜落し、帰らぬ人となった。その魂はタクトによって天上へ導かれかけるが、それを拒んでずっと満月のそばに留まっていた。
最終話では、タクトと結ばれて幸せになった満月を見て成仏する。アニメ版では満月より6歳年上となっており、設定年齢が異なる。

死神

ジョナサン

yesk1214kokeq0
yesk1214kokeq0
@yesk1214kokeq0

Related Articles関連記事

アイドリッシュセブン(IDOLiSH7・アイナナ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

アイドリッシュセブン(IDOLiSH7・アイナナ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『アイドリッシュセブン』とは、バンダイナムコオンライン提供のスマートフォン向けアプリ、及びそれを原作にしたアニメ作品。 主人公は父の経営するアイドル事務所で、アイドルの卵たちのマネージャーを任される。7人のアイドルの卵たちは、個性豊かで性格もバラバラだった。 主人公と「IDOLiSH7」と名付けられた彼らが、華やかだが厳しくもある芸能界を通して、頂点を目指し成長していく物語である。

Read Article

紳士同盟†(クロス)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

紳士同盟†(クロス)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『紳士同盟†(しんしどうめいクロス)』とは、種村有菜による学園ラブコメディ漫画。2004年9月から2008年7月まで、集英社の少女漫画雑誌『りぼん』にて連載されていた。お金持ちのみが通える名門学園を舞台に、ヒロインである元ヤン少女と生徒会長である青年との複雑な恋模様を描く。単行本だけでなく、イラスト集や文庫版のコミックスも発売されている。単行本は全11巻、文庫版は全7巻となり巻末にはそれぞれ書き下ろし漫画やキャラクター設定資料などのお楽しみ要素がある。2004年にはドラマCD化もされている。

Read Article

神風怪盗ジャンヌ(種村有菜)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

神風怪盗ジャンヌ(種村有菜)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『神風怪盗ジャンヌ』とは、集英社の少女漫画雑誌『りぼん』にて連載されていた種村有菜の漫画作品。東映アニメーションによってテレビアニメが作られ、テレビ朝日系列で放送された。『美少女戦士セーラームーン』から連なる美少女戦士路線に怪盗物の要素を導入した意欲的な作品である。 一見普通の女子高生の日下部まろんの正体は怪盗・ジャンヌであり、ジャンヌ・ダルクの生まれ変わりだった。準天使のフィン・フィッシュとともに、神の力で美術品に憑依する悪魔達を封印し回収していた。

Read Article

アダルトすぎて問題に!?種村有菜さんによる二次創作&同人誌について

アダルトすぎて問題に!?種村有菜さんによる二次創作&同人誌について

「神風怪盗ジャンヌ」、「満月をさがして」などの人気作を精力的に発表し、90年代以降の少女マンガを語る上で外せない存在である女性漫画家の種村有菜さん。作品はアニメ化もされ、多くのファンに支えられる彼女は、Twitterに他作品の二次創作イラストをアップしたり、さらにコミケに参加したりという活動をしていることでも知られています。しかしその作品がエッチな内容だったために問題に……!?

Read Article

種村有菜がネット上や同人活動で起こしてきた事件まとめ!炎上・発行中止・問題行動など

種村有菜がネット上や同人活動で起こしてきた事件まとめ!炎上・発行中止・問題行動など

漫画家の種村有菜がネット上や同人活動の中で起こしてきた事件の数々をまとめました。ルールを無視したり、他の漫画家の作品に喧嘩を売るようなことをいったりなどの問題行動は割とよくある話…。他にも、発言が炎上したり、作品が発行中止に追い込まれたりといったことがあるみたいですよ。

Read Article

種村有菜の生誕祭がお粗末すぎた件…7,000円も出したのに残飯のような食事!ありなっちとのチェキに500円支払い…

種村有菜の生誕祭がお粗末すぎた件…7,000円も出したのに残飯のような食事!ありなっちとのチェキに500円支払い…

漫画家の種村有菜が自身の生誕祭を開催したのですが、参加者からは「お粗末すぎ…」といった声が上がっていました。その理由を調べてみると、7,000円も出したのにまるで残飯のような食事内容だったり、ファンへの対応がヒドかったりというのが原因のようです。ありなっちとのチェキを撮るのに追加で500円かかるというのも、反感を買った理由みたいですね。

Read Article

種村有菜が参加した「刀剣乱舞」のアンソロジーコミックがひどすぎる内容で炎上…2次元ファン驚愕

種村有菜が参加した「刀剣乱舞」のアンソロジーコミックがひどすぎる内容で炎上…2次元ファン驚愕

種村有菜が参加した同人漫画『刀剣乱舞学園 ~刀剣乱舞-ONLINE-アンソロジーコミック~』がひどすぎる内容だったことから、炎上する事態になりました。どうやら商業誌と同人誌の描き分けができていないようで、2次元ファンからは驚愕の声が上がっていたみたいです。

Read Article

種村有菜がりぼん卒業で話題!同人活動が原因という噂は嘘だった!

種村有菜がりぼん卒業で話題!同人活動が原因という噂は嘘だった!

2012年12月、漫画家の種村有菜が自身のTwitterで月刊誌『りぼん』を卒業することを宣言し話題となった。集英社に断りを入れずに同人活動を行っていたことが原因で卒業することになったという噂が飛び交ったが、種村本人は否定している。本記事では卒業発表から噂を否定するまでの過程をまとめて紹介する。

Read Article

すさまじい画力の持ち主・書き込み量の多い漫画家まとめ【種村有菜】

すさまじい画力の持ち主・書き込み量の多い漫画家まとめ【種村有菜】

「すさまじい画力の持ち主」や「書き込み量が多い」といわれている漫画家をまとめた。ここで紹介するのは、『エマ』『乙嫁語り』の作者である森薫、『神風怪盗ジャンヌ』『時空異邦KYOKO』を代表作に持つ種村有菜、『ベルセルク』を描いた三浦建太郎の3名。 たった1ページでも気迫が伝わる絵を描くことができる人物ばかりである。彼らの代表作や、作画に関する意気込みなどを紹介していく。

Read Article

【アイナナ】『アイドリッシュセブン』は『うたの☆プリンスさまっ♪』のパクリ?キャラクター設定や画像を比較してみた【うたプリ】

【アイナナ】『アイドリッシュセブン』は『うたの☆プリンスさまっ♪』のパクリ?キャラクター設定や画像を比較してみた【うたプリ】

『アイドリッシュセブン』は、原作であるゲームのサービス開始当時、『うたの☆プリンスさまっ♪』のパクリ疑惑で注目を浴びました。登場人物・キャラクターの設定や、ビジュアルが似ていると指摘されていたため、この記事では実際に比較してみようと思います。

Read Article

目次 - Contents