『ヒトラー暗殺、13分の誤算』とは、2015年に公開されたドイツの映画。第二次世界大戦前夜のドイツを舞台に、ナチス政権に対して単独で反抗し、アドルフ・ヒトラーの暗殺を企てた実在の人物、ゲオルク・エルザーの生涯とその動機を描いた伝記映画である。1939年、ミュンヘンで発生したヒトラー暗殺を狙った爆破事件は、ヒトラーが13分早く退出したため失敗に終わる。本作はこの誤差が生んだ歴史の分岐点を軸に、犯人であるエルザーの信念と孤独な闘い、逮捕後の尋問を通じて見えた過去の出来事を描く。
本編中の時系列として、主人公のゲオルク・エルザーがナチスに捕まった時点から物語が始まった後に過去へ遡り、そこで彼がなぜ暗殺を企てたのかを描いている。
「現在」のパートで行われるのは残虐非道な拷問の数々で、てっきり声だけの描写で恐怖心を煽るのかと思いきや、しっかりと拷問シーンを描き、吐瀉物などもしっかりと映されている。苦手な方には酷ともいえるが、これらのシーンは「真実を伝える」という意味で、生臭い部分を余すところなく描いている。凄惨なシーンにこそ、過去の真実と向き合った証が残っているのだ。
「過去」のパートにおいては、主人公の周囲にナチスの影響がじわじわと浸透していく様が描かれる。このじわじわと侵食されるような感覚がまた絶妙で、1人、また1人と取り込まれ、そして拒む者は強制労働や晒し者にされてしまうという恐怖感がある。
群集心理を利用し、アメとムチを使い分けて人々を支配していくという、ナチスの恐ろしさが淡々と描かれているからこそ、視聴者は真綿で首を絞められるかのような恐怖を感じるのだ。そうして、ゲオルク・エルザーは理不尽な境遇への怒りを胸に、ゆっくりと暗殺への道を歩み始めたのだということがよくわかる。
『ヒトラー暗殺、13分の誤算』(映画)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
本作と史実との相違点
実在する反ナチス活動家のゲオルク・エルザーの生涯を基にした作品として高評価を受けた本作だが、本作中には一部、史実と異なる箇所もある。
ゲオルクを尋問した人物の違い
本作には登場しなかったハインリヒ・ヒムラー
作中では、アルトゥール・ネーベとハインリヒ・ミュラーが尋問したとされているが、実際にゲオルクを尋問したのはフランツ・ヨーゼフ・フーバーとアルトゥール・ネーベで、またヒトラーから背後関係を調べるよう命じられたのは、親衛隊全国指導者のハインリヒ・ヒムラーである。また、ヒムラー自身も尋問を行っている。
自白の影にあった家族の強制連行
エルザも実際に連行されたものの、すぐに釈放されていたという
作中のゲオルクは、恋人のエルザが連行されてきたのを目の当たりにして自白を開始していたが、実際には母と姉、そしてその夫までもがゲシュタポによってベルリンに強制連行されており、特に姉とその夫は同志とみなされ、1年以上にもわたって拘留されていたという。これに対し、作中では自白開始のキーパーソンとなった恋人のエルザは、すぐに帰宅を許されていたというのが実際のところのようだ。
目次 - Contents
- 『ヒトラー暗殺、13分の誤算』(映画)の概要
- 『ヒトラー暗殺、13分の誤算』(映画)のあらすじ・ストーリー
- ヒトラー暗殺未遂事件の発生
- ゲオルクとエルザの出会い
- ゲオルクの最期
- 『ヒトラー暗殺、13分の誤算』(映画)の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- ゲオルク・エルザー
- エルザ
- ナチス・ドイツ関係者
- アドルフ・ヒトラー
- アルトゥール・ネーベ
- ハインリヒ・ミュラー
- その他
- エーリヒ
- マリア・エルザー
- ルートヴィヒ・エルザー
- フランツ・クサーヴァー・レヒナー
- 『ヒトラー暗殺、13分の誤算』(映画)の用語
- ヒトラー暗殺未遂事件
- ドイツ共産党
- ナチス
- ゲシュタポ
- 『ヒトラー暗殺、13分の誤算』(映画)の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 胸に来る拷問シーンや迫りくるナチスの魔の手の描写
- 『ヒトラー暗殺、13分の誤算』(映画)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 本作と史実との相違点
- ゲオルクを尋問した人物の違い
- 自白の影にあった家族の強制連行
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