ウソツキどもよ、集まれー! 映画「ライアー・ハウス」のウソをあなたは見破れるか
家の中全員、嘘つき。心惹かれる煽り文句を掲げる今作。10万ドルを巡る愛憎サスペンスが行きつく先はどこなのか。逆転に次ぐ逆転に頭が混乱し、思わぬラストに笑みがこぼれる。あなたはウソの中の真実を見抜けるか。映画「ライアー・ハウス」をご紹介致します。
あらすじ・ストーリー
テキサスの田舎町で暮らすローナは、夫デイルが銀行強盗で手にした現金10万ドルを奪うため、自宅で彼を縛り上げて金の隠し場所を聞き出そうとする。親友タイニーも呼び出してデイルに銃を突きつけるローナだったが、誤ってデイルを射殺してしまう。金の行方はわからないまま、死体の処理に悪戦苦闘する2人。さらに運の悪いことに、警官まで訪ねてきてしまう。絶体絶命の状況に追い込まれた2人は、ある考えを思いつく。
出典: eiga.com
誰がウソをついているのは特に気にならない
登場人物は必要最低限で、シーンもほぼ家の中。紛うことなき低予算映画です。低予算映画と言えば真っ先に「ソウ」が思い浮かびますが、もちろんこの映画はそこまで傑作ではありません。登場人物の誰もがウソをついているわけですが、その内容が全くと言っていいほど気になりません。どうせこんな感じだろうなあと思い浮かべる程度に留まり、そしてそれがまんまと的中します。
ウソを題材にするならばもっと心理描写を盛り込んでほしかったところ。本格的な駆け引きではなく、思わせぶりなセリフだったりシーン、疑心暗鬼を誘うような描写があればもっと物語に引き込まれたでしょうね。良くも悪くも浅いウソが横行し、登場人物たちは半ば予定調和のようにそれらのウソに踊らされます。気楽に観れる映画ではありますが、特段興味を惹かれるような作品ではありませんでした。
描かれるラストの説得力のなさ
紆余曲折ありつつもようやくたどり着いたラスト。道程が歪でも最終的に辿り着いた場所で驚ければ良かったのですが、いかんせん登場人物が少なすぎて消去法で勝つ人物が予測できましたし、もっと悪いことに、そのラストには全く説得力がありませんでした。伏線を張るとかしないんですかね。全てある登場人物の筋書き通りということだったのですが、ご都合主義にもほどがありました。
推理パートもどきの部分はまあまあ楽しめましたが、評価できるのはそれくらいのもの。コミカルな会話劇に期待したものの全く面白くなく、緊迫感も皆無。何もかもが上滑りして、挙句の果てには「これってラスト10分だけ観ればオッケーだな」と思ってしまいました。これって映画としてはかなり致命的。中身が全くないと言っているのと同じですからね。残念な作品でした。
まとめ
やりようによってはもっと面白くなったのに、と思わずにはいられない作品。30分で終わらせられる脚本を延々と長引かせたような印象。特筆すべき点がなく、オススメしようにも何を売りにしているのだろうと困惑してしまいます。暇つぶしにはなりますかね。時間の有効活用には繋がりません。なんか適当に流しておきたいなと思った時にピッタリの映画でしょう。