有罪か、無罪か。問題に向き合い学校裁判を開いた中学生「ソロモンの偽証」
ベストセラー作家・宮部みゆきが長年の歳月を経て手がけた「ソロモンの偽証」。若干14歳、中学生の藤野涼子が同級生の死体を発見してしまった。物語は事件、決意、そして裁判へと彼等は立ち上がった。その嘘は誰のためについたのか?週刊文春ミステリーベスト2位の最高傑作を紹介します。
芸人ドランクドラゴンの塚地さんの俳優としてのポテンシャルの凄さに、改めて驚愕させられました。一緒に見ていた友人が「塚っちゃん、もはや芸人じゃない…貫禄がすげぇ!」と感動していました。
毒親
子を想う親の気持ちは誰にもあるはず。しかし過保護になってしまっていませんか?この作品ではその毒親ぶりが描かれており、その結果が嘘を生み、隠そうとしてボロが出て広がってしまうのです。ことわざに「可愛い子には旅をさせよ」とありますが、辛く悲しい思いをしてしまった我が子への寄り添い方を考えさせられます。
視聴者の感想
ソロモンの偽証本で読んでたけど映画見るとまた違った面白さあるな
— se (@Fsi_79) September 26, 2015
この映画の何より素晴らしい点はそうした少しずつの作為と無作為、善意と悪意が悪霊のように事態を混乱させ、関係者を傷つけていくそうした過程を見事に描き切っているからだ、という点です。
誰もが経験したであろう迷いとやり場のない怒りとそれを乗り越える力強さ。たかが中学生の疑似裁判とあなどるなかれ、なかなか人を追い詰めます。
いかがでしたでしょうか?
哀しいかな、生きていれば誰もが経験したことがあるであろう「いじめ」や「悲壮感」を、解決するのは大人だと思っていました。この作品では、自分自身と向き合い戦いたい思いと共に、自分達の問題は自分達で解決しようとしました。昨今、都合が悪くなると自分以外の誰かに責任をなすりつけ、問題から目をそらそうとするニュースが溢れています。どうしてこの問題が起きたのか、起こしてしまった人の背景にはどんな問題があったのか… 同じ辛い思いをしないようにと願う人が居るのに、それは起こってしまう。真摯に向き合ってくれる人は居るのだろうか、そんな問いを投げかけているのではないだろうかと思いながら、私自身「口先だけの偽善者」にならないようにと強く思った作品でした。