『ブラック・シー』(原題:Black Sea)とは、2014年に制作されたイギリス、アメリカ合衆国の映画。ジュード・ロウ主演。黒海に沈んだUボートに積まれた金塊を手に入れるべく、潜水艦で旅立った男たちのスリリングな冒険を描くサスペンス作品である。潜水艦ものに外れ無しとはよく言うもので、この作品もご多分に漏れない、いぶし銀の映画になっている。
『ブラック・シー』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
ミステリーではなくサスペンス
この作品はミステリーではなくサスペンである。ゆえに、解くべき謎などはない。この点をよく理解しておかないと、この作品はおそらく並み以下の評価となってしまい、観賞後も消化不良の感を味わうことになってしまうだろう。フォーカスされているのは潜水艦の乗組員の人間関係。ミステリーの入り込む余地はほぼなく、当然どんでん返しもない。視聴者が追うべきは人々の感情の推移と、物語の行く末だけだ。
この作品ははっきり言って地味だ。驚きもなければ、感涙にむせぶこともない。しかし、地味だからこその面白味があり、それが潜水艦ものに外れ無しと呼ばれる所以ともなっている。
ラストは必見。主演であるジュード・ロウの演技が光り輝く。あの存在感はさすがとしか言いようがない。ラストシーンを観るだけでも、この映画を観賞する価値がある。
エンタメ的な面白さはないが魅力的な映画
面白さの基準は人それぞれだが、この作品は万人に受け入れられるような作品ではない。ハイライトと呼ぶべきシーンがクライマックスくらいにしかなく、物語に起伏はあるものの、あえて抑えられている。ジェットコースターのようなスリリングな展開を好む視聴者は開始十数分で飽きてしまうだろうし、映画を観る多くの人はそのような展開を物語に要求している。ゆえに、この作品は世間一般的に言うと面白くはない。
しかし、面白くない=魅力的でないと言えないところも、映画の面白いところだ。観るべきシーンは確かにある。全体を通して観ればどこか地味で、すぐに記憶の底に埋もれてしまう。
しかし、不思議とこの映画は記憶に残り続ける作品なのだ。丁寧に描かれた船内の空気感や、人間の葛藤、そして最後に垣間見える男の覚悟。ふとした時に、この映画を思い出すことになることになるだろう。
目次 - Contents
- 『ブラック・シー』の概要
- 『ブラック・シー』のあらすじ・ストーリー
- 金塊回収の冒険への誘い
- コミュニケーション不全による内部分裂
- 裏切りの発覚
- 最後の犠牲と脱出
- 『ブラック・シー』の登場人物・キャラクター
- 主人公
- ロビンソン(演:ジュード・ロウ)
- その他
- ダニエルズ(演:スクート・マクネイリー)
- フレイザー(演:ベン・メンデルソーン)
- ピータース(演:デヴィッド・スレルフォール)
- ブラッキー(演:コンスタンチン・ハベンスキー)
- トビン(演:ボビー・スコフィールド)
- モロゾフ(演:グリゴリー・ドブリギン)
- ザイツェフ(演:セルゲイ・プスケパリス)
- レイノルズ(演:マイケル・スマイリー)
- ババ(演:セルゲイ・ヴェクセル)
- レフチェンコ(演:セルゲイ・コレスニコフ)
- クリシー(演:ジョディ・ウィテカー)
- ギッテンズ(演:ブランウェル・ドナヒー)
- ルイス(演:トビアス・メンジーズ)
- リアム(演:カール・デイヴィス)
- カーストン(演:ダニエル・ライアン)
- 『ブラック・シー』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- ミステリーではなくサスペンス
- エンタメ的な面白さはないが魅力的な映画
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