ブラック・シー(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ブラック・シー』(原題:Black Sea)とは、2014年に制作されたイギリス、アメリカ合衆国の映画。ジュード・ロウ主演。黒海に沈んだUボートに積まれた金塊を手に入れるべく、潜水艦で旅立った男たちのスリリングな冒険を描くサスペンス作品である。潜水艦ものに外れ無しとはよく言うもので、この作品もご多分に漏れない、いぶし銀の映画になっている。

『ブラック・シー』の概要

『ブラック・シー』(原題:Black Sea)とは、2014年に制作されたイギリス、アメリカ合衆国の映画。イギリスでは2014年12月5日に、日本では2015年8月15日に公開された。ジュード・ロウ主演。黒海に沈んだUボートに積まれた金塊を手に入れるべく、潜水艦で旅立った男たちのスリリングな冒険を描いたサスペンス作品。
変なギミックや演出などなく、ただひたすらに監督や俳優の演技が試され、純粋に物語を堪能で切る作品。ワンアイデアでは決して成り立つことのない映画。インパクトはないが、その分余韻が長続きするいぶし銀な映画である。

『ブラック・シー』のあらすじ・ストーリー

金塊回収の冒険への誘い

水中サルベージのベテランである船長のロビンソンは、離婚して幼い息子と引き離されたばかりであった。さらに、11年間勤めたアゴラ社から、仲間であるカーストン、ブラッキーと共に不当に解雇される。意気消沈していた矢先、カーストンは、アゴラがジョージア沖の黒海で沈没した第二次世界大戦期のVIIC型Uボートに数百万ドル相当の金塊を発見したものの、領土紛争のため回収できないでいるという情報をロビンソンとブラッキーに伝えた。

その後、ロビンソンは投資家のルイスと会う。ルイスは、利益の分け前と引き換えに金塊回収の冒険に資金提供を承諾し、部下のダニエルズを同行させることを伝える。ロビンソンがカーストンの友人であるトービンに会うと、カーストンは既に自殺していた。ロビンソンはトービンを冒険に同行させることを決める。
冒険にはロシア人5名とイギリス人6名の計11名が集められ、各自が戦利品の平等な分配を約束された。彼らはクリミアで旧式のフォックストロット級潜水艦を入手し、金塊回収の旅に出発したのだった。

コミュニケーション不全による内部分裂

航海中、ロシア語と英語を話せるのがブラッキーのみだったことから、艦内にコミュニケーションの齟齬が生じ、緊張が高まる。ついにはフレイザーがブラッキーを刺すという喧嘩に発展し、その混乱の中で火災と爆発が発生。潜水艦は操縦不能に陥り、ブラッキーとイギリス人乗員ギテンズが死亡する。

ロビンソンが意識を失って18時間後に目覚めると、生き残った乗員はロシア人とイギリス人に分かれて艦の半分ずつを占領していた。目的の潜水艦は海底に横たわり、駆動軸が破損していたが、Uボートの設計がソ連潜水艦と類似していることが判明。沈没したUボートから駆動軸を回収して流用するという計画が持ち上がる。この時、ロビンソンはロシア人乗員モロゾフが英語を話せることを知る。

裏切りの発覚

フレイザー、ピーターズ、トービンが海底を歩いてUボートの残骸を発見し、駆動軸と金塊を回収した。しかし、ピーターズが事故で空気ホースを切断され死亡するという悲劇に見舞われる。
潜水艦の修理は完了し、航行が再開される。浮上直前、ダニエルズがロビンソンに、この冒険が罠であったことを告白する。彼らの前の雇用主であるアゴラは、カーストンを生かしたままUボートの位置情報を意図的に彼らにリークし、金塊を回収させた後、待ち構えるロシア海軍に全員を逮捕させ、金塊を横取りするという計略だったのだ。

ロビンソンは浮上せずにトルコのサムスン港へ向かうことを決めるが、追手から逃れるために狭い海溝を通る危険な航行を強いられる。自己保身に走ったダニエルズは、潜水艦の安全運行に不可欠なエンジン整備士のザイツェフをフレイザーに殺害させ、ロビンソンが諦めるように仕向ける。

最後の犠牲と脱出

ダニエルズの裏切り工作の直後、二度目の爆発が起こり、潜水艦は海底に沈んで艦体に穴が開く。
パニックに陥ったダニエルズは隔壁の扉に鍵をかけ、フレイザーら3人を溺死させるが、彼自身も服が引っ掛かり隣の部屋に閉じ込められ溺死する。モロゾフは最後の隔壁を閉じ、魚雷発射部分に隠されていた3着の脱出スーツにより、ロビンソン、トービン、自分自身の身を守った。

ロビンソンは、モロゾフとトービンを先に脱出させ、自分は緊急レバーを使って3番目に脱出するとトービンに伝える。トービンとモロゾフが水面上に浮上した。そしてモロゾフは、実は緊急レバーなど元々なく、ロビンソンは自分自身を犠牲にすることを選んだのだとトービンに打ち明けた。
しかしその直後、海面に金塊の一部とロビンソンの家族写真が入った3番目の脱出スーツが浮上してきたのだった。

『ブラック・シー』の登場人物・キャラクター

主人公

ロビンソン(演:ジュード・ロウ)

潜水艦での30年近くの経験を持つ、水中サルベージのベテランである艦長。最近妻と離婚し、幼い息子からも引き離されてしまった。さらに、11年間勤務したアゴラ社を解雇されてしまい、黒海に沈んでいるという数百万ドル相当の金塊を回収する計画を立てる。

その他

ダニエルズ(演:スクート・マクネイリー)

金塊回収の出資者であるルイスの部下。ルイスの代理人として遠征隊に同行する。

フレイザー(演:ベン・メンデルソーン)

刑務所を出たり入ったりしている精神異常者のダイバー。チーム内でのコミュニケーションの行き違いにより、ブラッキーの胸を刺してしまう。

ピータース(演:デヴィッド・スレルフォール)

イギリス海軍でロビンソン大佐と共に勤務していた。最近は清掃員として働いている。

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