『あたしンち』のけらえいこ先生エッセイ漫画
あるあるネタと、ちょっと濃いキャラの詰まった『あたしンち』ですが、作者のけらえいこ先生は多々のエッセイ漫画を描いておられました。
けらえいこプロフィール
早稲田大学第二文学部卒業。1987年『3色みかん』でデビュー。早大時代は漫画研究会に所属し、そこでの先輩と結婚。
出典: ja.wikipedia.org
『たたかうお嫁さま』
ご主人との「結婚」や新婚旅行に至るまでが描かれているんですが…。個人差はあれど、男性にとっての「結婚式」に対する意識、「誰を呼ぶか」という考え方の齟齬、引き出物も含め、決めなくてはならない種々のことが、これでもかと詰め込まれています。少なくとも当時の女性にとって「結婚式」は憧れの対象であったのですが、現実は中々どうして厳しかったようです。なお、同名でドラマ化されました。
「出会いが漫画研究会」「趣味が漫画」と言われるのが嫌だったようです、けら先生。花嫁だからって「料理はちゃんと食べる」と決めていたのですが…?何にしても、「結婚」に対する男女の価値観の差等がよく分かります。それも、楽しみながら。
『いっしょにスーパー』
結婚生活は…旦那さんは外食に行った際「変わった物」を頼んでは、後悔する、といったことをよくする方のようです。
綺麗好き(というか潔癖症?)かつ、出かける前に色々思いついてしまう奥さんに振り回されたりしてますが、幸せならそれで…。
『7年目のセキララ結婚生活』
そんなこんなで「慣れて」、7年が経過…。
お互いにお互いを観察したり、何だか反応が薄くなったり。でも、楽しそうに見えます。慣れたって、日常には刺激はあるんですね。
しかし、すごいこだわりです。けらさん…。「ホントの手作りプリン」を旦那さんのに知ってもらうため、奮闘するのです。傍から見ると何だか賞もなくも思えますが、それが『あたしンち』を描く原動力の一つと思えば、やっぱり侮れないんですよね。そして、やっぱり微笑ましい。
『セキララ結婚生活』(再販)
色々と洋風家具や洋風の暮らしに憧れていたけらさんですが、意外な落とし穴が…。
現実は理想通りにはいかないのでした…。
一緒にスーパー、というかデパートに行って旦那さんが買いたいものがあるのに自分のペースに巻き込む話もありましたが、何となく「ありそう」なんですよね。実話なんでしょうけど、「あるある感」がちゃんと息づいている。飽くまで一個人のエッセイですが、『あたしンち』にある妙なリアリティの根源は、自身の日常さえネタにしてしまう観察眼と一種の根性なのかもしれません。