『モンスター・トラック』とは、アメリカで制作された2014年公開のモンスター・アクション映画である。ジャージー・デビル伝説をモチーフに、人間と悪魔の壮絶な闘いを描く。300年間、番人組織キーパーズに監視されてきた人と悪魔の性を併せ持つジブと異形の弟は、その強大な力を封印するため大型トラックで聖域へ移送される。しかし、弟の幻覚能力により移送作戦は狂い出し、息をもつかせぬ攻防へと発展。その裏にはジブの出生に深く関わる残酷な策略と運命が隠されていた。
『モンスター・トラック』の概要
『モンスター・トラック』(原題:Dark Haul)とは、アメリカ合衆国で制作された2014年公開のモンスター・アクション映画である。
サスペンスやコンボイ・アクションの要素を融合させたエンターテインメント作品。監督はダニエル・ワイズが務め、出演者には『プライベート・ライアン』などで知られる実力派俳優のトム・サイズモアをはじめ、エヴァレナ・マリー、リック・ラヴァネロ、アンソニー・デル・ネグロといったキャスト陣が名を連ねている。
本作は、アメリカ合衆国ニュージャージー州一帯に伝わる未確認生物(UMA)であり、人間の子供が姿を変えたものや「リーズポイントの悪魔」としても知られる「ジャージー・デビル」の伝説をモチーフにしており、300年間にわたり繰り広げられてきた人間と悪魔との壮絶な闘い、そして謎の予言に隠された真実を描いている。
物語は、1735年の誕生以来300年もの間、番人組織「キーパーズ」によって隔離・監視され、捕虜として生き続けてきた女性ジブを中心に展開する。人と悪魔の性を併せ持つジャージー・デビルであるジブは、完全に悪魔の容姿を持った実の弟とテレパシーを通じて密かに意思を通じ合わせ、監禁状態からの逃亡の機会を窺っていた。姉弟が揃うことで発揮される強大かつ絶大な力に危機感を募らせたキーパーズは、その力を永久に封印するため、彼女らを18輪の大型ハードトラック(コンボイ)に収容し、特定の聖域へと移送する計画を実行に移す。しかし、緊迫した移送作戦の最中には様々な事件が勃発し、刻一刻とタイムリミットが迫る中で息をもつかせぬ攻防が繰り広げられる。さらに、この聖域への移送計画の裏には、ジブの出生の秘密に深く関わるある策略が隠されており、登場人物たちは過酷な運命の渦へと巻き込まれていく。
『モンスター・トラック』のあらすじ・ストーリー
出生の秘密と「キーパーズ」による監視
1700年代、とある夫婦に13番目の子供として産み落とされた姉弟には、恐るべき呪いがかけられていた。「13番目に生まれた人間が13番目の子供を授かった時、その子は悪魔になる」という伝承の通り、母親の胎内を突き破って誕生した弟は、翼を持ち奇怪な声をあげる完全な異形の怪物(ジャージー・デビル)であった。一方、息絶えた母親の体内から取り出された姉のジブは、人間の容姿を保っていたものの、その背中には獣のような尻尾が生えていた。
それから約300年もの間、人と悪魔の性を併せ持つ姉弟は、世界の均衡を守る番人組織「キーパーズ」によって捕虜として隔離・監視され続けてきた。檻に幽閉された弟に対し、ジブは弟とテレパシーで意思疎通ができる特異能力を持つことから、彼の行動を制御する「制御装置」としての役割を強制される。従わなければ電流による制裁を受ける拘束状態のなか、ジブは弟が放つ強力な幻覚能力を頼りに、密かに組織からの逃亡の機会を窺っていた。
聖域への移送と組織の崩壊
姉弟が揃うことで発揮される絶大な力に危機感を募らせたキーパーズは、彼らをある「聖域」へと移送するため、弟を18輪の大型ハードトラック(コンボイ)に詰め込み、ジブを同行させて出発する。しかし、移送の道中も弟の幻覚能力によって翻弄されるキーパーズは、ガソリンスタンドを爆発させるなどの甚大な被害を出し、道程は混迷を極めていく。
やがてトラックの監視の目を掻い潜り、弟が檻からの脱出に成功。強力な怪物の前になす術のないキーパーズのメンバーは、ある神父が幻覚によって爆死を遂げるなど次々と惨殺され、護送作戦は完全に崩壊する。生き残ったジブと追跡から逃れた弟、そして組織の指導者は、引き寄せられるように姉弟の生まれ故郷である生家へと辿り着く。
運命の真実と血塗られた決着
生家に到着したジブは、これまでの怨恨から組織の指導者の眼球を聖剣で突き刺し、致命傷を負わせる。ようやく組織の支配から解放され、最愛の弟と共に自由な未来へ歩み出そうとしたジブであったが、次の瞬間、理性を失った弟は殺意を剥き出しにして実の姉であるジブに襲いかかる。
激しい暴行を受け困惑するジブに対し、今際の際の指導者は、姉弟の出生に隠された残酷な策略の真実を言い渡す。彼らは誕生したその瞬間から「二人が揃ったとき、どちらか勝った片方のみが生き残る」という、互いの命が尽きるまで殺し合わねばならない呪われた運命を授けられていた。拒絶しながらも、容赦なく襲いかかる弟を前にジブは悪魔としての本性を覚醒させ、死闘の末に実の弟をその手で葬り去る。その後、キーパーズ本部との連絡途絶を受けて軍の捜索隊が生家へと出動するが、そこには生存者の姿も怪物の痕跡も、もはや誰一人として残されてはいなかった。
『モンスター・トラック』の登場人物・キャラクター
主要人物
ジブ(演:エヴァレナ・マリー)
本作の主人公。1735年に誕生して以来、300年もの間、番人組織「キーパーズ」に捕虜として隔離・監視されてきた女性。人間の容姿をしているが、背中に尻尾が生えており、人と悪魔の性を併せ持つ伝説の怪物「ジャージー・デビル」の姉にあたる。完全な怪物の姿をした弟とテレパシーで会話をする能力を持ち、組織からは弟の行動をコントロールするための「制御装置」として利用されている。組織の支配から脱し、弟と共に自由の身になることを切望している。
ジャージー・デビル
ジブの実弟であり、1735年に誕生した人と悪魔の性を併せ持つ伝説の怪物。姉のジブとは異なり、翼や鋭い爪を持つ完全な異形として産み落とされた。誕生直後から番人組織「キーパーズ」によって檻に幽閉・隔離されている。肉体的な凶暴性に加え、テレパシーで姉と意思疎通を図る能力や、人間に強力な幻覚を見せて精神を翻弄する特殊能力を持つ。その幻覚能力を駆使して護送作戦を大混乱に陥れ、檻からの脱出を果たす。生家へと辿り着いたのち、理性を持たない悪魔の本能のままに実の姉であるジブへと襲いかかり、どちらか片方しか生き残れないという凄惨な殺し合いを繰り広げる。
その他
ニックス(演:トム・サイズモア)
姉弟を隔離・監視し続けてきた番人組織「キーパーズ」の冷酷な指導者。姉弟が揃うことで生まれる強大な力を恐れ、彼らを18輪の大型トラックに収容して「聖域」へと移送する計画を主導する。ジブたちの出生の秘密や、姉弟にかけられた残酷な呪いの真実を掌握しており、自らの策略のために彼女たちを利用し続ける。物語の終盤、生家にてジブに聖剣で目を刺され致命傷を負うが、いまわの際に姉弟の過酷な運命を告げる。
デイモン(演:リック・ラヴァネロ)
「キーパーズ」に所属し、ジブらの護送作戦や監視任務にあたる実戦部隊の隊員。強大な力を持つジャージー・デビルを聖域へと移送するため、18輪の大型ハードトラックに乗り込み決死の警備に就く。しかし、移動の道中で弟が放つ強力な幻覚能力に翻弄され、ガソリンスタンドの爆発に巻き込まれるなど、過酷なタイムリミット・サスペンスの渦中で次々と窮地に追い込まれていく。
ティト神父(演:ケヴィン・シェイ)
「キーパーズ」のメンバーとして移送作戦に同行する神父。悪魔の力を封印するための儀式や聖域への移送に宗教的な役割として携わっているが、檻から脱出した弟が引き起こす凄惨な超常現象や幻覚の前に無力化していく。精神を激しく揺さぶられた結果、怪物の執拗な攻撃と強力な幻覚の策略に捕らわれ、作戦の途上で爆死を遂げるという非業の最期を迎える。
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