水深200mの恐怖。映画「プレッシャー」を観賞してみました!

この作品、ジャンルがホラーとなっていますがそれはおそらく間違いです。ヒューマンドラマ。この映画はまさにそのジャンルに相応しい。水底に取り残された4人。このままでは全員死んでしまう。極限の状況で生み出されるドラマ。映画「プレッシャー」の魅力をご紹介致します。

あらすじ・ストーリー

石油のパイプラインが故障し、ソマリア沖の深海で作業をすることになった作業員4人。
順調に進んでいたはずが、いきなりの嵐で母船が沈没してしまい
4人を乗せた作業タンクが水深200メートルで孤立してしまう…。
酸素も残りわずかの中、作業員4人は生き延びることができるのか! ?

出典: www.amazon.co.jp

この映画はホラーではなく、ヒューマンドラマだ

冒頭でもお話ししましたが、この映画のジャンルはホラーとなっています。しかしそれはおそらく間違いで、正確にはヒューマンドラマとして観た方が正しいかと私は思います。そもそもホラーの定義が何かというのは、私には分かりかねますが、最後まで観た印象として、少なくともこれはホラーではないなと感じました。ホラーとジャンル付けすることで、こういった物語を好む人が手に取る機会が失われてしまうのは、少し残念です。しかし一方で、私のようなホラーファンが奇しくもこういった形でこのような映画に巡り合えたのは僥倖かとも思います。

難しい設定はなく、またオカルトチックなホラー要素もありません。あるのはただ、真っ暗な海底のみ。そこで起こる、男4人による静かなドラマがこの映画の中心であり、全てです。舞台は狭いですが、それを最大限に駆使した展開もあります。また、熟練ダイバーと若手ダイバーのやり取りなど、経験がモノを言う現場ならではのやり取りにもなぜか胸が熱くなりました。

ラストに何かを求めるべきでないのは分かるけれども

設定を観た段階で、ラストは大きく分けて2通りになるという目星はついていました。誰かが生き残るか、それともみんな死ぬか。その時は単なるホラー作品だと思っていたので、誰が死ぬのかなあとか思っていたのですが、中身を観ていたら誰にも死んでほしくないという気持ちが溢れて止まりませんでした。みんな、いい人なんだもの。しかしそれでも、1人、また1人と死んでいく。悲しかったです。本当に。

それぞれの登場人物に過去があり、そして現在がある。それを小出しにすることで人物を徐々に深めていくことに成功していました。あたかも、水の底にゆっくりと沈めるかのような手法でした。でも最後はやっぱり、未来ある者が生き残る。そういうことなんでしょうかね。生きる為に水中で必死にもがく姿は滑稽も美しく、一方で老いた身体を水に任せる姿もまた、キレイな光景でした。

まとめ

誰かレンタル店の人とかいませんかね。そしたらこの映画をホラーからドラマに直してほしいんですが。明らかにホラーじゃないですよ、これ。意図されているところと別のジャンルに区分けされていると怒りさえ覚えますが、そのおかげでこの映画と出会えたのだと思うと、複雑な気分にもなってしまいます。これもまた一期一会なんですかね。ホラーっぽくはなかったですけど、とても良い映画でした。ぜひとも皆さんに観て頂きたいです。

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