昭和のおそ松くん 原っぱ三人衆

27年ぶりのテレビアニメが人気を博した「おそ松さん」。そのルーツである昭和の赤塚不二夫作品に登場する原っぱ三人衆(ニャロメ・ケムンパス・べし)についてまとめました。初出である「もーれつア太郎」は、週刊少年サンデー(小学館)で1967年から1970年に連載、アニメ第1作は1969年、第2作は1990年に、東映、テレビ朝日にて製作されました。

ニャロメ

二本足で歩き、言葉をしゃべる野良猫。ア太郎の町の空き地に、毛虫のケムンパスやカエルのべしと一緒に暮らしています。実年齢は28歳。初出は「もーれつア太郎」ですが、おそ松くんのイヤミらと同様に話が進む毎に主役を食ってしまい、ついには赤塚漫画を代表するキャラの一人となりました。名前の由来はコンニャロメ(この野郎め)から。くじけても何度でも立ち直る精神力の持ち主である彼の口癖でもあります。シェーなどと並んで流行語にもなり、その不屈の精神力が共感され、当時の学生運動の分派には「全学連ニャロメ派」なるものも生まれました(ただし赤塚先生に政治的な思想や党派性は特に無かったということです)。

ケムンパス

「もーれつア太郎」などに登場する、ニャロメ達の仲間の毛虫。一人称は「小生」、語尾は「~でやんす」。名前はテレビで「サロンパス」のCMをみた赤塚先生が「毛虫」と組み合わせてつけました。

べし

原っぱ3人衆の1匹であるカエル。語尾に「~べし」をつけてしゃべり、「夜はねるべし」などの名言があります。黒澤明の映画「七人の侍」の村の長老の名台詞「やるべし」が、名前と口癖の元ネタです。アニメ第2作では、ケムンパスと共に進行役を務めます。

三島由紀夫も「もーれつア太郎」のファンだった

小説家の故三島由紀夫氏は大変な漫画の愛読者だったそうで、水木しげるやつげ義春、好美のぼるなどを多数蔵書していました。氏は週刊少年サンデーの愛読者でもあり、特に「もーれつア太郎」を絶賛しています。「私は猫のニャロメと毛虫のケムンパスと奇怪な生物ベシのファンである。このナンセンスは徹底的で、私が求めていた破壊主義と共通する点がある。」という旨の発言を遺しています。

keeper
keeper
@keeper

目次 - Contents