世界初の液晶携帯ゲーム機 ゲーム&ウオッチ

後のゲーム史に多大な影響を与えた、「ゲーム&ウオッチ」についてまとめました。

ゲーム&ウオッチとは

「世界初の液晶携帯ゲーム機」で、任天堂より1980年から発売。全59タイトルで、価格は5800~6000円。ゲームをしていないときは、時計やアラームにもなるのでこの名前がついています。ソフトは本体内のROMに書き込まれているので、1つのハードで1ソフト。国内の総売り上げは1287万個、国外では3053万個で、合計4340万個。この驚異的な売り上げで得られた収益は、後の「ファミリーコンピューター」の開発に投資されることになりました。

着想と哲学

シャープ製の電卓

新幹線の中で暇つぶしに電卓で遊んでいたサラリーマンを見かけた横井軍平氏が「携帯ゲーム機をつくろう」という閃きを得たことから始まりました。当時シャープとカシオが電卓のシェア拡大を激しく競っており、その影響で小型の液晶画面と半導体が生産過剰となり、電卓の需要が頭打ちになっていました。新たな液晶の応用先を探していたシャープは、この「電卓サイズのゲーム機」というアイディアを大いに歓迎し、任天堂と共同開発することになりました。
ここにも彼の「枯れた技術の水平思考」という哲学が活かされています。つまり「電卓(使いこなれて安くなった技術)」を「ゲーム(水平思考)」にしたということです。

世紀の発明 十字キー

1982年6月3日に発売された「ドンキーコング」には、ゲーム機史上初めて「十字キー」が実装されました。開発者は横井軍平氏です。このキーの利点は「親指だけで4方向のキーを入力できる」「手元を見なくてもどの方向を押しているのかが感触で分かる」「指一本で操作できるので、疲れない」「台に置かなくても操作できる(携帯ゲームに適している)」などがあります。それまで主流だったジョイスティックやボリュームパネルでは、これらは不可能なことでした。発売から数十年を経た現代でも、十字キーはゲーム機のコントローラーのスタンダードであり続けています。

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