【雪の女王】ジブリと縁のあるロシア名作アニメーション5選【チェブラーシカ】

ロシアのアニメ作品と聞くと、日本人でもすぐに思い付くのは『チェブラーシカ』ですよね。実はこれ以外にも、ロシアには素晴らしい名作アニメがたくさん存在しています。その中には、あのスタジオジブリにも大きな影響を与えたものも。この記事では、そんな「ジブリと縁のあるロシアの名作アニメ」を5つ紹介しています。

【チェブラーシカとは?】
オレンジの木箱に閉じ込められて、遠い南の国からやってきた、大きな耳の小さないきもの。起こしてもすぐに倒れてしまうので「チェブラーシカ(ばったりたおれ屋さん)」と名づけられた。

出典: www.ghibli-museum.jp

チェブラーシカ

とある南の国からやってきた正体不明の不思議ないきもの。

好奇心旺盛で人一倍頑張り屋で、思いやりたっぷりな性格は街の誰からも愛されている。

大好きなオレンジを食べていたら眠くなってオレンジの箱の中で眠ってしまい、箱に入ったままロシアのある街に運ばれてしまう。果物屋さんで発見された時、起こしても起こしてもばったり倒れてしまうので「チェブラーシカ(ロシア語で”ばったり倒れ屋さん”の意味)」と果物屋のおじさんに名付けられた。

【作品あらすじ】
動物園にも受け入れを拒否され、都会の片隅の電話ボックスで暮らしていたチェブラーシカ。そんな彼が出会ったのは、動物園で働く、一人暮らしの孤独なワニ・ゲーナだった。

「この街には一体どれくらいいるんだろう。ひとりぼっちの人が」
ふたりの優しさが今、この街に、ささやかな幸せを生み出してゆく——。

出典: www.ghibli-museum.jp

ゲーナ

チェブラーシカがこの街にきてから最初にできた友達。
すでに50歳を過ぎているが、ワニの寿命からするとまだまだ若者らしい。動物園でワニとして働くことが彼の仕事である。
歌うのが大好きでガルモーシカ(ロシアのアコーディオン)と歌でみんなを魅了する。優しくて几帳面で礼儀正しいジェントルマン。正義感も非常に強いが、ちょっぴりおひとよし。

シャバクリャク

いたずらが大好きで茶目っ気のあるおばあさん。
人騒がせなことをして有名になりたいと思っている。飼い慣らしたくまねずみのラリースカと一緒にあちらこちらに出没してはいたずらをしかけている。 何故かチェブラーシカとゲーナのことが非常に気になりちょっかいを出す。
大胆ですばしっこいがシャイな一面もある。

www.ghibli-museum.jp

出典: goliaf.tv

監督:ロマン・カチャーノフ

1921年、ロシア・スモレンスク生まれ。
1958年にアナトーリ・カラノーヴィチと共同製作の「老人と鶴」を発表し、人形アニメーションの監督としてデビュー。「恋する雲」で注目を集め、「ミトン」(67)でアヌシー国際アニメーションフェスティバル一等賞を受賞し、その才能と技術力は世界の著名なクリエイターに絶賛された。1969年の「ワニのゲーナ」は国民的人気を博し、弟子にユーリー・ノルシュテインがいる。元ボクサーという意外な一面も併せ持つ。1993年没。

原作:エドゥアルド・ウスペンスキー

1937年、ロシア・モスクワ生まれ。現代ロシアで最も有名な児童文学作家であり、詩人。モスクワ航空大学在学中から演劇の脚本や小説の執筆を続け、童話「おかしな子ゾウ」(65)で作家デビュー。1966年、チェブラーシカが登場する「ワニのゲーナ」で成功し、一躍人気作家となる。以来、「チェブラーシカ」や「フョードルおじさん」のシリーズなど、世界20カ国以上で作品が翻訳されている。

チェブラーシカはもともとアニメではなく、絵本のキャラクターとして誕生した。その童話とは、1966年に出版された『ワニのゲーナとおともだち』。主人公はワニのゲーナで、その中のいちキャラクターとしてチェブラーシカが登場した。

出典: www.cinra.net

出典: www.cinra.net

ワニのゲーナ

童話作家のエドゥアルド・ウスペンスキーは物語を紡ぐのが専門でしたので、オリジナルのチェブラーシカは文字でしか残されていません。そこから想像してそれぞれの挿絵画家が絵を描いたため、姿形がさまざまなのです。

出典: www.cinra.net

出典: www.cinra.net

様々なチェブラーシカ①

出典: www.cinra.net

様々なチェブラーシカ②

右下のキャラクターがチェブラーシカ。ちょっと怖い…。

出典: www.cinra.net

みんなが知ってるチェブラーシカ

私たちが知るチェブラーシカは、いよいよカチャーノフが手がけたアニメーション版の中に登場します。左の写真は1970年代にカチャーノフ監督が残したラフスケッチ。

27年ぶり!日本でリメイク&新作が制作されたチェブラーシカ

日本の中村誠監督は2010年、劇場版「チェブラーシカ」を制作。第1話はソ連の旧作のリメイクで、第2話以降はまったく新しい物語。とてもデリケートに、そして愛情を込めて、ソ連の傑作の続編をつくった。

出典: roshianow.jp

出典: www.amazon.co.jp

劇場版チェブラーシカ

「チェブラーシカ」の魅力に惚れ込んだ日本人スタッフを中心に、ロシアサイドの協力を得て、実に27年ぶりに新作が制作された。

オリジナル作へのリスペクトを込めた旧作のリメイクパートに加えて、今回のオリジナルキャラクターであるサーカス団に憧れる少女マーシャや、生き別れた孫を探して旅をする奇術師とチェブラーシカとの交流を描いた新たなストーリーが作られた。

制作にあたっては、日本・ロシアの他に韓国のスタッフも加わり、旧作のイメージを踏襲しながらも、新しい“チェブラーシカ”を6年の歳月をかけて作り上げた。

③ミトン

高畑勲「『ミトン』のアニメーションはほとんど完璧なのだ。」

出典: www.youtube.com

出典: www.amazon.co.jp

ミトン

監督はチェブラーシカと同じロマン・カチャーノフ。

彼の人形アニメーションはどれも、手間ひまを惜しまず作られた力作だ。しかも、彼の作品は社会風刺に富んでいる。代表作「ミトン」に出てくる母親は仕事に明け暮れて子どもに無関心のように描かれ、当時の世相を反映している。

『ミトン』は、アヌシー国際アニメーション映画祭やモスクワ国際映画祭で賞を獲得している。

出典: animeanime.jp

出典: www.mitten-plus.jp

【作品あらすじ】
子犬を飼いたい少女アーニャ。お母さんは犬を飼うことを許してくれません。ある日、公園で遊ぶ友だちを見ているうちに、女の子は手袋を子犬に見立てて遊びはじめます。するとどうでしょう!手袋はカワイイ子犬になったのです!

出典: www.mitten-plus.jp

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