さて、『センチメンタルグラフティ』を語るうえで欠かせないのは、ほかでもないその販売戦略です。
まず、発売が1997年夏から1998年1月に大幅に遅れて発売しています。
その間何をやっていたかというと…
キ ャ ラ 商 品 の 先 行 販 売。
イベントやコンサートからキャラCDからグッズ、小説などなど。ありとあらゆるグッズをゲームに先行して販売していました。この時に活躍したユニットが「SGガールズ」です。
遅れると分かると、プレディスクなる『センチメンタルグラフティ・ファーストウインドウ』なるものを発売。当然予約が殺到し、プレミア価格が付く状態でした。尚、現在の価格は中古で…見ない方がいいですね。
そしてやっと1998年1月、ゲームの発売となります。
いざふたを開けてみると…なんて言うのはよくあることですね。
販売戦略の規模が大きすぎたために、ゲームについては口を噤む人は多いですね。
実際問題、リアリティを除いて、いい物語だったと思いますよ?
尚、現在アーカイブスで配信しているようです。
そして、1998年4月からアニメが放映されます。
制作はなんとあの「サンライズ」。否応なしにも期待が持てます。
当然キャラクター1名につき1話構成。他のゲーム内のキャラクターなど出てきません。そのキャラクターが棲んでいる土地での、日常的なエピソード(主人公との思い出含む)が綴られます。それっぽいスポットライトの当て方とは一味違う面白味があります。
一番の懸念された内容が「主人公」の存在。
ギャルゲーでは必要不可欠の主人公、しかしアニメ等の物語になってしまうと…「お気に入りのキャラが誰かのモノになってしまう」という懸念が顕れます。
そして、サンライズがとった手は…
主 人 公 を 出 さ な い
という内容でした。もちろん賛否両論はあるでしょうが、キャラクターの日常を浅からずも描き出した本作は、ゲームとそのファンの心情を見事に掬い取った名作と言えるでしょう。
そして次回作2の発売(2000年)となるわけですが…
2では…
1 の 主 人 公 が 死 ん だ 後 の 物 語 で す。
企画書の段階から迷走が始まり、ライターが離れ、人気も低迷してしまいました。
どのエピソードもそれなりに面白かったんですけどね。
1999年発売の『センチメンタルグラフティ 10 〜想い出は永遠に…』(ドラマCD)で、もっとひどいオチが待っています。
彼女たちが言う「主人公」ですが‥‥
ま さ か の 妄 想 オ チ
でした。12人全員が「同時に同じ名前の男子の共同幻想」を見ていたということになっています。
グロとか鬱展開とかそんな生易しいものではなかったですね。
昔のギャルゲーはいろんな意味で前衛的でしたというまとめです。