60代、離婚暦あり、ハゲのマンガ家が、認知症の母親と向き合う様子を描いたエッセイコミックです。著者は離婚後、子供を連れて故郷の長崎へUターン。母親のみつえさんと同居していましたが、みつえさんはゆっくりとボケていきます。何とか自宅で面倒を見ていたのですが、仕事と介護の両立が難しくなり、介護施設へ。著者は、自分は介護に深く関わっていたわけではないと述懐します。しかし、ボケてしまった母の人生を見つめなおし母親ではなく1人の女性の一生として再構築していく様は、認知症を丸ごと受け入れる癒しのケアに他なりません。“介護”や“認知症”をテーマにしているというと構えてしまいがちですが、先入観を持たずに物語として面白く読めるマンガに仕上がっています。まずは認知症を知りたいというかたの入門としても最適です。
介護施設に入所した母、みつえさんと息子のペコロス氏。その後の二人はどうなったのかが描かれる続編です。認知症の母みつえさんのバラバラになってしまった記憶を辿り、想像の翼をはためかせて補い、アウトプットしてみせた本書。ラスト近くの美しさは見事としか言いようがありません。
「ペコロスの母に会いに行く」は、映画化もされました。笑って、そして泣けるファンタジー映画です。赤木春恵さんの演技が見事。
登場するのは40代の女性たちと、介護が必要になったその親たち。独身・シングルマザー・共働き主婦と、それぞれの立場の女性たちから見た親の介護が描かれます。「いずれ自分の母親もおばあちゃんになる」という言葉が身につまされます。
40代で仕事を失ってしまった漫画家の男性が、未経験の介護ヘルパーになって四苦八苦する様子を描いたコミックエッセイです。同僚のベテラン女性たちからは苛められ、未経験の介護に悪戦苦闘。しかし次第に仕事に喜びを感じて成長してゆく姿が清々しいです。介護業界ならではのエピソードや裏話なども楽しいです。職員による高齢者の虐待や、職員の待遇の悪さなどが浮き彫りになっている介護の世界。これから介護の仕事を始めることを考えている人は必見です。