ちいさこべえ(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ちいさこべえ』とは、望月ミネタロウが2012年9月から2015年2月まで小学館『ウィークリービッグコミックスピリッツ』にて連載していた漫画。(単行本全4巻)原作は山本周五郎の同名の時代小説で、時代設定を現代に変更した翻案作品である。
舞台は東京「一の町」に古くからある大留工務店(だいどめこうむてん)。一人息子である若棟梁の茂次が、鎌倉に泊まり込みで仕事に来ている最中に大留工務店が火事で焼け、棟梁である父と母がこの世を去る。残された茂次は、父の言葉を胸に大留工務店の再建に取り掛かる。
一の町 こども福祉課の女
焼けてしまった施設の子供達は行政で面倒を見てもらうべきと、役所の人間と、町内会役員もしている「一の町信用金庫」の支店長・福田と、「大留」の家にやってくる。
「子供とはいえ…人間は元来孤独な生き物ってヘッセやヤコブンセンも言ってますし…」と、いきなり哲学的なことを言う。
一徳(いちとく)
「一の町ぎんざ」でスーパーを経営している。茂次より3つ年上で幼馴染。今は親しい付き合いはないが、小さい頃はよく遊んだり喧嘩もした仲だった。数年前に結婚して子供が1人いる。「一の町ぎんざ」は、「大留工務店」が焼けた大火の炎をまぬがれたが、一徳の自宅は火にやられ家族共々かろうじて逃げた。
パートの女
スーパー一徳で万引きした又吉を捕まえる。一徳と一緒に又吉を連れて「大留」の家に乗り込んでくる。あくまでも盗みをした又吉を警察に突き出そうとしている。
巡査
一徳達と一緒に「大留」の家にきた一の町交番の巡査。茂次も顔見知り。又吉の万引き騒動が、一徳と茂次の話し合いで終わってほっとしている。
『ちいさこべえ』の用語
普請(ふしん)
土木・建築の工事の事。
ヘッセ
ヘルマン・ヘッセ、20世紀前半のドイツ文学を代表する文学者。穏やかな人間の生き方を描いた作品が多い。代表作は、『車輪の下』『ガラス玉遊戯』。1946年ノーベル文学賞を受賞。「霧の中をさすらうことの不思議さよ!生きるということは孤独であるということだ。 どんな人も他人を知らず、だれもかれも皆ひとりだ。」と言う名言を残している。
ヤコブセン
イエンス・ペーター・ヤコブセン。 デンマークの詩人・小説家、植物学者。無神論者である。
代表作は、『ここに薔薇ありせば』。「人は誰しも、自分自身の生涯を一人で生き、自分自身の死を一人で死ぬものです。」という名言を残している。
フランクゲーリー
フランク・オーウェン・ゲーリー は、ロサンゼルスを本拠地とする、カナダ・トロント出身の建築家。奇抜な造形で常識に囚われない斬新なアイディアの構造手法の「脱構築主義建築」を先駆ける代表の1人。アニメ『シンプソンズ』に登場するほどの国民的建築家。代表作は、スペインの「グッゲンハイム美術館ビルバオ」。
ザハディド
ザハ・ハディドは、イラク出身でイギリスを拠点に活動した建築家。斬新、前衛的、奇抜などの言葉で評価される。「脱構築主義」の代表的な建築家の1人。2004年に女性初のプリツカー賞を受賞。2020年の東京五輪メインスタジアムのデザインが、建築費の高さが理由で白紙撤回される。代表作は、アゼルバイジャンの首都バクーにある複合施設「ヘイダル・アリエフ・センター」。近くならソウルにある「東大門デザインプラザ」がある。
フェッセンデンの宇宙
「フェッセンデンの宇宙」は、アメリカのSF作家エドモンド・ハミルトンが1937年に書いたマッドサイエンティストの名作である。マッドサイエン「人工宇宙の恐怖」という訳題もある。
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目次 - Contents
- 『ちいさこべえ』の概要
- 『ちいさこべえ』のあらすじ・ストーリー
- 火事のあと
- ちいさこべのすがる
- 意気地なしより、意地っ張り
- 万引
- 薄情者と人でなし
- 重要な事
- きれいなお嫁さん
- 『ちいさこべえ』の登場人物・キャラクター
- 主人公
- 茂次(しげじ)
- りつ
- 茂次の両親
- 留造
- 女将さん
- 子供達
- 菊次(キク)
- 又吉(またきち)
- サクラ
- ウメ
- あっちゃん
- 大留の従業員
- 大(マサル)
- 横浜(よこはま)
- 夏子(なつこ)
- クロ
- 福田家
- 福田ゆうこ
- 福田
- その他の登場人物
- 和泉社長
- 一の町 こども福祉課の女
- 一徳(いちとく)
- パートの女
- 巡査
- 『ちいさこべえ』の用語
- 普請(ふしん)
- ヘッセ
- ヤコブセン
- フランクゲーリー
- ザハディド
- フェッセンデンの宇宙
- シュレーディンガーの猫
- 『ちいさこべえ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- どんなに時代が変わっても人に大切なものは、人情と、意地だぜ。
- だいじょうぶっ!
- 意気地なしより 意地っ張りの方が、男らしいです。
- 二人にはまだ生きていて見守っていてほしいんだ。
- 家はここだ。
- 「薄情者」「人でなし」って。
- お母ちゃん…おやすみなさい…
- 俺はお前に、「大留」をやってもらいたいんだ。俺と結婚してくれないか。
- ここはお前達の家でもある。お前達は何があってもどこにいても いつまでもずっとうちの子供だ。これだけは覚えておいてくれ。お前達にはここに家があって、俺とりつがいつでもここにいる。
- 茂次とりつの祝言
- 「これからもどうぞよろしくお願いします」
- 『ちいさこべえ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 『ちいさこべえ』海外での受賞歴
- 2016年 フランスBD評論家協会「2016ベストアジアBD」受賞
- 2017年 アングレーム国際漫画祭 シリーズ賞受賞
- 原作『ちいさこべ』山本周五郎・著作のメディア作品
- 映画『ちいさこべ』
- 舞台 宝塚歌劇団『小さい花がひらいた』
- ドラマ『ちいさこべ〜若棟梁と九人の子』
- 『ちいさこべえ』と原作『ちいさこべ』の違い
- 作者・望月ミネタロウの略歴