絢爛たるグランドセーヌ(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『絢爛たるグランドセーヌ』とは、2013年より『チャンピオンRED』で連載しているCuvieによるクラシックバレエを題材にした漫画。主人公の有谷奏がクラシックバレエに出会い、持ち前の探究心とクラシックバレエへの愛でダンサーとしての才能を開花させ、プロのバレエダンサーを目指すストーリー。バレエ経験者である作者による緻密な描写と主人公奏の前向きな性格に惹かれ、性別問わず人気となっている作品。

タイトルにある『グランドセーヌ』とはフランス語で、大舞台の意味。また、『絢爛』とは、「目がくらむほどきらびやかで美しいさま・ぜいたくで華やかなさま」を意味し、本作のタイトルは、主人公の奏が目指しているきらびやかな大舞台を表している。

YOUTH AMERICA GRAND PRIX(ユースアメリカグランプリ)

略称、YAGP。9歳から19歳までのあらゆる国籍の若いダンサーを対象とした世界最大の非営利の国際バレエコンクールおよび奨学金プログラム。毎年、米国および世界各地で地域予選が開催され、予選を勝ち抜いたダンサーが4月にニューヨークで行われる本選に参加する。
シニア(15-19歳)、ジュニア(12-14歳)、プリコンペティティブ(9-11歳)の3つの年齢ごとの部門と、ソロ、パ・ド・ドゥ、アンサンブルの各部門が設けられている。この大会で優秀な成績を収めたダンサーには、奨学金や留学の機会が贈呈される。

ロイヤル・バレエ・スクール

奏が憧れ、YAGPを勝ち抜き留学することとなったイギリスの王立バレエ団付属のバレエ学校。国際色が豊かで世界各国から優秀なダンサーがロイヤル・バレエ団への入団を目標に日夜学んでいる。
キャンパスは11歳から16歳までが学ぶロウアー・スクールはロンドン南西部の都市リッチモンドにあるホワイト・ロッジにある。一方、16歳から19歳が学ぶアッパー・スクールはロイヤル・オペラ・ハウスと隣接する形でロンドン中心部のコヴェント・ガーデンにある。

『絢爛たるグランドセーヌ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

有谷奏「一生 梨沙ちゃんと同じ舞台に立てないの…!?」

コンクールで故障してしまい、バレエ競技から離れることを決意した梨沙に、奏が言った言葉。ちょうどこのタイミングで、梨沙を主演にしたくるみ割り人形の上演が決まり、奏ではねずみ役として梨沙と同じ舞台に立つことをとても楽しみにしていたが、梨沙が主演も辞退すると言った際、奏が大泣きしながら梨沙に訴えかけたのだ。その涙に、もう一度バレエを踊る楽しさを思い出した梨沙は最後に一度くるみ割り人形の舞台に立った。

アビゲイル・ニコルズ「ロイヤル・バレエ・スクールにいらっしゃい」

奏の努力家で真面目なところや素直かつ貪欲に吸収する様子をみたアビゲイルは、奏を自身が所属するバレエ団のスクールであるロイヤル・バレエ・スクールに誘う。もともとアビゲイルに憧れていた奏は、彼女の誘いに舞い上がり、海外留学先として、ロイヤル・バレエ・スクールを選ぶのであった。アビゲイルのこの言葉がきっかけとなり、最終的に留学を獲得した奏の将来のきっかけとなった言葉である。

YAGPニューヨーク本選最優秀賞

奏が初めて挑戦した、YAGPのニューヨーク本戦。長く夢を見続けていた舞台で、優秀な成績を収め、ロイヤル・バレエ・スクールへのスカラシップを獲得するのは、まるで奏の両親かのような大きな喜びを感じてしまう。
しかも、予選では、直前にアビゲイルが目をかけてくれていたのが自分だけではなく世界中に目をかけている生徒がいたことがわかりショックをうけ、大きなミスはなかったものの苦しみながら踊ってしまったため、それを挽回する素晴らしい決戦の舞台での演技は感動ものだ。

『絢爛たるグランドセーヌ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

バレエ経験のある作者が描く漫画作品

作者のCuvie自身が、小学校から高校までクラシックバレエを習っており挫折した経験がある。作中のダンスの表現・衣装やダンサーたちの繊細な心理描写は、作者自身の経験が活かされている。ちなみに、作者のペンネームCuvieはファッション雑誌『CUTiE』が由来である。

細やかな作画

作者のCuvieは度々イギリスへ取材に行っており、劇中内のロイヤルバレエスクールなどの描写はその取材が生かされ綿密な描写がなされている。

作中オリジナル演目

くるみ割り人形、眠れる森の美女など作中で描かれる演目は基本的には実際の演目の振り付けにそって描かれているが、キーラの振り付けコンクールの作品や、アビゲイルが挑戦したパエトーンなどは本作オリジナルの演目である。

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