カテナチオ(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『カテナチオ』とは2022年より森本大輔が『週刊ヤングジャンプ』で連載している漫画である。主人公の嵐木 八咫郎は、サッカーで世界一になるという夢をもって育ってきた高校3年生。高校最後の大会を目前としていて、ここでなんとしてでも勝ち進みプロの道にこぎつけたいが、強豪校相手に惜しくも敗退してしまう。だが、試合の翌日にイタリアのサッカーチームFCオリヴェーロにスカウトされる。イタリアに渡った一人の青年が、夢への異常な貪欲さを武器に大きく成長する姿を描く。

『カテナチオ』の概要

『カテナチオ』とは2022年10月より森本大輔が『週刊ヤングジャンプ』で連載している漫画である。森本大輔は2020年『ヤングジャンプ』の月例新人賞にて佳作を受賞。デビュー作は『まだ、何も知らない』。『カテナチオ』で連載デビューを果たす。本作は他のサッカー漫画では描かれないようなシリアスな雰囲気、貪欲さ、残酷さが魅力であり、絵のタッチも相まって大人向けの仕様になっている。このことから、サッカーにあまり興味が無かった、という大人がサッカーの詳しいルールやその面白さを知るきっかけとなり、サッカーというスポーツの門戸を更に広いものにした。

東條高校の3年生・嵐木 八咫郎(あらき やたろう)は幼少期に観戦した欧州クラブカップに魅せられ、サッカーで世界一となるという夢をもつ。その日から一分一秒全てをサッカーに捧げるようになり、高校に入学してからもその姿勢は変わらなかった。しかし、そのような血のにじむような努力は簡単に実らず、高校最後の選手権が近づいてくる。嵐木は親と「高校で芽が出なかったらサッカーの道は諦める」という約束をしているため、この選手権に負ければ強制的にプロへの夢は絶たれる。そんな状況下で、ユース代表・榊原 見鳥(さかきばら みどり)率いる強豪・彩海高校と対戦することとなる。この試合、なんとしてでも榊原のシュートをとめるため、嵐木は意図的なファウルを多発させる。結果的に決勝戦には負けてしまい、故意的なファウルプレーは観客から非難の対象とされる。しかし、そのプレーを見たイタリアのチーフスカウトが、その勝利への執念に惚れ込み、嵐木をスカウトする。イタリアに渡った何者でもない凡人が、精神と戦略を研ぎ澄ましサッカー界の頂点に上り詰めていく。

『カテナチオ』のあらすじ・ストーリー

高校最後の大会と渡欧

勝利のためには手段を選ばない嵐木。

東條高校のサッカー部に所属する高校3年生・嵐木八咫郎(あらき やたろう)は、サッカーで世界一になることを夢としていた。その覚悟は尋常ではなく、サッカースキルのみならず、体格づくり、ビデオ分析、語学勉強など、夢のために人生の1秒も無駄にしない、世界一という夢に全てを捧げる生活を送っていた。

そのような努力を続けてきた嵐木だったが、それでも凡人は天才の壁をこえられず、引退の時期も近づいてくる。最後に選手権大会も目前としていたが、嵐木は親と「高校卒業までにプロに内定されなければ夢を諦め進学する」という約束を交わしている。つまり、最後の大会を順当に勝ち進められれば全国大会に進出し、プロへの道も見えてくるが、一度でも負ければ強制的にサッカーを引退しなければならない。

そのような状況下で、東條高校は何試合か勝ち進み、ここで勝てば全国大会進出というところまで駒を進める。だが、全国を賭けた試合の対戦相手は彩海高校。彩海高校とは、日本サッカーの最高傑作とまで称される天才・榊原 見鳥(さかきばら みどり)が所属する強豪校である。榊原を見に来る観客も多く、東條高校は完全にアウェー状態。また試合直前にチームメイトと口論になった嵐木は、本来のポジションではないセンターバックをすることとなる。このような不利な状況で、嵐木が見出した勝つための方法は、ファウル上等の守備である。足をひっかけたり抱きついたりなど、榊原にシュートを打たせないためにあらゆる手を尽くしたが、結果は東條高校の敗退に終わる。ファウル多発のプレーにせこい、汚いなど、散々な非難をされた嵐木であったが、その執念深さに魅了されたイタリアのサッカーチームFCオリヴェーロのチーフスカウト シルヴィオ・テスタが嵐木をスカウトする。そのスカウトに身を委ね、嵐木は渡欧する。

FCオリヴェーロへの入団

イタリアに到着したその日、FCオリヴェーロの監督であるミロ・ジャンパルモと対面する。そこでチームへの入団試験として、FCオリヴェーロの選手であるラファエロ・アマーティーと1対1のミニゲームを強いられる。監督はこのゲームは嵐木の惨敗に終わると思っていたが、嵐木の狂った精神力と判断力でラファエロに3勝し、見事入団を勝ち取る。

U-19への所属 チームメイトとの対面

入団の権利を獲得した嵐木は、FCオリヴェーロのコーチ・グレゴリオからFCオリヴェーロの1部ではなく下部組織のU-19に入団することを命じられる。そこで出会ったモモ・トラオレから、U-19のプレイヤーが1部へ昇格する仕組みを聞かされる。それによると、U-19のチームが他チームとの公式試合に2連勝すること、そしてオリヴェーロのU-23で形成されるBチームに勝利すること、この2つがトップチーム昇格への条件であるという。U-19とBチームの試合はU-19にハンデとして2点リードからスタートするということも耳にし、嵐木はトップチームへの昇格に対する野望とU-19に対する違和感を覚える。

昇格戦

野望と違和感を胸にU-19の練習をこなしていく中で、直近で行われるU-19対Bチームの昇格戦に嵐木はベンチ入りすることとなった。嵐木はベンチスタートで試合がスタートし、前半は順当にBチームを抑えるも、後半10分のところで相手に得点を許してしまう。この1点によってU-19内の雰囲気は乱れ、更にもう1得点取られてしまい同点に追いつかれる。この試合の流れを変えるため、監督は交代で嵐木を投入する。投入された嵐木は、早速Bチームのシュートをゴール際で止める。ルールとして、引き分けだとU-19の昇格は認められないため、Bチームに追いつかれた時点でU-19は勝つ気力を失うのが今までのセオリーであった。しかし嵐木の最後の一秒まで諦めない、というディフェンス意識がU-19内の意識を変え、雰囲気を立て直すことに成功する。が、ここで問題が起きる。嵐木の評価を落とそうと、U-19内のバルナバ・ダッダーリオとナザリオ・ランフランキがディフェンスの連携を邪魔し始めるのである。このチーム内分裂に対し、嵐木はレッドカードに相当する大胆なファウルで相手のゴールを阻止する。この動きは一見自分の評価を下げる自滅行為と言えるが、嵐木は自分の評価ではなくチームの勝ちを優先し、チームが勝つ可能性を少しでも残すことを考えファウル行為を行ったのである。だが最終的な試合結果は2-2の同点。U-19からトップチームへ昇格する者は誰1人居なかった。

U-19のチーム内カースト

昇格戦から月日が経過し、U-19でのプレーも慣れてきた嵐木だったが、このチームへの違和感は拭えないままであった。チームメイトの情緒や思考があまりにも見えないのである。その時、モモ・トラオレと初めて会話した際にU-19専用の寮があることを耳にした。その寮に引っ越し、私生活を通して彼らを知ろうとした。その寮で、嵐木はU-19内に姑息な上下関係ができているのを発見する。特にサッカーで評価されているナザリオが寮生活で幅を利かせていて、こんなチームワークでは到底勝てないということを悟る。すると、普段は無口で無気力なチームメイトのノアハ・デ・クヴァイが嵐木に興味をもち、声をかけてくる。

U-19リーグ USサリーサとの対戦

FCオリヴェーロはU-19一部リーグ戦でUSサリーサと対戦することになる。USサリーサは現在リーグ4位のチームであり、オリヴェーロは去年0-4で完敗している。特にサリーサの名GKベンヴェヌート・サンタマリアの守備、FWのテオドーロ・コッコとレオニダ・ミローネの連携攻撃がUSサリーサの肝である。この試合で、嵐木とバルナバの2人がCBを任される。

FCオリヴェーロは研究と作戦によって戦略的に試合をすすめようとするも、試合がスタートしてから主導権は常にUSサリーサに握られている状況だった。そんな戦況の中、流れは動きだす。サリーサのエースであるコッコがボールを奪いにくる。この行動が戦況を変えるトリガーになる。この行動はコッコによく見られる行動であり、それをインプットしていた嵐木とノアハは、更にその先を読んで連携プレーにいち早く動き出す。数秒の隙をついたプレーの結果、ノアハがサンタマリアから一点を奪い取ることに成功する。

この1点から更に点を取りたい嵐木と、嵐木が評価されることに苛立つバルナバ。2人のCBの連携が次第になくなり、とうとうバルナバは守備をさぼり始める。ハーフタイムでやる気のない守備について問いただされたバルナバは、怒りを抑えられず愚痴を漏らしていた。その時、ナザリオから「惨めだ」と言われる。たったの一言であるが、自身の足の速さが評価されない、自分の凄さを理解してもらえない、という事実を突きつけられ、バルナバの集中力が格段に落ちる。この時、今までは足が速いというだけで褒められていたが、サッカーにおいては、勝たなければ足が速いということが評価されない、長所にフォーカスさえされない、ということに気づく。勝たないと長所も戦略も意味がないのである。それに気づいたバルナバは自分の殻を破り、嵐木とCBの連携をとるようになる。

このようにして守備を進化させ、更にサンタマリアの欠点を理解しているノアハの活躍によりFCオリヴェーロはもう1得点をあげる。2ー0という得点差に焦りを覚えたコッコは独断で雑なプレーが増え、交代させられる。FWがミローネのみになり、彼によるワントップのフォーメーションで一点を取られるも、少ない残り時間を徹底的に守りこみ、結果2ー1で見事FCオリヴェーロが勝利する。

『カテナチオ』の登場人物・キャラクター

主人公

嵐木 八咫郎(あらき やたろう)

出典: tonarinoyj.jp

東條高校の3年生。サッカーで世界一になることを夢に異常なまでの努力をしてきたが、高校最後の大会で敗退する。それによって一度夢を諦めるが、大会を見に来ていたFCオリヴェーロのチーフスカウトにそのメンタリティを見込まれ、スカウトされる。スカウト後はイタリアに渡ってオリヴェーロのU-19に所属し、トップチームに昇格することを目指す。

FCオリヴェーロ

シルヴィオ・テスタ

出典: tonarinoyj.jp

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