デブとラブと過ちと!(デブラブ)のネタバレ解説・考察まとめ

『デブとラブと過ちと!』とは2019年よりままかりが電子書籍コミックシーモア『恋するソワレ』で連載している漫画、およびそれを原作としたテレビドラマ作品である。デブでブスなコンプレックスを持つ主人公、夢子が意識不明の大怪我から目覚めたとき、夢子は超ポジティブ女子に激変していた。謎めいた夢子殺人未遂事件の真相を解き明かしながらも、夢子が作中で繰り広げる超ポイティブな夢子ワールドで周囲の人たちを魅了していく恋愛コメディマンガとなっている。

『デブとラブと過ちと!』の概要

『デブとラブと過ちと!』とは、2019年より著者ままかりが電子書籍コミックシーモア『恋するソワレ』で連載している漫画およびそれを原作としたテレビドラマ作品である。略称は「デブラブ」。
2022年11月7日より、TOKYOMX(9ch)にて実写ドラマ化された。主役の幸田夢子(こうだ ゆめこ)役には、3時のヒロインのかなでが抜擢。本人いわく「夢子の顔が自分に似ていると思って漫画を読み始め、お話を頂いたときは本当に驚きました」と語っている。そして夢子の恋の相手、結城圭介(ゆうき けいすけ)役は超特急の草川拓弥が抜擢。「原作を読ませていただき、この先の展開と夢子のあたたかい前向きなセリフの数々に、気づけば僕自身が勇気づけられていました」と夢子の人柄に感銘を受けている。
物語の主人公・幸田夢子はある日、建物から落ちてしまい記憶喪失になってしまう。以前はデブでブスな自分なんていなくなればいいという陰気な性格だったが、記憶喪失後、明るく自分が大好きな性格に変わった。その太陽のような明るさで老若男女問わず、夢子の虜になっていく。恋愛と事件の陰謀が渦巻いたラブコメディ漫画である。

『デブとラブと過ちと!』のあらすじ・ストーリー

目覚めたら記憶喪失

幸田夢子(こうだゆめこ)が病院で目を覚ますと、記憶喪失になっていた。自殺をするために4階から落ちたという話だったが、記憶喪失の影響で夢子はポジティブな性格に変わっていた。
会社に復帰の朝、夢子は通勤途中の公園で具合が悪そうな男性を見かけた。自分のスマホになぜかその男性の写真が保存されていた夢子は、見知らぬ男性を介抱する。具合の良くなった男性に笑顔を向けられた夢子は、赤面しつつも逃げるようにその場を後にした。

会社では、陰気な性格だった夢子がポジティブな性格に変化たことに社員全員が驚いていた。夢子は上司・前園弘樹(まえぞのひろき)にも挨拶をしたが、体は恐怖を感じていた。疑問に思ったが、緊張のせいにして仕事に戻ったのだった。
”夏限定ポテトチップス”の新商品企画会議に呼ばれた夢子は、前園、玉井咲(たまいさき)らと新作案を練っていた。過去に自分が書いたアイディアノートを見つけた夢子は、みんなの前で”ポテトチップスラムネ味”を提案。賛否はあったが夢子の案が採用される。
会議が終わった夢子のスマホに、警察署の谷川俊三郎(たにがわしゅんざぶろう)からの着信がくる。谷川は、実は夢子の飛び降りは自殺未遂ではなく、殺人未遂事件の疑いがあると告げるのだった。

副社長・結城圭介の噂

記憶喪失以前の自分が書き溜めたアイデアノートを見つけた夢子。新商品は、夢子のアイデアでいくことになる。
プレゼン当日、役員の中には公園で出会った彼の姿があった。彼はサイバラの副社長で、名前は結城圭介(ゆうきけいすけ)という。圭介は公園で会った時と違い、全く笑わない冷徹な人物だった。結局、商品化は次回の会議までに改善案を提示する形で持ち越しとなった。

終業後、玉井と2人で飲んでいた夢子は、玉井から圭介の出世の経緯を知らされた。社長と圭介は赤の他人、社長の娘である前園梨香子(まえぞのりかこ)と前園弘樹は夫婦関係、圭介は前園の元部下。さらには圭介と前園梨香子は不倫しているのだという。
その後、圭介がラムネチップスの改善案のヒントをくれたことで、無事に商品化が決まった。夢子はお礼を言うために会社から出てくる圭介を待ち伏せた。夢子と二人きりになると、圭介は副社長ではなくいつもの柔らかい表情に戻る。圭介は、明るくて前向きな夢子を見て応援したくなったのだという。
圭介が去り、一人になった夢子に、捜査一課の刑事・南基樹(みなみもとき)が声をかけてくる。谷川も合流した喫茶店で事情聴取を受けることになり、夢子は自身の殺人未遂事件は誰か恨みを持った者の犯行の可能性が高いと聞かされたのだった。

初デートと事件の記憶

圭介とディナーデートをすることになった夢子。食事をしながら楽しく話をしていたが、そこへ南と谷川がやってくる。南が圭介に夢子の事件について心当たりがないか尋ねたが、圭介は心当たりはないと答えた。しかし、圭介の表情はどこか暗かった。

それからしばらくして、夢子は南、谷川と共に、自身が転落した現場である廃ホテルに来ていた。自分のスマホの写真や、圭介、前園、梨香子の関係から、3人が事件に絡んでいると知った夢子。現場を見た瞬間、当時の現場状況の一部を思い出し、夢子は涙を流した。廃ホテルを出ると、そこには月下美人が咲いていた。夢子はこの花の香りをどこかで嗅いだことがあったが、思い出せないまま帰路に着いた。
一方、圭介は南と谷川に事情聴取をされた。圭介の靴のサイズは27センチで、現場のゲソ痕とも一致した。

夢子は高級ホテルに圭介と梨香子が入っていく瞬間を目撃してしまう。次の朝、公園で圭介に会った夢子は、梨香子との関係を尋ねた。圭介は友人だと答え、前園夫婦の関係を悪くしたのも自分であるため、せめてもの罪滅ぼしで梨香子といると語ったのだった。
その後行われた会社主催のBBQで、梨香子が夢子に話しかけてきた。梨香子の昔話を聞いた夢子は、彼女の言葉をどこかで聞いた気がした。

夢子の弟子

夢子は中途採用で入社してきた松陰寺尊(しょういんじたける)の教育係を担当することになった夢子。忙しい日々の中で、圭介との距離も近づく。
会議中、梨香子が病院に搬送されたとの知らせが入った。前園はすぐさま病院に向かい、圭介も後を追う。その時、夢子は梨香子が自分を刺す瞬間を鮮明に思い出した。やはり梨香子と会ったことがあり、事件に関係あると確信した夢子は、梨香子にもう一度会うことを決めるのだった。

その夜、松陰寺の歓迎会をした後、近くの公園に寄った夢子と松陰寺。楽しく談笑していると南と谷川が現れた。
南は事件当日に梨香子の目撃情報があったことと、近日中に梨香子に事情聴取することを夢子に伝えた。
心配そうに見ていた松陰寺は夢子に何があったのか問う。夢子は自分は記憶喪失であること、事件には私を殺そうとした犯人がいると語る。それを聞いた松陰寺は、夢子の護衛として毎日送迎することを請け負うのだった。

圭介の過ち

梨香子に会わせてもらった夢子は、事件現場に梨香子がいたことは違いではなかったと悟る。そのことを圭介に伝えると、圭介はかつての自身の過ちを教えてくれた。

かつて圭介は、前園が仕事に打ち込めるように、梨香子と息子の優のサポートをしていた。しかし関係が悪化してしまったため、仕事を辞めようと考える。そんな時に母親の肝臓がんが発覚。社長から副社長になれば治療費を肩代わりすると提示された圭介は、母親のために圭介はやむを得ずそれを受け入れた。そして梨香子と前園の関係は悪化し、母親の病状も悪化していった。圭介はストレスから体調を崩し、何もかも嫌になっていた頃に夢子と出会ったのだという。
夢子の提案で圭介の母がいる施設に向かった2人。圭介のことも分からなくなっていたはずの母親だったが、夢子が手を触れあわせて話すように圭介を促すと、母親はふと正気に戻ったようだった。久しぶりの母親の笑顔に、圭介は涙を流すのだった。

夢子の自宅まで送った圭介は、過去を知られれば嫌われるのではないかと思っていたという不安を吐露する。しかし夢子に、そんなことで嫌ったりしないと笑顔で言われ、顔を赤くするのだった。

三角関係と新しい記憶

圭介は夢子のことが好きだと自覚した。一方、夢子、玉井、松陰寺の3人は新商品のサンプルに取り組んでいた。忙しい中、ふと2人きりになった夢子と松陰寺。話の流れで夢子が松陰寺の細かくて融通が利かないところが好きだと言うと、松陰寺は自分も夢子のことが好きだと告白した。そのシーンを目撃した圭介は、夢子と松陰寺が両想いなのだと勘違いしてしまう。
その後、圭介から呼び出された夢子は、昼休みの人のいないラボで圭介と落ち合った。松陰寺との関係が誤解だと知った圭介は、夢子に告白する。その瞬間、夢子の中に新たな記憶が呼び起こされた。それは、圭介のパソコンからUSBメモリを盗ろうとする場面。また、ある謝罪会見で頭を下げる圭介の姿。
知らぬ間に涙を流していた夢子を圭介は抱きしめ、返事は今じゃなくていいし、ゆっくりでいいと優しく諭した。夢子は、圭介と付き合いたい気持ちでいっぱいだが、好きになってはいけない微かなものが引っかかるのだった。

『デブとラブと過ちと!』の登場人物・キャラクター

主要人物

幸田 夢子(こうだ ゆめこ/演:かなで)

お菓子が大好きと笑顔で答える夢子

本作の主人公兼ヒロイン。24歳。株式会社サイバラ、企画課に所属。屋上から突き落とされ生死を彷徨った。奇跡的に意識を取り戻すも記憶喪失になる。事件が起きるまでは、口角も下がって、暗くて死んだ魚のようだった。自分の姿を見るのが嫌いで、部屋に鏡はなく、あるとすぐ壊していた。その暗い性格から非常に明るい性格に変わった。周りを明るく照らす太陽、無いと存在できない空気のような存在で、関わる人物の心を明るく照らす。どんなことがあってもポジティブで自他ともに自己肯定感が高い。夏季限定ラムネチップスの発案者であり大ヒットさせた。お菓子が大好き。記憶喪失になる以前から圭介に一目惚れ。圭介との朝の密会タイムが唯一の癒し。圭介と梨香子の噂を耳にしても信じる心を貫き通すほど、綺麗な心の持ち主。事件の犯人候補で圭介の名前が浮上した時は、全否定している。圭介の無実を証明する為にも記憶を辿ることを決意する。

結城 圭介(ゆうき けいすけ/演:草川 拓弥)

結城圭介

株式会社サイバラの副社長。29歳。仕事では冷徹で笑わず、社員からは鬼副社長と陰で呼ばれている。社長と圭介は赤の他人。数年前までは前園・梨香子・出川と一緒に昼夜一緒に仕事をしていた。圭介と前園は企画部にいたときは仲が良かったが、梨香子との不倫の噂や、副社長に就いてからさらに険悪な仲に。精神的ストレスが原因で発作が起きるが夢子に出会ったおかげで発作は治まる。
梨香子とは不倫をしていない。大事な友達を助けたい、優の寂しさを埋めてあげたい気持ちで手助けをしている。夢子との朝の密会を楽しみにしており、2人でいる時は無邪気な笑顔をする。松陰寺尊が現れたことで、朝の密会が減り嫉妬心を露わにしていた。圭介の母親の一件から夢子に恋をしていると自覚する。それからは会社でもオープンに夢子と接触しており、松陰寺からは「職権乱用」と言われる。夢子の記憶喪失に関して何か知っている様子だが、明らかにされていない。好きなものは、焼きそば・プリン・戦隊ブルー。

前園 弘樹(まえぞの ひろき/演:崎山 つばさ)

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