苺ましまろ(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『苺ましまろ』とは、『月刊コミック電撃大王』にて2001年より連載を開始したばらスィーによる漫画、およびそれを原作としたアニメ・OVA・ゲーム作品。高校1年生の伊藤伸恵と小学校6年生の妹・千佳、その友人たちが繰り広げるシュールな日常を描いた日常系コメディ作品である。作品のキャッチコピーは「かわいいは、正義!」。ほとんどが1話完結となっており、どこから読んでも楽しめる内容となっている。キャラクターのファッションや、随所に散りばめられた音楽ネタも見どころ。

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『苺ましまろ』の概要

『苺ましまろ』とは、2001年3月1日に発売された『月刊コミック電撃大王』3月号から連載が開始されたばらスィーの漫画作品、およびそれを原作としたアニメ作品。2005年7月から10月にかけて、テレビアニメが全12話放送されたほか、同年2005年8月にプレイステーション2のソフトとしてゲーム化された。その後、2007年と2009年にOVAが発売されている。
作者のばらスィーは、アニメ雑誌にイラストを投稿しているハガキ職人だったが、『月刊コミック電撃大王』の編集長の目に留まり、漫画家になることを強く進められたため、イラストレーター志望だったが漫画家になった。作中の小物から背景まで、実在の物を細部までこだわり描き込む作風が特徴である。デビューから、本格的な連載作品は『苺ましまろ』のみ。
主な登場人物は女子高校生の「伊藤伸恵(いとうのぶえ)」と、その妹の小学6年生の「伊藤千佳(いとうちか)」。千佳の幼なじみの「松岡美羽(まつおかみう)」と「桜木茉莉(さくらぎまつり)」、転校生で茉莉と同級生の「アナ・コッポラ」の6名である。伸恵は16歳の設定であったが、アニメ化にあたり年齢が20歳の短大生に変更された。ゆるくシュールな日常を描いたギャグ漫画。
物語の舞台は静岡県の浜松市で、作中に登場する施設や風景などが、そのまま描かれており、聖地巡礼に訪れるファンも多い。単行本1巻の帯に書かれた「かわいいは、正義!」がキャッチコピーである。

『苺ましまろ』のあらすじ・ストーリー

転校生のアナ

静岡県浜松市で暮らす不真面目な高校1年生の伊藤伸恵(いとうのぶえ)と、伸恵の妹でしっかり者の小学6年生の千佳(ちか)、千佳のクラスメイトで幼馴染のトラブルメーカー松岡美羽(まつおかみう)、近所に住んでいる内気でドジっ子な小学5年生の桜木茉莉(さくらぎまつり)。伸恵は実の妹である千佳以外の子供たちからも姉のように慕われており、よく4人で遊び、騒がしい日々を送っていた。

ある日、町内の豪邸にイギリス人の家族が引っ越してくる。その家族の娘、アナ・コッポラが茉莉のクラスに転入してきた。
アナは長い日本での生活で英語をほとんど忘れてしまい、英語を話せないことにコンプレックスを抱いていた。しかし新天地ではそのことを隠し、イギリス人として生活しようとしていた。アナが英語を話せないことにいち早く気付いた茉莉は、学校生活でのアナのフォローと、英会話の特訓に付き合うようになる。茉莉以外には日本語が堪能なことを知られたくなかったアナだが、茉莉に紹介された千佳と美羽にすぐにバレてしまう。そして可愛い女の子が好きな伸恵にも気に入られ、5人で集まったり出かけたりすることが多くなっていく。

伸恵のアルバイト

高校生ながら喫煙、飲酒、無免許運転などやりたい放題の伸恵。伸恵はいつも金欠に陥っており、たびたび妹の千佳に借金している。その日も煙草代を借りるために千佳の部屋にやってきた伸恵だったが、机の引き出しには鍵がかけられ、貯金箱にはお金がない。本人に借りようとするものの、以前の借金を返していないために貸してもらえなかった。
仕方なく、伸恵は自分で稼ぐためにバイト探しを始める。なかなか決まらなかったが、時給の高さに惹かれ、ファミレスで働くことにした。フリフリの衣装を着た姿を誰にも見られたくなかった伸恵だったが、さっそくアナに見られてしまった。そして当然のように、伸恵のバイト先を訪れる千佳、美羽、茉莉、アナの4人組。調子に乗ってからかってくる美羽に、最初は我慢していた伸恵だったが、結局キレてしまい、チョコパフェをおごる羽目になってしまう。味を占めた美羽は他の小学生組と共に翌日、そのまた翌日もやってきて、伸恵にたかる。そして美羽と伸恵のバトルにより、店は大混乱に陥ってしまった。その後、店長に呼び出された伸恵は依願退職を提出。店の修繕やクリーニング代などを差し引いたバイト代の手取りは、わずか275円だった。

あの世にまでいってしまう美羽

伊藤家でお泊り会を開いたり、みんなで海水浴や夏祭りに行ったり、楽しい日々を送る5人。特別なイベントに出かけなくても、夏場は涼しい部屋の中で遭難ごっこをし、寒い日にはこたつでまったり過ごす。5人で過ごしていると、いつも突拍子もない行動をとるトラブルメーカーの美羽のせいで問題が起きる。また、可愛い女の子が好きな伸恵が茉莉とアナを可愛がり、それに嫉妬した美羽が2人に意地悪をして泣かせるようなこともよくあるのだった。
あるとき、突然アイドルになりたいと言い出した美羽。バク転を試みるも失敗。目が覚めるとあの世にいた。
あの世では、伸恵そっくりのエンマ大王、千佳・茉莉・アナと瓜二つの案内人が美羽を出迎えた。しかし死んでも破天荒な美羽を煙たがったエンマ大王により、美羽は無事に生き返ることができたのだった。しかしその後の運動会の際にも美羽はパンを喉に詰まらせ、再びあの世を訪れることになる。

『苺ましまろ』の登場人物・キャラクター

メインキャラクター

伊藤伸恵(いとうのぶえ)

CV:生天目仁美
静岡県浜松市在住の16歳の高校1年生。10月17日生まれのA型。原付免許を取得しており、移動は主にスクーター。愛車は1989年式のスズキ・セピア、後にホンダのクレア・スクーピー。1巻までは金髪のロングヘアだったが、2巻から黒髪で長めのショートヘアに変更された。友人からのあだ名は「ボス」。高校生にもかかわらず喫煙・飲酒・自動車の無免許運転を繰り返す問題児だが、妹やその友人たちへの面倒見はよく、実の姉のように慕われている。愛飲しているビールは麒麟淡麗で、煙草はマイルドセブンライトやマールボロ等。アニメ化にあたり、コンプライアンス的な問題で年齢が16歳から20歳に変更された。3巻では、友人の愛子とファミレスでアルバイトをしていたが、美羽にちょっかいをかけられ大暴れしてクビになる。
作者のばらスィー自らのサークルで発行した『苺ましまろ』の同人誌で、伸恵が小学生時代に好意を持っていた男子が、クラスメイトの別の男子と付き合っていることを知り、ショックを受けて金髪に染めたと語られている。さらに、そのことが原因で小さい女の子も好意の対象になった。

伊藤千佳(いとうちか)

CV:千葉紗子
伸恵の実妹で12歳の小学6年生。クラスは6-2で美羽とクラスメイト。5月11日生まれのA型。髪型は黒髪のショートヘアで、右側をサイドテールにしている。伸恵いわく「特にこれといった特徴がないのが特徴」。
姉とは違ってしっかりとした性格で、常識的な感性を持っているため、主にツッコミ役。お菓子作りが趣味で、レシピの研究もしている。初期の頃は、勉強中など眼鏡をかけている描写があった。アニメ8話「夏祭り」で、金魚を2匹掬い飼い始める。名前は伸恵がリチャードとジェームズと名付けた。

松岡美羽(まつおかみう)

CV:折笠富美子
伸恵と千佳の隣人であり幼なじみ。千佳とはクラスメイト。9月8日生まれのB型。伸恵いわく「長い付き合いだが考えていることがよくわからない」。隣家の伊藤家とは屋根が接するほど近い距離のため、よく屋根を伝って千佳の部屋に遊びに来る。1巻までは黒髪のショートヘアだったが、2巻から茶髪のツインテールに定着した。学校でもトラブルメーカーであり、度々廊下に立たされている。服にはこだわりがあり、伊藤家に遊びに行くだけで30分も服選びで迷っていた。1人っ子で実は甘えん坊で、伸恵に可愛がられている茉莉やアナに敵対心を持っている。

桜木茉莉(さくらぎまつり)

CV:川澄綾子
伊藤家とは徒歩5分程の距離に住む小学5年生の11歳。クラスは5-2で、転入してきたアナとクラスメイトになる。1月25日生まれのO型。髪は薄い色のショートヘアで毛先だけ黒い特徴的な髪型をしている。コンプレックスに感じている描写もあった。裸眼では数10cm先も見えないほど極度の近眼のため、常に眼鏡をかけている。とても泣き虫で気が弱く、運動音痴なドジっ子。美羽によく揶揄われ泣いていることが多い。絵本を読むのが好きだったり、サンタクロースを信じていたりと、実年齢より精神先に多少幼いところがみられるが、勉強は得意。アナの付き合いで英会話の勉強を始めたが、アナよりも上達している。ペットはフェレットのジョンで、連れ歩くことが多い。

アナ・コッポラ

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